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2024年01月29日23:01

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大谷探検隊収集西域胡語文献論叢 : 仏教・マニ教・景教 入澤崇, 他編 (龍谷大学西域研究叢書, 6) 龍谷大学仏教文化研究所西域文化研究会 : 龍谷大学世界仏教文化研究センター, 2017.3

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p.174
 このように、「聖Georgeの受難」のソグド語訳は、アポロ神がmx'q'rに、ヘラクレスがr'mcytyで翻訳され受容されるソグド人社会を推定させる。…むしろ当時のソグド語圏で、土着化した仏教信仰が存在したのはこの地域だけなので、およそソグド語圏で翻訳されたと仮定するなら、マニ教も含めて4つの宗教が、おそらく競合しながら、共存していた、イスラム化以前のセミレチエしか考えられないように思われる⁴⁷。
p.185
この種の護符は中東地域において非常に古い歴史をもち、教会指導者たちによる禁止にもかかわらず¹⁶、シリア語典礼諸教会の信徒、特にアッシリア東方教会信徒の間では民間療法的な医術の一環としてごく最近まで用いられてきた¹⁷。
p.187
聖人が殉教の直前に自分に助けを求める者をさまざまな害悪から守ることを約束したと伝える聖ギワルギス伝の断片はトルファンでもシリア語、ソグド語、ウイグル語で見つかっており(Hunter & Dickens 2014: 111-113,321-326,336f.[SyrHT 95, 359-365,381], Sims-Williams 2012: 68-72[E23], Zieme 2015a: 93-97[MIK III 194]; ソグド語訳については吉田「中国、トルファン」も参照)、福建省霞浦県で発見されたマニ教文書にまでキリスト教の聖ギワルギス伝に基づく『吉思呪』という祈りが含まれる(林 2014: 471f., id. 2015: 130-134, 馬 2016)。
p.188
[表1-2]「エフイェー・アシェル・エフイェー」('hyh 'šr 'hyh)は聖書『出エジプト記』3:14の「わたしはあるという者だ」というヘブライ語文の音写であり、神名として用いられる。…
…シリア語の護符ではBnF Syr. 400/1にrbylという天使名が見られるが³⁵、稀な名であり、Syr. 400/1でも護符の冒頭で羅列される多数の天使名の一つであって、単独で現れるような名ではない。やや大胆な推測であるが、gbr'yl「ガブリエル」の誤写の可能性を提起しておく。…

 33 逆により古い時期(7世紀以前?)のシリア語の魔除けでは、ボドメール図書館の椀(no.51)に「アドナイ、サバオト、エルシャッダイ」(Moriggi 2014: 97, no.18, 8)、Navehが紹介した革製の護符に「恐るべきアドナイ、サバオト、主」(dhyl' 'dwny sb'wty mry')とあるが、(Naveh 1997: 34,8行)、この2点に'hyh 'šr 'hyhはない。…
…Gignouxはこの名がヘブライ語で出現するrbwyl「ラブエル」という天使名(Schwab 1897: 243[355])に相当する可能性を指摘する。
p.189
[5-6]「すべての熱病と悪寒(?)」:「すべての熱病」という場合、「すべて」は複数女性語尾を伴い、「熱病」は複数形で現れて、klhyn 'štwt' [kōlhēn eššātwātā]となることが期待されるが、ここでは「すべて」は単数男性語尾を伴い、「熱病」は単数形で現れている³⁷。続く6行目の冒頭で接続詞w-に続く'rw't'という語は、「(熱による)震え、悪寒」を意味する'rywt'['rāyūtā]の誤写であろうと思われる。
[7-8]「呪われた(?)悪しき霊ども」:「霊」(rūhā)は女性名詞であるため、形容詞byš'も女性形でbyšt'[単数bīštā、複数bīšātā]とあるべきところである(9-10行参照)。名詞、形容詞ともに複数記号がないが、直前のw'hlynのように見える文字列は、whlyn[w-hālēn]「およびこれらの」あるいはwklhyn[w-kōlhēn]「およびすべての」の誤写と思われ、「これら」/「すべての」は「霊」にかかるもの考えられるため、複数で解釈する。


【#佐藤優のシン世界地図探索㉜】ガザ地区対テロ戦の構造
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ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく!

*  *  *

――ガザ地区でイスラエルとハマスの激闘が続いています。

佐藤 ウクライナ戦争が国家間戦争であるのに対して、この戦いは全く違います。ガザはパレスチナ自治政府の一地区で、実効支配をしているのがハマスというテロリスト集団です。イスラエルがガザ地区で遂行しているのはテロとの戦いです。

そもそも枠組みが違うので、捕虜交換とかそういう話ではありません。ハマスに捕えられている民間人や兵士は、捕虜ではなく、あくまでも人質なんです。

――すると戦時に適用されるジュネーブ条約が一切、適用されない戦いということですか?

佐藤 必ずしもそうではありません。どうしてかというと、ハマスはベトナム戦争の時のべトコン(南ベトナム解放戦線)と同じ「交戦団体」としての地位は持っていると考えられるからです。だから、ジュネーブ条約は準用されます。この条約は普遍的な国際法の要素があるからです。

――では、もし白旗を掲げたハマスを即座に射殺するとどうなるんですか?

佐藤 国際人道法違反ですね。

――これは困難で混乱する地上戦になります。

佐藤 仮に皆殺し作戦みたいなことをすると、イスラエル軍の軍規が乱れ、本当に滅茶苦茶になるでしょう。

――兵士の気持ちが荒れてしまうのですか?

佐藤 兵士の気持ちの面もあるでしょうし、軍隊ではなく暴力集団になってしまう。しかし、イスラエルはそのようなことをしません。

――やはり、相手がテロリストでも軍規を守った軍隊として戦わないとならないと。

佐藤 ハマスはイスラエル人の赤ん坊を焼き殺したり、首を切ったりして殺しています。なぜ殺しているかというとユダヤ人だからです。これはユダヤ人という属性に基づいた排除をしているわけですよね。

なので、ハマスは第二次世界大戦のナチスドイツと一緒です。ユダヤ人を絶滅させるってことをやっています。そういう人たちと共存できないというのが、イスラエルの理論なんです。

――だからイスラエルのネタニヤフ首相は、このガザ地区での戦闘を独立戦争以来の独立戦争だと言っているのですね。

佐藤 その通りです。

――ヨーロッパ連合は10月27日に戦闘の一時停止を求めました。その内容は、イスラエルには国際法の範囲内で自衛権があることを強調する、ハマスには前提条件なしで全ての人質を即座に解放するよう呼びかける、というものです。

佐藤 ハマスはイスラエルという国家の存在を認めていません。自衛権とは国家間戦争で用いられる概念です。ですから、今回の紛争にはなじみません。むしろ、イスラエルの自衛権ではなくて、生存権を確保することが問題になっています。

繰り返しますが、自衛権というのは、主権国家が他の主権国家によって侵害された場合に生じます。だから、テロリストとの間には自衛権は生じないというわけです。

――イスラエルはハマスに対して徹底的にやりますか?

佐藤 徹底的にやらざるを得ないですよね。

――佐藤さんは以前の連載で、今回の武力衝突は「短くて2週間、長くて半年」とおっしゃっていました。もっと長期間になるということですか?

佐藤 いや、半年以内に終わるでしょう。ただし、ヒズボラが参戦してこなければ、の話です。

――レバノン南部にいるシーア派武装組織・ヒズボラは、すでにイスラエルと小規模戦闘をやっています。

佐藤 米国は空母打撃部隊を二個、送っています。ヒズボラが動けば空爆するでしょう。ただ、空爆したとてヒズボラの攻撃は収まりません。しかし、米国は地上戦に入ることは内政上の理由でできません。

そうなると怖いシナリオが想像できますよね。イスラエルはいま10万人の正規軍に、動員した35万人を足した兵力45万人を二分割して北部に対応しないとならなくなるわけですから。

――ガザ地区で苦戦するのと同時に、イスラエル自体がさらに危機に陥ります。

佐藤 そうです。すると、イスラエルは核保有国であるという要因を考慮せざるを得なくなります。ただし、ガザ地区で使えば地中海からの西風で死の灰が自国に降り注ぐので使いません。しかし、ヒズボラのいるレバノン南部ならどうでしょうか?

――地中海からの風は、シリア、イラク北部、イランに吹いています。

佐藤 南レバノンにはユダヤ人がいないから、イスラエルは核兵器を使えますよね。

――それは怖いシナリオです......。

佐藤 第二次世界大戦でナチスドイツに600万人のユダヤ人が殺されました。そのときのホロコーストを踏まえ、「全世界に同情されながら死に絶えるよりも、全世界を敵に回してでも戦い生き残る」。これがユダヤ人たちの基本的な考えです。

■ガザでの地上戦闘
――ガザでの地上戦は今後、どうなるのでしょうか?

佐藤 それを解き明かすには、ウクライナ戦争でのバフムトの攻防戦を考えたらいいと思います。

――あちらは国家間の戦争ですよね?

佐藤 そうです。ですが、なぜバフムト攻防戦で、ワグネルの囚人部隊が使われたのでしょうか。

――ロシア正規軍がやるとしこりが残るからですか?

佐藤 違います。たとえば正規軍は、人間の盾を使っている建物があったらどうするとますか?

――爆撃して建物ごと破壊します。

佐藤 そうです。正規軍だと建物ごと吹っ飛ばして終わりますよね。

――そうなります。

佐藤 なぜなら、正規軍は敵を選別する訓練を受けていないからです。良民とテロリストを選別する訓練を受けているのは武装警察。すなわち、国内軍の仕事になります。

――ロシアのワグネルは何故、そこに使われたのですか?

佐藤 ワグネルは傭兵部隊で正規軍ではありません。発注者のオーダー通りに戦います。さらに、傭兵はいくら犠牲が出ようとも、良民と戦闘員を区別して戦闘員だけを始末しろという命令を受ければ、その通りに動きます。

――傭兵ならば、「建物ごと壊すことなく、突入して一部屋ずつクリアにしろ」と命令すれば、その通りやると?

佐藤 そういうことです。バフムト(ロシア名ではアルチョーモフスク)は「ドネツク人民共和国」にあってロシア領です。なぜ皆殺しにできないかというと、バフムトにいるのはロシア国民だからです。だから、ロシアは傭兵部隊であるワグネルを使わざるを得なかったということです。正規軍は訓練を受けていないので、良民を保護できませんから。

――するとガザ地区には、領民であるイスラエル人は人質以外はいないのですか?

佐藤 パレスチナ人がいますよ。

――避難しろと言われて南部に行かない、または行けないパレスチナ人はいます。イスラエル人ではないですが。

佐藤 ガザ地区はイスラエルの占領下にあります。自治政府があるけど、独立国家ではありません。すると、そこの占領国家であるイスラエルは住民を守らないといけません。

ハマスはテロリストですが、ガザにいるパレスチナ人はイスラエルが守らないとイスラエルの体制が保てません。アラブ人でイスラム教徒だからと皆殺しにしてしまえば、イスラエル国内のキリスト教徒のアラブ人と、チェルケス人などのイスラム教徒たちの反発を受けます。チェルケス人はもともと北コーカサスに住んでいましたが、19世紀後半にロシア帝国の支配を嫌ってオスマン帝国に亡命した人たちです。

「独立戦争以来の最大の危機」というのは、アラブ対ユダヤという民族対立になることです。独立戦争では、キリスト教徒のアラブ人やチェルケス人たちはイスラエル側につきました。そこから完全な宗教対立にならなかったのは、チェルケス人がイスラム教徒だけどユダヤ人側についたからです。

だから、イスラエルはその体を保たないとなりません。単純にトンネルにパンガーバスター(地中貫通爆弾)をぶち込んで、皆殺しにするわけにはいかないのです。

――なんと複雑な!!

佐藤 イスラエルはあくまで、パレスチナ人とテロリストのハマスを選別して戦わないとならないのです。

――行くのはイスラエル軍ですよ。正規軍です。

佐藤 そうです。しかし、イスラエル軍が他国の軍と違うのは、普段からテロ対策をやっている正規軍だということ。国内で良民とテロリストを分ける訓練をして、実際にやっています。

――佐藤さんは以前「ハマスは2割が戦闘員で、残り8割は一般人」とおっしゃっていました。

佐藤 そうです。役人や医者、学校の先生にもハマスはいます。ハマスから完全に離脱していて中立的な立場になり、イスラエルに敵対しないならば見逃してもらえるでしょう。しかし、ハマスに協力するか抵抗するならば、民間人でも容赦なくイスラエル軍は殺します。そうしなければハマスというテロ組織を解体できないからです。

――ハマスに協力している人間は守るべきパレスチナ人ではない、ということですね。

佐藤 テロリストです。『エルサレムのアイヒマン』(みすず書房)という本を読めばわかります。

――ナチスドイツ秘密警察・ゲシュタポのユダヤ人移送局長官ですね。戦後、アルゼンチンに逃亡していたのを、モサドが発見、確保し、イスラエルに移送された。

佐藤 そのアイヒマンは裁判で罪を問われ、こういう趣旨のことを言いました。

私は任務中にやった事は、直接命令してユダヤ人を殺した事もないし、自らの手で殺したこともない。私がユダヤ人の専門家として、具体的にナチスの中でやっていたのは、収容所にユダヤ人を送る列車のダイヤグラムを書いていた。そういう意味で、ダイヤグラムの専門家です。

しかし、その釈明は成り立たないと言ったのが、ハンナ・アーレントです。アーレントは何と言ったかというと、政治は子供の砂場遊びではない。あなたたちが作り上げたシステムというのは、私たちがユダヤ人であるということを唯一の理由として、私たちを地上から抹消していいと考えた。あなたはそのシステムに加わった。こういうシステムの中にいる場合は、積極的に行動したとか、命令に服従したとかは、本質的な問題ではない。そのシステムの中で服従する事は、積極的に行為する事と同じなのだということです。

そして、あなた方たちは、私たちがユダヤ人であるだけで、この世に存在してはいけないという価値観を持ち、それを実践した。それ故に、私たちは、貴方に地上に存在して欲しくない。これが貴方を死刑に追いやる唯一の理由だと言いました。

今、世界がこのことを分かっているか、分かっていないか、なのです。世界がどう言おうと、イスラエルはこの理論で動くのです。この理論がユダヤ人を保全するには必要なんです。

――どのようにするのですか?

佐藤 いろいろな理由があって、逃げられない人たちもいます。その中から、良民とテロリストを分けないといけません。イスラエルの指示に従って南に移動していれば完全に安全ですが、それ以外には、ひとりずつ精査することになるでしょう。

――その選別は、向こうから撃ってきたら......。

佐藤 殺されます。武双抵抗をするものはハマスとみなされます。

――白旗を持って出てきた場合は?

佐藤 本当の白旗かどうか吟味します。

――自爆がありますからね。

佐藤 そうです。

――とても難しい戦闘になりますね。改めて、本当にイスラエルは多民族多宗教国家であることが分かりました。

佐藤 そうです。だから、純粋なユダヤ人国家でもないのです。まず、シオニスト国家ということを認めて、その中で生きていく人たちを尊重するというのがイスラエルの基本原則です。

パレスチナ人でイスラエルと共存を考えている人たちはいます。これは、イスラエルの生存権が認められることが大前提になります。ハマスというテロリスト集団に対する掃討作戦を国家間戦争の類と考えるから、分からなくなるんですよね。

――すると、やはりガザ地区は時間がかかりますね。

佐藤 バフムトも一年かかりましたからね。ただ、ガザ地区は狭いし、投入される兵力は多く、イスラエル軍兵士はよく訓練されているので、長くても半年くらいだと思いますね。

次回へ続く。次回の配信は11月17日を予定しています。

取材・文/小峯隆生


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