mixiユーザー(id:5160461)
2024年03月04日00:12
24 view
ハザール 城田俊 水声社 2023年12月25日
https:/
https:/
https:/
https:/
https:/
https:/
■独ＶＷ、中国・新疆撤退検討か＝強制労働「証拠」写真で―報道
(時事通信社 - 02月15日 07:00)
https:/
https:/
https:/
p.68
このバガ・シャドこそ、カフカスまでやって来たジェブではなかったか。
…
アルメニア史料では、ジェブの息子シャドは「北の帝王」(トンヤブグ)の甥と紹介される。甥となれば、ジェブはトンヤブグ�，鳩残錣任△襦�ということはジェブがバガ・シャドなら、バガ・シャドはトンヤブグの弟ないし義弟になる。
バガ・シャドがジェブであり、トンヤブグの弟であるなら、彼は、突厥の形成・発展期、初代可汗土門の弟イステミになぞらえられよう。
p.69
東面小可汗バガトゥル�△脇庸ゝ嫂瓦魑�こし、トンヤブグ�，鮖Τ欧垢襦�…
…
非業の死の報は、いち早くカフカスに届き、アルメニアに進出したチョルパン・タルカン部隊を含め、シャド軍は急遽撤退を開始する。
p.70
簒奪者バガトゥル�△�大可汗に就位すると、まず、反対して立ち上がったのが西面小可汗バガ・シャドを筆頭とする西部勢力であった。
この抗争の中で、バガ・シャドは倒れる。中国史料では、六三〇年の時点で、バガ・シャドの長子泥熟バガ・シャド�い�西面小可汗として登場する(このことからバガ・シャドが西面小可汗であったことがわかる。位は相続される)。
…
バガ・シャドには四人の息子の名が記録されている。長男泥熟バガ・シャド�ぁ⊆｜縫肇鵐�(豹)・シャド�ァ∋庵鵬斉瓠Ε轡礇鼻∋傭縫屮�(狼)・シャド。
p.71
バガ・シャドが倒れた後、長子泥熟バガ・シャド�い�跡目を継ぎ、西部の中核ヌシビの五部族の強力な支持を得て、バガトゥル��打倒の戦いを続け、父暗殺直後、難を逃れてソグディアナ(サマルカンドを含むザラフシャン川流域)に亡命していたトンヤブグの息子咥力テギンを迎えて、可汗の位に就けた。それが肆ヤブグ可汗��である。
かくして、二人の可汗が東西に並立し、戦闘が繰り広げられるが、高昌やタシケントなどのシルクロード沿いの都市国家のみならず、東部トロク五部の民までもが、トンヤブグ直系の肆ヤブグ可汗��に心を寄せるようになると、バガトゥル�△六戮╂擇譴覆�なり、本営を捨てて、アルタイ山中へと逃げ込んだ。
泥熟バガ・シャド�い麓蠕�を引き連れ、山中に立てこもるバガトゥル�△鮟韻ぁ∋Τ欧掘▲肇鵐筌屮悪，竜悗鯑い繊�父バガ・シャドの怨みをはらした。
…
肆ヤブグ��は、生来猜疑心が強く、片意地、狭量。統治能力に欠け、功績ある臣下一家を殺戮したりした。そのため人心が離反していった。その上恩人である泥熟バガ・シャド�い鯡椶両紊里海屬抜兇検�暗殺しようと計ったので、泥熟バガ・シャド�い魯�ラシャール(焉耆。クチャ(亀茲)と高昌の中間の都市)に逃げ込んだ。
西部ヌシビ部の有力首領は肆ヤブグ��を見限り、捕縛し、退位させようと計画した。彼は事前に察知すると、あわてふためき、とるものもとりあえず、馬にまたがり、ソグディアナへ逃げ、鬱屈のあまり死去した。
西突厥の人々は、泥熟バガ・シャド�い鬟�ラシャールから迎え入れ、推挙して大可汗に即位させた。
p.73
ハザール・シャドとは、ハザールの地を統べるシャドの意であることは動かぬことと思われる。…
…
トンヤブグ�，�殺害されると、その報を待っていたかのように、東突厥から、ボグドオラの山道の小道を通って、冒険主義者アシナ社爾(東突厥処羅可汗の次男)が突如侵入し、東西交易の要衝、高昌の北にあるカガン浮図城を攻め落とすという事態がおこる。…
…
六三四年、在位二年にして泥熟バガ・シャド�い�死ぬと、弟トンガ・シャドが可汗位を継ぎ、イシュバラ咥利失(以下咥利失)�イ鯡松茲襦�
この可汗�イ海熟仔麩伺�軍を率いて南カフカスに現れた「まだひげのはえそろわぬシャド」の後の姿ではないかと思われる。
p.74
バガ・シャドの四人の息子のうち、泥熟バガ・シャドを除けば、可汗となれたのはトンガ・シャドのみである。咥利失を名乗って可汗に就位したトンガ・シャドこそ「ひげのはえそろわぬ」シャドに比定するにふさわしい。
p.75
「テマ制」が「十箭制」を触発したとするのはあながち無理な想定とはいえないのではなかろうか。
p.76
新可汗排除運動の先頭に立ったのは、西部ヌシビ部中最強とうたわれるアスケル部のアスケル・キョル・イルキンであった(アスケルという部族名は、後、ボルガ・ブルガルの構成部族の中に見出される)。
彼はかねてから、咥利失可汗に逆心を抱いていたトン・トドンと語らって、西突厥十部の主だった首領を呼び集め、ヨクク・シャドと言う人物を大可汗に就位させ、咥利失可汗を小可汗にする案を提示し、承認を得る。
p.77
多少の曲折の後、六三八年、この案は実施され、西突厥大可汗に就位し、乙毗トロク➅を名乗る。
…
グミリョフなどは、名前が同一なので、東突厥の最後の可汗頡利の子である欲谷設(21：5158)と思い込む。…
p.78
北カフカス、ダゲスタン地方に残留したバガ・シャド家のものは、ヨクク・シャド勢力に割り込まれて、本家との連絡が切れたことにより、付近の大勢力ハザールに頼って自立の道を探らざるを得なくなる。…
…
翌六三九年、咥利失可汗の部下トドン・イルテベルを篭絡し、反乱をおこさせた上、兵をさしむけ、咥利失可汗を王庭スイアブから追い出す。…
…
跡を継いだのは息子乙屈利失乙毗可汗�Г任△襪�、一年たらずで死去し、こんどは咥利失可汗�イ猟錺�ナ・シャドの子が可汗に即位し、乙毗イシュバラ・ヤブグ�┐鯡松茲襦�
乙毗トロク可汗➅(ヨクク・シャド)は六四一年タシケントのトドンを乙毗イシュバラ・ヤブグ�┐砲気靴爐瓜Τ欧気擦襦�…
その前後、乙毗トロク可汗➅(ヨクク・シャド)は手駒のヤブグ、アシナ彌射を高昌に派遣し、麴文泰と協力させ、社爾勢力掃討作戦をいくたびか実施し、遂に一掃に成功する。
p.79
不満を募らせたのが、付き従った一武将泥熟チュル(トロク部胡祿屋部首領)である。彼は戦利品を満載する輜重を襲い、大半を奪い取る。乙毗トロク可汗➅はすかさず泥熟チュルを斬殺すると、胡祿屋部隊が反乱をおこし、反乱は全土に及ぶ。
乙毗トロク可汗➅(以下ヨクク・シャド)は疲れはて、気力を失い、全てを投げ打って、トカラに帰りたい旨、付き随う諸将に告げると、重臣處木昆屈律チュルはいさめ、スイアブに戻り、帝国支配を続けるよう説得する。
最初、ヨクク・シャドを支持していたヌシビ部のものも、彼を可汗の座よりおろそうとして、唐朝と結託し、トンガ・シャド�イ梁垢魏調世僕蔑�する。それが乙毗射匱可汗��である(以下射匱可汗)。
p.80
（一） バガ・シャド系可汗と徹頭徹尾対立して闘う。明らかにトンヤブグ系の人物である。それも、部族首領から推挙され、大可汗に即位することから見て、トンヤブグの直系であろう。
（二） 危機に瀕するとトカラへ逃げ込もうとする。トカラを直轄領地とする人物である。
（三）唐軍とも闘い、言動も反唐的である。
p.83
タルドゥ・シャドと麴文泰の妹の間に生まれた男の子は、まだ幼かったので、青年テギンがシャドの称号を継ぎ、うら若い義母を妻にしてしまった。…
…
玄奘は、このようにして青年テギンに見送られてインドへと向かうのだが、この若者こそ、本章2末尾に記したヨクク・シャドの人物像に相似るのではなかろうか。
p.84
当時、誰でも知ることなので、書く必要がなかったためではないか。
p.86
彦悰が書き加えたのは、たまたまインドから来た僧が呪文を唱えるとタルドゥ・シャドドの病気がなおる、まもなくして、タルドゥ・シャドは若い女をめとり、正夫人にする。彼女はすぐにタルドゥ・シャドの長男と密通し、長男から夫を毒殺するように依頼されると、迷わず実行する、長男は父の位を奪った上、父の妻と結婚し、王妃とする、というくだりと思われる。
p.88
ヨクク・シャドがクンドゥズ王城の王子、青年テギンであることを見抜き、最初に指摘したのはパイオニア的大著『西突厥史の研究』(44)の著者内藤みどり(一九三四年生まれ)である。…
…異なるのは、バガ・シャドの位置づけと泥熟バガ・シャドに四人(以上)弟がいたという推定のみである。
p.90
「大ブルガリア」が形成された六三五年という年は、ヨクク・シャド➅が高昌付近に勢力を張っていたアシナ社爾を追い出した年でもあり、また、トンガ・シャド�イ�「十箭制」を強行実施した年でもあり、西突厥の混迷が深まりだす年にあたる。
p.91
79頁でヨクク・シャド➅に處木昆屈律チュルという重臣がいたことを紹介した。…
彼は西突厥トロク部の一部族長に過ぎないが、アシナ氏を称していた。ヨクク・シャドの娘をめとっていたためと考えられる。
p.92
v・n・m・r(ブ・ン・ント・ル)と記されるのはオノグル(オン・オグル)のこと。ブルガルと同一視されていたようだ。…
長男バトバヤンはハザール軍に降伏し、支配を受け入れ、祖先の地クバン(アゾフ海東岸低地)に残る。次男コトラグはドン川を渡り西岸に居を構え、三男アスパルフは、長躯し、ドネプル・ドネストル両川を越え、ビザンツ帝国の領土に押し入り、その地のスラブ人を従え、王国を形成する。
p.93
四散の結果、北に向かったブルガルがボルガ・ブルガルとなった、という筋書きが大方に受け入れられているが、ブルガルの一部が北に向かったと伝える文献史料は残念ながらない。…
…現在カフカス北嶺に住まうトルコ系人であるバルカル人(バルカル語の話し手は四万を少し上回る程度という)は、クバンの地に居残ったブルガルの子孫であると考えられる。
p.94
テオファネスは”ハザールはバルスィリア(ベルズィリア)の奥地からやって来た”と伝えるが、バルスィリアとはどこか。クマ川とマハチカラの間にある草原、現在のダゲスタンあたりであろう、というのが大方の学者の一致する見解である。
…
ハザールとブシフという強大な民を恐れ、ボルガ川下流域デルタの川洲にくらす。
p.95
ハガンの妃はバルスィルから娶られる”。
p.96
反唐独立戦を指導したアシナ賀魯��も、独立戦に敗れた後、唐朝のあやつり人形となって支配の手先となったアシナ彌射や歩眞(巻末の突厥可汗家(アシナ氏)略系図参照)も、皆彼の直属のヤブグであった。
…
唐の絶大な支援のもとに可汗になった射匱��は、東部にはいってきた、トンヤブグ系の息のかかった賀魯��を追い出そうとする。賀魯��は追われて二年間逃げまわるが、西突厥内では自分の未来はないことを悟り、東部に進駐していた唐軍に下り、唐朝に仕えるようになる。…
…
一方、ヨクク・シャド➅も賀魯��に働きかけ、反唐思想を吹き込み続けたらしい。
六五一年、高昌の北にいた賀魯��は、配下を呼び集め、反唐・自立の旗を掲げて、群を編成し、息子咥運と共に大軍を率いて西へ向かった。
p.97
スイアブをただちに掌握し、賀魯��は西部ヌシビ部五部を手中に収め、東部トロク部五部とあわせ、十部(十姓)を統括。処月・処密部のみならず西域諸都市に号令し、名実共に大可汗となる。
…
ハザール国初代カガン(33)になったのは、賀魯��によってスイアブから追い出された射匱��である、と多くのハザール研究者は現在考えている。…
…六五一年といえば、西側史料にハザール関連の記事が頻出しだし、ハザール国が成立したと推定される年代である。
p.98
逃げ道の途中であるタラス(キルギスタン北西部。ビシケクの西南約二百キロ。タラス川にのぞむ)には、宿敵ヨクク・シャド➅がひかえていた(彼は六五三年十二月にタラスで死んだと推定されるので、当時まだ存命であった)。…
…
通りかかった蘇咄城に近づくと城主伊捏タルカンが酒・食料を持って賀魯一行を出迎えた。一行が城に入ると、伊捏は全員を捕らえ、追ってきた唐軍に引き渡した。
p.99
91頁に記した通り、西部残留バガ・シャド分家の当主が、先住大部族ハザール族族長に娘を与え、血縁関係を結び、ハザール族に主に頼るかたちで国家を六五〇年前後に発足させた。
…
初代カガンは歩利設(泥熟バガ・シャド�い遼�弟)の下の弟であるシャド(ハザール・シャド？)の子孫と思われる(巻末形図1、突厥可汗家(アシナ氏)略系図では点線により、推定として書き入れた)。
p.101
城塞に居坐っていたのはシャフルバラズというペルシア人であった。
…精兵を率いて城下にせまったのはアブドゥッラフマーン・ラビーアフ・アルバーヒリという武将であったとタバリー(34)は伝える。
…
記録は古い話の聞き書き集成に頼る所が多く、あいまいな箇所があるが、開城はどうやら六五二／三年のことのようである。
p.102
森の中で油断しているアラブ兵に待ち伏せ攻撃を仕掛けると、簡単に射殺せた。後世のイスラム史家(イブン・アル・アスィール(35))が伝えている。
アラブ軍はまず王庭ベレンジェルを急襲した。
p.103
血を血で洗う戦闘となり、アブドゥッラフマーンはあえなく戦死。…
…強敵の死体には魔力がやどり、雨も呼べば、日照りも起こすし、戦いでも勝利をもたらう、という信仰があったからだという。
…
どう考えても、このトルコ系人は西突厥人としか思えない。
p.104
ハザールは、サビル連合の中にあった時から、山脈を越えての略奪行を幾度か行った上、ジェベルや息子のシャドに従って南カフカスで転戦したことがあるので、地勢に関する知識は豊富にもっていた。
p.105
西突厥が最後の日々を迎えていた頃、デルベントの南にカフカス・アルバニアという王国があった。…王の名はジュアンシェル(六三六‐六六九)。
彼は最初ペルシア軍の一員としてアラブ軍と闘うが、勝目なしと見切りをつけて故郷に戻り、パルタブ(かつて、ひげのまばらなシャドが占領していた町。50頁)に駐留するペルシア守備隊を追い出して自立するが、間もなくしてアラブ軍が到来し、その軍門に下る。
p.106
ジュアンシェルが「大王」の聟になることを承知すると、馬七千頭、他の家畜三千頭、捕虜千二百人以上が返還された。
p.107
これをきっかけにして、旧西突厥領内の不満が爆発し、トロク部のソニセ族、ヌシビ部のバルスカン族が、こぞって西へと逃げ出すという事態が発生する。動揺はヌシビ部に属していたと思われる弓月部にも伝わり、西に向かっての逃散が開始される。この弓月部こそハザール国内で後に強大化し、ハザール国衰退の一因となるペチェネグ族の中核を形成した部族と目される。
p.108
「バラチャン」とは、イスラム史料がベレンジェルと識す所に違いない。…
…ハザール・ハカン(カガン)に従属するアルプ・イルテベルという首長の治める一公国である。
…跡目を継いだのは甥にあたるバラズ・トゥルダトであった。
その報を耳にするや、アルプ・イルテベルは大軍をもってカフカス・アルバニアに攻め込む。…
…団長はアルバニア・グレゴリウス教会の首長エリアザルであった。彼は、無事使命をはたし、ハカン(カガン)を和平になびかせ、アルプ・イルテベルと親善関係を結ぶことに成功する(イルテベルの上にハカン(カガン)がいることがこの文面でわかる)。
p.109
バラズ・トゥルダトは、アルプ・イルテベルのもとに再度親善使節団を送ることを決意し、アルバニア・グレゴリウス教会の主教の座にあったイスラエールに使節団を率いてバラチャンにおもむくことを乞い、承諾をえる。
…アルプ・イルテベルをキリスト教に入信させることまでやってのける。
…テングリハンは、自然を支配する力を持つ勇壮無比の巨人である。クアルと呼ばれる雷神も敬う。…日・月・火・水の神も尊び、道の神さえいる。
バラチャンの近くには大きな樫の木が茂っているが、フン人はこれを深く敬う。領主も重臣達もこの木を助けの神、命の神、幸の神としてあがめる。
p.110
夫が死ぬと妻は財産と共に跡取り息子のものになる(生母である場合は避けられる)。貧しい兄弟は妻を共有する。
p.111
重臣達の賛成を得ると、彼は「アウチ・タルハン」とタルハンの侍従「チャト・カサル」を主教のもとに遣わし、会議の結果を伝え、バラチャンにとどまることを懇請する。
…
アルプ・イルテベルは主教のために旅装を調え、重臣の中から「ホラサンのイル・ティギン」と「チャトン・ハズル」を選び、主教の見送り役を務めるように命じる。
…このアウチAwč'iは古トルコ語で「狩人」を意味する。
p.112
チャトč'at'はシャトšat'の書写に当たっての書き誤りではないかと『カフカス・アルバニア史』の英訳者ダウセットはいう(88：167)。タリアト・テス碑文などにあるQasarとほぼ同じくカサルkasarが用いられているが、ハザール以外に考えられないだろう。倒置を改めればハザール・シャドとなる。ハザールを治めるシャドの意ではないか(同様の例に、延陀設(薛延陀を治めるシャド)、突利設(東部部族を治めるシャド)がある)。…
…
ホラサンXurasanのイルIl(国？)・ティギンTigin(テギン)という家来の名も立派すぎる。…
チャトン・ハズルのチャトンč'at'nはチャト(シャド)とカトン(皇后)の混成語の感がある。ハズルXazrはハザールのこととするほかないだろう。
p.116
逃亡先はあろうことか、クリミアのどこかで天幕を張っていたハザール・カガン、イブジロス・グリャバノスのもとであった(ビザンツ史書にギリシア文字でかく記されるカガンは誰だろうか。…
…カガンの妹は、テオドラという名からすればクリスチャンだが、その名は結婚後のものであろう。
p.117
彼はブルガリアのハン(カガン)、テルベル(在位七〇〇‐七二一)のもとに使者を立て、復位の手助けを懇請する。…
…
テルベルは、ドナウを渡河し、ビザンツ領土に押し入り、無理矢理国造りを決行したアスパルフ(在位六八八‐七〇〇)の跡継ぎ。
p.129
アラブ軍のカフカスでの攻撃が活発になったのは、中国史料で畏秘屈底波として登場するクタイバ(39)が七〇四年にホラサン知事として着任し、中央アジア方面軍を指揮して、活発な領土拡大活動を展開したことに関係しているようだ。マスラマがデルベント近郊に侵入した時、クタイバはブハラを囲んでいる。
p.130
マスラマ軍がタルク(タルキとも)まで攻め込むとハザール・カガンが大軍を率いて、侵入軍の前に立ちはだかり、陣を敷く。…
カガンはアルプ・タルカン率いる増援部隊の到来を待って時をかせいでいたのである。…
七一七／八年、二万のハザール軍がアラブ占領下のアゼルバイジャン南側へ押し出してくる。
p.131
チチャク改めエイレーネーとコンスタンティノス五世の間に生まれたのがレオンである。彼は父の跡を継ぎ、レオン四世として皇帝に就位し、「ハザロス」(ハザール人)と通称された。
p.132
新しくアルメニア総督に任じられ、カフカス方面軍の総指揮をとることになったジャッラーフはハザール軍に夜襲を仕掛け、早暁までに城を落とし、ハザール国心臓部めがけて前進を開始する。…デルベントから北へ三十五キロほど進むと、カガンの息子バルジル率いるハザール軍が行く手をさえぎる。…それを追ってジャッラーフはベレンジェルへと兵を進める。
ベレンジェルでは領主自らが兵を率いて城門を開き、出撃し、陣を敷き、陣の周囲に三千両を超える馬車を並べ、綱で固く結び、円陣を組んで、侵入軍に立ち向かう。車列を円陣憎む戦法は匈奴の昔から遊牧民が用いてきた。…
…ベレンジェル(バラチャン)の住民が遊牧民であったことを示す。戦い敗れた領主はわずか五十騎の手勢を伴うのみでセメンデルへと逃げ込む。
p.133
イブン・ファドラーンがボルガ・ブルガルの地を訪れたのはこの戦闘から約二百年後のことであるが(後述)、そこでベレンジェルから逃れてきたものの子孫数千人に出会っている(3：191)。
…
ちょうどその年(七二四年)ヤズィードは死去し、ヒシャームがカリフに就位するが、兵を送ると伝えながら、一兵もカフカスに送ることができなかった。中央アジアでトゥルギシュの大攻勢(後述)が始まり、それへの対応で手一杯だったらしい。
p.134
七二五年／六年、ヒシャームはジャッラーフを解任し、再びマスラマにカフカス方面軍の総指揮を任せる。…
…
マスラマは南カフカス方面軍司令官としてサイード・ブン・アムル・アルハラシを任命するが、彼はソグディアナで苛烈な弾圧行政を行って名をはせた人物である。アラブはどうやらカフカス攻略戦と中央アジア制圧戦を一体のものとしてとらえていたふしがある。
サイードはハザール国に侵入し、多くの都市・町村を荒らしまくるが、翌年になるとハザール軍も反攻にでて、カガンの息子がアゼルバイジャンに侵入する。サイードは時をおかず、反撃し、侵入軍をアラクス川の北へと追い払い、続く戦闘でアゼルバイジャン全土を確保する。
七二八／九年、マスラマはダリアル峠を越えてハザール国に侵入する。迎え撃ったのはカガン自ら率いるハザール主力軍であった。約一ヵ月に渡って激闘が繰り広げられたが、連日の豪雨に見舞われ、マスラマは軍を引く。
p.135
七二九／三〇年、ハザール軍はアゼルバイジャンに何度も侵入する。ヒシャームはマスラマを呼び戻し、再び南カフカスの総指揮をジャッラーフにゆだねる。…一書によると、ボルガ川下流域まで突入し、引き返したという。
七三〇／三一年、ハザールの大軍がアゼルバイジャンに侵入する。指揮をとっていたのは、イスラム史料でカガンの息子バルジル、アルメニア史料(ゲボンド)でトルマチという名のものであった。
当時、国政をとっていたのは、アルメニア史料によるとカガンの母であった。バルジル(トルマチ)はカガンの息子ではあるが、カガンではない。…
アルメニア史料によると、トルマチ麾下のハザール軍はアラクス川を渡り、行く先々でイスラム教徒を虐殺する。
ジャッラーフはハザール軍の接近を知るとアルダビール(現イラン)に後退し、陣を整え、敵襲に備える。カガンの息子(バルジル＝トルマチ)は地勢を熟知しているうえ、密かに通じていたジョージアの土侯からの通報でアラブ軍の陣容を詳しく把握していた。彼はまずアラクス川近くの都市を囲むと、ジャッラーフが救援に駆け付ける。ハザール軍は待ってましたとばかりに襲いかかる。ジャッラーフは再びアルデビルまで後退を余儀なくされる。
ハザール軍がアラブ軍を追ってアルダビールに接近すると、ジャッラーフは劣勢にもかかわらず、敵軍に果敢な突撃を試みる。
p.137
ヒシャームは再びマスラマを起用することにする。彼の着任までサイードをハザール対策責任者として任命し、軍旗と軍用金十万ディルハムと共に精兵三万を手ずから授ける。
…
サイードは南カフカスに到着すると、ただちにジャッラーフ軍生き残りの兵をまとめ、ワン湖(現トルコ)畔の町を制圧し、そこを起点にして兵を北に進める。…
…
この間、カガンの息子はバルサンという市を包囲していた。
https:/
https:/
https:/
■独ＶＷ、中国・新疆撤退検討か＝強制労働「証拠」写真で―報道
(時事通信社 - 02月15日 07:00)
https:/
【ベルリン時事】ドイツ経済紙ハンデルスブラットは１４日、独自動車大手フォルクスワーゲン（ＶＷ）が中国の新疆ウイグル自治区で手掛ける合弁事業からの撤退を検討していると報じた。ＶＷを巡っては、同自治区内の試験走行コース建設時に強制労働が行われた可能性が報じられており、独国内で撤退を求める声が高まっている。
同紙は先に、コース建設に関する資料の中から、強制労働の特徴を示す服を着たウイグル人労働者の写真が見つかったと報じた。この報道を受け、ＶＷは新疆の子会社の譲渡について、合弁相手の上海汽車集団（ＳＡＩＣ）と協議しているという。
0
0
最近の日記
- 密教占星術―宿曜道とインド占星術 矢野 道…
2024年06月24日23:35
- 病院の将来とかかりつけ医機能 二木 立 勁…
2024年06月22日23:22
- 病院の将来とかかりつけ医機能 二木 立 勁…
2024年06月21日23:15
- 1187年 巨大信仰圏の出現 (歴史の転換期) …
2024年06月17日22:49
- ルポ年金官僚―政治、メディア、積立金に翻…
2024年06月16日00:46
ログインしてコメントを確認・投稿する