「オービタル・クリスマス」
<ストーリー>
軌道上のステーションでクリスマス休暇で同僚が地球に帰ったために一人で任務をこなすイスラム教徒のアリは月からのコンテナの中に密航していた少女を見つける・・・
<コメント>
クラウドファンディングによる堺三保氏の原作・脚本・監督映画。画面は実に見事で密度や深度が鮮やかでさすがにSFで何をどう見せるかということを知り尽くしているだけに圧倒される。
しかし、わずか16分の短編なために起承結で終わってしまって監督の腕の見せ所である「承」から「転」に至る部分が本来ならたっぷり時間をとって描かれるはずなのにととても残念。とはいえ、「転結」の部分は実に感動的であり、本当に「実写SFを観ている」という至福の時間を味わえる。これは「トワイライトゾーン」ではなく「アメージング・ストーリーズ」だな、という感じ。
少なくとも30分から1時間枠で語るべき作品なので是非とも長編化してほしい作品。
ところで、マニアとして一言いえば、冒頭の飲み物を飲むシーンは無重量なはずなのでボトルから吸うのならいいけど、傾けて飲むのはいいのかな?と思ってしまった。あと、撮影の事情を日記で読んでしっているので仕方がないとはわかっているけれども、ラストで空を見るシーンは海岸ではなく、病院の屋上的な演出の方がリアリティがあったと思う。
でも、とても素敵な作品でした。
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