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2008年04月27日22:26

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ブータン10 旅行方法について

 ブータンはまだ微妙に鎖国中で、外国人の自由旅行は認められていません。
何年か前まで入国できる外国人の人数制限があったのですが、今はビザ許可と、唯一の空からの入国方法であるドゥック航空の座席さえ押さえられれば、何人でもOKになってます。
 入国許可は、全ての旅程と宿泊場所を政府公認の現地旅行会社が書類にして、国が認可して、初めて下ります。外国人の滞在費は一律で1日$200。これはホテルのグレードやアクティビティや個人旅行・団体旅行に関係せず、何をやってもどこに行っても同じです。別料金なのは、食事の時の飲み物代(ジュースやお酒)とお土産とお賽銭だけ。

 ちょっと注意させて頂くと、最初に一万円も両替してしまうと使い道ないっすよ(笑)私は煙草持ち込みの関税に二千円以上払い、毎晩の食事にビールを付けてたから何とか使い切ったけど、なにせ「お土産やさん」がないから。生活必需品を扱う商店しかないから。
 首都ティンプーで国が経営するギフトショップに立ち寄らせてもらえなかったら、あやうく大量のブータン貨幣を持ち帰る所でした。国内で唯一の「お土産やさん」、ここでは高価なタンカ(手書きの仏教画)や織物を扱っていますが、クレジットカード使えるので危険を冒して両替する必要は全くないです。

 ちなみにブータン内のスーパーマーケットは、「ホテル・ドゥック」の隣に一軒あるだけです。そして当然のように、食品と日用品しか売ってません(笑)


 この旅行、私には珍しく、参加したのはいわゆる「ツアー」でした。旅程と行動が決められているパック旅行。ところが、他に同日程で同ツアーに申し込んだ人が一人もおらず、実質個人旅行になってしまいまして^_^;;私一人に、ガイドさん一人+運転手さん一人が付いてるもんで、細かい行き先の変更なんかワガママ通し放題。
 結果として、ホームステイはさせてもらえるわお土産屋に時間取ってもらえるわ好きな所で車を止めて写真撮らせてもらえるわ、天国でした。他人が同じ「ツアー」に申し込んでいたら全て不可だったので、ラッキーだったとしか言いようがないです。ガイドのニトゥプさんも、「すいません英語ガイドしか押さえられませんでした!」と言われた時には目の前真っ暗になったものですが、実際は通訳で3回も来日したことある強者だったし。
 ホテルで隣の部屋になった個人旅行の人と話したのですが、同じ事を最初から「個人旅行」でやろうとすると、費用は1.5倍ほどかかるみたいですね。

 安く済ませる手もないことはないです。私は日本の旅行会社さんに間に立ってもらったけど、英語に自信があれば、現地の旅行会社さんと直接コンタクトを取って、ドゥック航空の予約から始めることも可。日本←→バンコク間を格安旅行券使ったり、色々計算すると、一週間の滞在でトータル25万くらいで行けるような気がします(ドゥック航空はバンコクかカルカッタからしか乗れません。インドに慣れてない人は、悪いことは言わねぇ、カルカッタだけはやめとけ)。
 でも、日本国内ではビザ取れないとかの手続きの煩雑さを考えたら、今回の料金は適正価格だったかなーと思いました。とにかくニトゥプさんを独占できたのは大きいよ!!

 $200/日の法定料金の内、$65だか$90だかは国が持っていきます。現地旅行会社に入るのは、残りからホテル代(外人向けだと大体$50くらい)を引いた金額で、しかも私のように客1人にガイドさんドライバーさん連れて行かれると、正規の手数料なんかほとんど残らない気がする‥‥
 旅行会社がやらなきゃならない手続きは煩雑で、基本的に外国人立入禁止のゾンや寺院に訪問許可を取り、各県境にある検問所の通行許可を取り、昼食の手配をし、入場料金を代替し、客のワガママに対応し。携帯電話は普及してるけど有線電話はイマイチなお国柄のこと(標高差がありすぎて、電話線引くより電波塔立てる方が楽だったらしい)、FAXやネットはあんまり役に立たない訳で、その手間は大変なものだと思います。どうもありがとう;_;

 あと、ゾンや寺院がどこまで外国人を受け入れてくれるかは、その場のノリ‥‥って言っちゃ悪いな、観光客の態度次第で変わります。仏様やお坊さんを見ると反射的に礼儀正しくしてしまう日本人には、欧米人に比べて比較的規制が緩く、「普通のブータン人でもこれ以上は入れません!」て所まで結構入れてもらえました。
 これ、ガイドさんの途中判断もあるらしく、仏像に目をキラッキラさせてメモを取りまくる私は、日に日にお寺の奥まで入れてもらえるようになった気がする。20年に一度しか開帳されない秘仏を、お坊さんに掛け合って扉の隙間から覗かせてもらったり、かなーり便宜を図ってくれました。本当にありがとう‥‥
 逆に言うと、仏教やブータン文化に興味がなくて合掌もせずに済ませる人は、後になるほど外観観光だけで終わっちゃう可能性もある訳ですよ。


 ブータンみたいな「普通は海外旅行先に選ばんだろう」という国に来る人は、私もそうなんですけど、リュック背負って東南アジアをうろつくタイプのお客が多いようなんですね。そういう人にとっては、ガイドさんが張り付いてくる旅行は窮屈なようで、そう言われた事があると当のガイドさんが話してくれました。
 これはバックパッカー仲間として恥ずかしい‥‥それぞれの国にはそれぞれの事情があって、外人にフラフラされると迷惑なところだって当然あるでしょう。

 そもそも、ブータンで単独旅行ができるもんならやってみろ。地図に「都市」として載ってる所は、ほとんどが「店が数軒固まってるだけの集落」だ。都市間を移動するのは乗り合いバスしかなく、そのバスでは観光名所まで行ってくれない。タクシーもほとんどない。許可書がなければどこにも入れない。
 何より、外食する習慣がないからレストランがない(笑)
 ガイドさんが手配してくれて初めて、私達異邦人は虹の国をかいま見ることができるのです。



 という訳で、最後に心からの感謝を。

 余裕のない申し込みに残業バリバリで頑張ってくれた、西遊旅行大阪デスクのJさん。会ってみたら小柄な年下の女性でビックリしました。きめ細かい手配と連絡をありがとう。またお世話になる日がきたら宜しくお願いします。

 日本─ブータン鶴保護協会に所属している、ガイドのツェリン・ニトゥプさん(31)。「護持仏マハーカーラとマハーカーリーの関係」とか「タンカのこの文様は何を象徴しているか」とか、マニアックなことばかり聞いてごめんなさい^_^;;
 翌日も早いってのに、日程の半分は夜更けまでビール飲み明かしてたな私達(笑)あなたの知識の広さのお陰で、ものすごく勉強になりました。あんまり日本語ペラペラだから、たまに自分が外国に居ることを忘れそうになったよ。無事に独立できますように。

 ドライバーのラサップくん(24)。冗談好きで賑やかで、行く先々の可愛い女の子に声をかけまくってたくせに、ちゃっかりパロに彼女が居るじゃん!!(笑)東部出身で小学校を出ただけという彼、路程の途中で家族へのお土産にチーズを買い込んでたけど、どうかご両親を大切にして下さい。渡したチップは彼女へのプレゼントに使うように。

 ホームステイさせて下さったパロのご一家。無口な日本人に、戸惑うことなく接してくれてありがとう。

 そして、優しく、朗らかで、信心深いブータンの人達。
 私は貴方たちの国に行けてよかった。
 いつまでも貴方たちの国が、貴方たちの誇りとなる美しい国であれますように。
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