ミッフィーちゃんについて

ミッフィーの名はご存じの方が多いと思います。
ミッフィーはオランダのＤ，ブルーナ氏作のキャラクターで、
初来日の頃は、うさこちゃんと呼ばれていました。本名ナインチェ。

口が×になっているウサギの女の子です。それで「黙」の見本のように
前回の日記に登場しました。ミッフィーちゃんの原画は数十年のうちに
随分と変化して、だんだんシンプルになり洗練されたとも謂われます。

けれど、それだけではなく、絵本では彼女は天使の受胎告知があって
この世界に生まれてきたウサギさんというミステリアスな設定です。
今の世界に何か暗示的な雰囲気もあり、ミッフィー恐るべしです。

私は昔、用事で一度だけオランダへ往く機会がありました。その時は
ブルーナ氏のアトリエ見学も希望すれば可能だったような立場でしたが、
思い付かなくて、結果的にはミッフィーちゃん風に黙っておりました。

「黙」は修養において「静」につながる重要なキーワードの一つです。
「吾の心を静するには、先に吾の神を黙すべし」と経典にもあります。
この神とは神経の事ですね。神経の黙が炁を養う功につながります。

「空中の色は黙を以てこれを識る。虚中の実は黙を以てこれを知る。
無中の有は黙を以てこれを見る。玄中の形は黙を以てこれを察す。
静中の声は黙を以てこれを聞く。」などとも説かれています。また、

「天地渾厚の炁が乃ち衰となれば、造化の功も乃ち日に薄らぐのみ。
・・・故に、黙平修養の功を以て渡世弭刧の宗と為さざるを得ず。」
とも曰われます。そういうお話を連想してきますと奥深い事です。

実は私もミッフィーちゃんについては深く考えず、その絵柄の小物が
何となく身辺に来始めたのを、カワイイな、と思う程度でした。ただ、
お喋り慎むべしとの訓示を薄々感じてか×口には違和感がありました。

最近ほど「黙平」の必要性を痛切に感じたことは過去にありません。
確かに、黙って静かに観察や反省をしてみますと、色々な物事の
意味や経緯、真相などが自然に次々と感じられてまいります。

そして、「黙平」からは、様々な問題を引き起こす原因となる
貪欲や傲慢さ、競争心や攻撃性などが発生でき難いものです。
実に自己の平穏、世界の平和の第一歩とも言えるでしょう。

今日も私はついお喋りしてしまいましたけれど、
どなた様も、どうぞ、この話を参考にされまして、
ミッフィーの気持ちになってみて下さいませ。