今回は、「伊万里 色絵 花束文深皿」の紹介です。
これも、昭和55年に(今から40年前に)買ったものです。
写真1: 伊万里 色絵 花束文深皿(一対)(表面)
写真2: 伊万里 色絵 花束文深皿(一対)(裏面)
見込みには花束文が描かれ、その描き方にはなんとなくバタ臭さを感じさせます。
当時は、「柿右衛門」は、すべて柿右衛門家で作られたものとの前提のもと、「これは、初代柿右衛門の作だ。いや、四代柿右衛門の作だ」などと、今、作っているところを見てきたかのごとく、まことしやかに言われていたものでした。
今では、「柿右衛門」は有田皿山が全山をあげて作ったヨーロッパ輸出向けの花形ヒット商品であったことが明らかになり、「これは、初代柿右衛門の作だ。いや、四代柿右衛門の作だ」などとは言われなくなりました。
ところで、この「伊万里 色絵 花束文深皿」を買った当時は、「柿右衛門」は、まだ、あまりヨーロッパから逆輸入されてなく、江戸時代の国内富裕層に購入されて伝世してきたものが市場に出回っていたようですので、数も少なく、したがって高価でした。また、内需用のものだったので文様も和風でした。
それで、当時は、本製品のように、なんとなく洋風のものは「柿右衛門」とは見做されなかったように思います。そのために、私のような者の手に入ったのでしょう。もっとも、例によって、傷物ではありますが、、、(__;)
以上のことから判断し、この製品は、上に記しましたように、ヨーロッパ輸出が下火になり、有田皿山のヨーロッパ向け製品を作っていた陶工達は生活に困り、その打開策として国内向けに作った製品と思われますので、制作年代は、江戸時代の後期になるかと思われます。
制作年代: 江戸時代後期
サ イ ズ : 口径;15.5cm 高さ;4.5cm 高台径;7.3cm
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