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2023年01月06日07:20

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クルマ0357 ミニ・スーパーカー (LOMBARDI GRAND PRIX)

1968年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーで、イタリアからロンバルディ・グランプリという小さなスポーツカーが展示発表されました。

https://images.app.goo.gl/o5eRtB8v9kEs4hE5A

低くスロープしたノーズにはリトラクタブル・ヘッドランプが付き、テールには一組の大きな丸いランプが目を惹くこのスポーツカーは、RR(リヤエンジン・リヤドライブ)の小さなファミリーカー、フィアット850をベースに作られました。さしずめミニ・スーパーカーといった佇まいです。

https://images.app.goo.gl/RyccRRC9oWdXpENr8

https://images.app.goo.gl/j4MkbwH2jZJ6Qa779

リヤエンジン車ですが小さく低いのでシート後部に荷物はほとんど積めませんし、フロントのラゲッジスペースにも何も入りません。スペアタイヤの中に財布?(笑)

https://images.app.goo.gl/KRhbkfc6qRt9DCuBA

ゲートが切ってあるシフト廻りは魅力的ですが、計器類は目線を大きく移動しなければ確認できません。いささか気になります。

https://images.app.goo.gl/LVjm5q5tQnZbQrrL7

製作したのはミラノとトリノの中間にあるヴェルチェッリという都市でカロッツェリア(コーチビルダー)を経営していたCarlo Lombardi(カルロ・ロンバルディ)。第一次世界大戦で戦闘機に乗っていた彼が1968〜72年に生産したこのクルマは、フィアット850のシャシーにGiuseppe Rinaldi(ジュゼッペ・リナルディ)デザインのスタイリッシュなスポーツカー・ボディか被せられており、ロンバルディ・グランプリという名称で市販されました。
ロンバルディ以外にもOTAS(Officina Trasformazioni Automobili Sportive)から「820」として、ジャンニーニから「1000グランプリ」というネーミングで、さらにアバルトからも「スコルピオーネ」として販売されています。

ベースになったフィアット850と同じホイールベース2030mmのシャシーには、フロントが横置リーフスプリング+ウィッシュボーン、リヤがコイルスプリング+セミトレーリンク・アームのサスペンションがそのまま利用されていました。
全長は3575→3595、全幅は1425→1485、全高は1385→1065mm、車重は670→630kgと少し異なっていましたが、リヤに搭載された水冷直列4気筒OHV843ccエンジンは37馬力/5000rpmでフィアット850と同スペック。その動力を伝達する4速ギヤボックスもそのままでした。

https://images.app.goo.gl/FbehJGGy8RYAa72Q8

ただし、OTASとジャンニーニから販売されたモデルにはDOHC982cc、アバルトのモデルには903ccにチューニングされたエンジンが搭載されていました。

1970年にマイナーチェンジされ、ボディ細部がわずかな変更を受けたほか、エンジンが47馬力/6400rpmに出力アップされました(最高速度153.80km/hを実測しています)。

クーペ・バージョンに加え、1969年10月に開催されたトリノ自動車ショーにてタルガトップに変更されたロンバルディ・グランプリが展示されました。MONZAと名付けられたこの軽快なオープン・モデルは、2台のプロトタイプのみ製作され量産はされなかったと言われていますが、真相はハッキリしません。

https://images.app.goo.gl/cYXNFgiMZD1rfj267

https://images.app.goo.gl/kZ9Xuwtj5N2u9vfQ7

アバルトからも販売されたと前述しましたが、さらに同社は1970年にすこぶる尖ったモデルを開発しています。「1300スコルピオーネ」と名付けられたそのクルマは、外観は全く変更されていなかったのですが、フィアット124の水冷直列4気筒OHV1198cc(65馬力)が1280cc(75馬力)にアップ/チューニングされて搭載されており、1970年にドイツの自動車雑誌Auto, Motor und Sportのテストでは最高速度175.6km/hを記録しています。

https://images.app.goo.gl/gdztpRXucKaLvTvC9

アバルトのMario Colucci(マリオ・コルッチ)は、2基のウェーバー・キャブレターを備えた100馬力バージョンも用意しました。最高速度185km/hと言われたこのクルマは、改良・強化したサスペンションやブレーキを装備していました。

https://images.app.goo.gl/UscdQYYw2vk4UEYSA

なお、スコルピオーネ(scorpione)がイタリア語でサソリを意味するのは言うまでもありません。

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