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2022年10月17日20:09

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「色絵 牡丹孔雀文 大皿」

 この「色絵 牡丹孔雀文 大皿」は、昨日、骨董市で買ったものです。


写真1: 表面


写真2: 表面の中央部分の拡大
     中央部分に鳥が描かれていることはわかったのですが、一見したところでは、
何の鳥なのか分かりませんでしたけれども、拡大してみますと、孔雀が2羽描かれているようです。


写真3: 裏面
     高台内に「蔵春亭西畝造」の銘があります。




 ところで、上の写真からも分かりますように、この大皿の高台内には「蔵春亭西畝造」という銘が描かれています。

 「蔵春亭」銘のものにつきましては、私は既に1点所蔵していて、以前、それは2021年5月15日に紹介しているところです(「色絵 梅樹鳥文 ビールジョッキ」として紹介)。

 それで、この大皿を手に入れれば、「蔵春亭」のものは2点所蔵することになるな〜と思って買い入れたわけです。

 もっとも、「色絵 梅樹鳥文 ビールジョッキ」の銘は「蔵春亭三保造」であり、この大皿の銘は「蔵春亭西畝造」ですから、両者の銘は厳密には異なりますが、いずれも「蔵春亭」銘であることには違いありません。

 なお、「蔵春亭」のことにつきましては、「色絵 梅樹鳥文 ビールジョッキ」の紹介のところでも紹介しましたが、「有田町歴史民俗資料館・有田焼参考館 研究紀要第1号(1991)」に詳しく書かれています。

 この研究紀要には、知北 万里氏の「蔵春亭ー歴代当主にみえる進取の気風ー」という論文が載せられているんです。

 その論文の詳細はここでは省略いたしますが、次に、その内のほんの一部分を紹介したいと思います。



「 蔵春亭の焼き物には「蔵春亭三保造」、「蔵春亭三保製」、「崎陽好三保造」、「日本三保」、「礫山隠士山畝」、「蔵春亭西畝造」など数種類の銘がみられる。昌保(注:3代目蔵春亭。明治11年没)の使用したこれらの銘は製作者を示すサインではなく、トレードマーク(商標)としての意味をもつ。・・・ (P.2〜3) 」

「 昌保は山畝と号し、三保助と名乗ったことから「三保」の文字が使用された。一方、与平(注:3代目蔵春亭昌保の末弟で4代目蔵春亭。3代目が亡くなってから後を継いだのではなく、両者は同時期に活躍している。むしろ、4代目は3代目よりも早く亡くなっている。明治4年没)は西畝と号したことから「西畝」の文字が使用された。同時期に活躍した二人であるが、これらの銘からどちらが携わった製品であるかを知ることができる。伝世する「蔵春亭」の製品には、ほとんど「三保」の銘が用いられており「西畝」のものは少ない。これは与平が、蔵春亭の経営のほかにも事業を興していたこと、また長崎支店にいて製造以外の仕事を担当し、直接製造に関わることが少なかったためと考えられる。短命であったことも理由の一つであろう。 (P.3) 」





 以上のことから、この大皿は、肥前・有田で幕末〜明治初めにかけて作られたものと思われます。


生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代末期〜明治初め
サ イ ズ : 口径25.4cm  高さ3.7cm  底径15.0cm







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