利上げほぼ確実

アメリカの雇用統計は毎月第１金曜日に発表される。１２月の雇用統計値も、前月に引き
続いて非常に良好な値となった。アメリカ経済は順調である。これにより、ＦＲＢの今月
利上げ実施はほぼ間違いない、と言われているようだ。

もともと利上げ実施は今年中盤あたりから言われていた。しかしここまで実施されなかっ
たのは、失速気味の中国経済に与えるダメージを考慮してのことである。中国経済は米ド
ル建てによる外国からの投資によって支えられている。その米ドルの金利が上がったら、
その分は確実に中国経済にとって負担増になり、景気にはマイナスとなってしまう。

しかしさすがに今月の利上げは間違いなさそうだ。中国経済に与えるダメージもかなりあ
るだろう。中国政府がこの間にやったことといったら、株の売却制限だとか、明らかに嘘
とわかる経済指標値発表とか、目先の弥縫策だけで根本的な対策は何もしていない。

これでは中国経済の失速に歯止めをかけるのは無理だ。いや今の中国政府が存続する限り
無理なのではないか。ただ中国企業の中にも、レノボみたいに早々にアメリカに本社を移
したりして、脱中国を実施している企業もあるから、賢い経営者の居る企業は影響を免れ
るんじゃないかな、と思う。

ただ中国の内需は低迷間違いないだろう。そうなった場合、最も深刻な打撃を受けるのは
韓国とドイツで間違いない。韓国は輸出依存度が異常に高い国で、中でも対中国輸出の比
率が最も高い。中国内需低迷による影響を最も強く受けるだろう。

ドイツの自動車産業は、中国市場で荒稼ぎしている。ユーロ市場が例のディーゼル車不正
で揺れている中、中国への依存度はさらに高まっている。中韓独はかなり深刻な不況に陥
りそう。ま、もっとも日本も影響は免れないだろうが。