クリスチャン・シオニズム

キリスト教右派がエルサレムはイスラエルのもの、と信じるというのはキリスト教の教理
の一つとして古くから存在しており、「クリスチャン・シオニズム」と呼ばれている。た
だし全世界のキリスト教徒の多数派という訳ではなく、ウィキペディア等によればこれを
信奉しているのは、アメリカのプロテスタント福音派、ドイツルーテル教会のマリア福音
姉妹会、末日聖徒イエス・キリスト教会などのみだそうである。最後の末日聖徒イエス・
キリスト教会というのはいわゆるモルモン教のことだ

彼等の信奉の根拠は旧約聖書の創世記。いわゆるノアの大洪水のあと安住の地を求めて旅
をしていたアブラハムがエルサレムに到着したとき、神がアブラハムの前に現れ「この土
地をあなたとその子孫に与えよう」と言ったという、いわゆる「アブラハムの契約」から
きている。アブラハムの子孫がイスラエル王国を築き、その王国の民がユダヤ人なのだ

もともと旧約聖書はユダヤ教の聖典である。キリスト教は旧約聖書と新約聖書を聖典とす
る。イスラム教は旧約聖書、新約聖書、コーランの３つを聖典とする。この３つの宗教は
兄弟宗教と言っても良いものだ。クリスチャン・シオニズムを信奉するのはユダヤ教に強
いシンパシーを持つキリスト教徒ということになるのだろうか？どうなんだろう

シオニズムというのはシオンの丘のある土地パレスチナ、そここそユダヤ人の安住の地だ
ということでパレスチナにユダヤ人国家を立てようとする思想。その結果生まれたのが現
在のイスラエル。だけどユダヤ教徒の中にもシオニズムを否定する人たちも居て、超正統
派と呼ばれている。彼等によれば安住の地は神から与えられるものであり、シオニストが
武力で打ち立てたイスラエルなど絶対認めない。こういう人達はユダヤの教義に忠実で肉
体労働は一切しない。なので宝石商とか金融業を生業としておりニューヨークが最大拠点
だ。超大金持ちであり、アメリカのユダヤ社会で大きな発言力を持っている