mixiユーザー(id:17119814)

2016年05月09日10:33

255 view

軍艦史(61)

今度は北軍の装甲艦モニターである。モニターは北軍によって新しく作られた装甲艦であ
る。バージニアも相当に変な外見の船だったが、こちらのほうがさらに変である。もはや
水上艦には見えない。潜水艦だろこれ?という外見である。

中央に突き出た部分が砲塔で、11インチ・ダルグレン砲2門が装備されている。この艦
はバージニアに比べると非常に小さい。全長52m全幅12.6m、排水量は987トン
しかない。排水量で比べるとバージニアの3分の1以下だが、全長全幅は2分の1以上あ
る。ということは非常に船の高さが低い、平べったい船だということだ。

こういう船は、従来の船に比べると木の葉のようなものである。だから当然波が荒い外洋
での航行には全く向かない、というよりできない。しかしその反面、内湾や河川での使用
限定、と割り切ってしまえば、少ない資源で建造できるし、敵の攻撃にも強い。

その後、こういったタイプの艦をモニター艦と呼ぶようになった。新たなカテゴリーを生
み出した革新的な艦だったのである。さて海戦のほうであるが、バージニアが暴れている
という報を聞きつけ、駆けつけたモニターとバージニアで決戦となった。

バージニアは木造艦3隻を撃破していたが、その際に自身も損傷していた。そのため、船
の規模も火力も劣るモニターに苦戦する。砲撃戦の決着は、お互いに損傷したものの、撃
沈には至らず双方痛み分けという形で決着した。

排水量で3分の1以下でも五分に近い形で戦える、ということでこのタイプの船が増えて
行くことになる。特にイギリスなんかと違う、海軍小国にとっては自国の沿岸防衛用とし
ては価格対性能比からみても、おトクな艦である。

0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する