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2022年06月29日12:14

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6月28日 池袋演芸場 6月下席昼の部

 なんと関東梅雨明け。もう少し待ってみても・・・と思うが、おそらく今後の週間天気予報にしばらく雨予想がないのでしょうね。今年は本当に酷暑になりそうだ、というかなってる。6月なのにものすごい暑さ。

 知り合いが見といた方が良いと云うので、午前中に銀座並木通りのグッチへ。かつての「サンモトヤマ」跡に出来た旗艦店で、ここに四代目田辺竹雲斎(忍者ではなくアーティスト)の手になる竹のインスタレーションがディスプレイされているのだ。一階から螺旋階段を貫いてうねりながら伸びていく竹のアートがなかなか見ごたえある。ハイブランドなのに店員さんも「写真撮っていいですよ〜」と、とても親切。よく見れば壁面のガラス枠、天井の網代織と、そこかしこにバンブーモチーフ。販売しているバッグもバンブーシリーズだそうで、久々にハイソな気分。

 銀座から東京を経て池袋演芸場。下席昼の部は志う歌が披露目以来初の主任。何気に顔ぶれが良いので足を運んでみた。猛暑で開場が少し早まったのか?早めに向かうと既に開いていた。前座で開けると場内30人弱だったが、徐々に増えて中入り後にはほぼ満席となった。

●前座 扇ぱい「一目上がり」
 二回目。元NHKアナという凄い経歴の扇遊門下。時間がもらえたのか、実に丁寧に演じていた。

●圭花「狸の釜」
 この出番、歌彦・伊織の交互出演だが、この日は代演。罠にかかった小狸を食べるという子供たちが「ジビエだよ」。このまま「狸札」かと思ったら、近所の寺の和尚に頼まれた茶釜に化けてくれ・・・と「狸の釜」に。

●小ふね「熊の皮」
 3月の擬似古典の会にも出ていたり助が5月から二つ目に。擬似古典のとき若干テンパっていたのを、ナツノカモの創作落語を覚えるのに精いっぱいだったんだろう思っていたが、前に出た圭花、後に出た三三によると、度を過ぎた天然キャラだそうなので、通常運転でアワワな感じなのだな。キャラも相俟って面白い。

●三三「妾馬」
 赤井御門守が見染めたおつるを探して貧乏長屋を訪れた家来が、人の話を聞かない住人たちに振り回される「妾馬」序盤のくだり。誰に聞いても「悪いのは豆腐屋のせがれ」と意見は一致しているんだね!今日は何か少し変わったものがかかる日なんだろうか。

●奇術 小梅
 初見の色物さんでイリュージョン系。まだ会員ではないようだ。

●歌武蔵「お菊の皿」
 今席主任の師匠。お菊さんが初登場時からストレス太りで見る影もないという設定。

●市馬「穴泥」
 これもあんまりかかる噺ではないのでは。最も暑い時期の噺でもないのだが。

<中入り>

●和泉「働き方の改革」
 歌扇と交互出演。2年ほど前のプークで聞いている。若干物足りない気もするのだが、寄席のこのくらいの出番で演じるにはちょうど良い噺。小八が弟子を取ったと聞いたが、おかみさんも兼ねるのだろうか。和泉も忙しそうだが。

● 一之輔「臆病源兵衛」
 一之輔で初めて聞いた。今日は(自分にとっては)出る人出る人珍しい噺をやってくれるので、お得感がある。皆で初主任を盛り立てようとしている様子。

●浮世節 橘之助
 志う歌の伯母弟子。夜会巻きのあだなお姉さんが、すっぱりショートカット、さすがに年齢を感じると思ったら、自ら「ワクチンの4回目(接種券)がもう来てる」(笑。残り時間で「たぬき」を弾けるところまで。もう長いこと三味線芸人を「私を入れて三人」といっているが、どこら辺まで入れているのかな。少なくとも玉川スミ先生の生前は筆頭に挙げていたが。

●志う歌「火事息子」
 本日演者のお祝い、り助の二つ目昇進にフォーカスされがちだったが(噺家にとって二つ目昇進は真打昇進よりも嬉しいことだからと三三)、この人も真打昇進以来初めての寄席主任。
 江戸時代、組織だった町火消の配下に臥煙という火消人足がいて、延焼を防ぐためとはいえ乱暴な取り壊しをするので、町人の間でも評判がよろしくない・・・という説明から、延焼を免れた大店・伊勢屋の土蔵lの目塗り。左官屋も人手が足りないので高所恐怖症の番頭を無理やり上げて、土がまとまらないと小僧に小便混ぜろと無体な主人。そこへ八艘跳びさながらに家々の屋根を渡りながら突然現れた臥煙の青年。顔を見た番頭は勘当された若旦那だと知る・・・。
 前半の落語らしい件と、後半の人情噺をすっぱり分けて、これがなかなか聞かせる。本意ではない勘当を悔いてはいるものの、火事に魅せられた我が子に戻ってくれとも云えず、思いあいながらも分かれる家族が哀しい。
 同期昇進組の中では最初の主任なのかな。NHK新人落語大賞も取ったのだから期待はされているのだろうが、コロナの割を食った昇進タイミングでアンラッキー。そのうえここ二年ほど芸協の成金メンバーが続々昇進して、一時的に協会と芸協の集客逆転が生じたのもつらかったところ。コロナ禍でも、芸協の芝居には客が入るという以前ならありえない状況、忸怩たる思いだったのではないか。自分も歌ぶとのころは期待していたが、正直歌太郎になってからはあんまり聞いていなかった。それでも若手真打の中では、間違いなく主軸になっていく人だとは思う。若干のクサさにやる気と野心を感じるし。


 




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