う…うちでよもう

本日の通勤送迎Express朝の部。

小雨ぱらつくのでランクルさん出場。
最初の信号を上手くパスしたら、その後ずっとスムーズに通過出来た。
帰り道も何故か殆ど信号に引っかからず、随分少ない所要時間。

　

　

だから、写真も少ない。
毎日こうだと楽なんだけどなぁ。

Facebookのオープンカーグループで一寸話題になっていた小説。
「感動する」らしい。
気になったので読んでみた。

　

最初の数ページを読んで「げげ、“愛する人難病死んでしまうよ悲しい悲しい切ないよ”系かよ、拙ずったかな？こりゃ」と。
どうやら、そうではないらしい。

章立てを登場人物ごとに区切り、その章の主人公視点で時勢を往復する作りは決して新しい物ではないが、600ページとそこそこのボリュームである本書では区切りがはっきりしており読み進みやすい。
各章冒頭に挿入された“本田宗一郎の言葉”もなかなか気が利いている。
（私の尊敬する人物の一人だしね）

一人の男が妻の愛した古い車に乗って孤独と自責から解放されて行く救いの物語。
その妻が余りに完璧すぎて凄すぎるのではあるが。

全編読み進めれば、これは確かに“良い話”だろう。
しかし私はやはり一寸人とは違うのであろうか。
「泣ける」？いや、そういう感じではないだろう。

と、それは唐突にやってきた。
物語ほぼ終盤。港に佇むエスハチの姿が見事に映像として浮かんだ時。
不覚にも嗚咽が漏れそうになってしまった。

作中ではクルマは全く小道具の一つであまり多く描写されないし、当然擬人化などもされてはいない。

しかし、妻の希望となり、夫を救った小さなスポーツカーに一番感情移入してしまったのは私であった。

クルマ好きにもそれほどでもない人にも、まぁお薦め出来るかな？

　

HONDA S800。（本作に登場するのは左ハンドルの初期型）

一つ気になったのは、この作者、本当にM/T車運転した事があるのだろうか？と言うよりクルマ運転出来るのだろうか？

首をひねってしまう描写が所々に…
『左足を横にして踵でクラッチを切りつつ、同時に爪先でブレーキを踏む。
　その瞬間ギアをニュートラルに入れ、右足でアクセルを踏みながらステアリングを鋭く右に切る。』

なんだ？この“高等技術”は？
誰かにやって見せて貰わないと「一寸何言ってんだかわからない〜」。
右足爪先でフルブレーキングしながら踵でスロットルを煽るんなら知ってるけどさ。

　

1967年　埼玉製作所創立9周年記念式典・藤澤副社長講話より抜粋
『世界的な視野」ということを言われておりますが、それでは、ホンダがどのような世界的な視野になっているかといえば、私、今年、欧州へ参りまして、欧州でフランスへ行ったんですが、このフランスでＳ800の大変な人気があります。日本ではあまりＳ800が売りません。今、生産しているものすべて、フランスとドイツとイギリスと、それからベルギーとオランダへ持っていってますが、フランスで非常に圧倒的な人気でございます。その人気の一つの証拠をちょっと申し上げますと、例のモナコのグレース・ケリーですか、モナコ王妃、この方がＳ800を欲しいという。普通、あの方たちですと、「欲しい」と言うと、「はい」と言ってすぐ届けるものなんですが、「あ、そうですか。それじゃあ、あとふた月かかります」と言ったので、「んー、これは少し違う」ということなんですが、ふた月たって買ってくださって、今、乗っております。これは欧州で有名なんです。』

https://www.webcg.net/articles/-/31500?page=3

内容（「BOOK」データベースより）
妻の美奈子が突然事故で亡くなった。夫の希久夫にホンダの名車「エスハチ」が遺されるが、カーナビから不可思議な走行履歴が見つかる。藤沢、松本、尾道、モナコ…履歴をめぐる旅に出た希久夫に、美奈子が残した最期のメッセージとは?往年の名女優、伝説のエンジニアの人生と交錯したはてに感動のラストが待っている。

グレースの履歴 (河出文庫) 源孝志(著)

文庫: 595ページ
出版社: 河出書房新社 (2018/7/6)
言語: 日本語
ISBN-10: 4309416209
ISBN-13: 978-4309416205
発売日： 2018/7/6

夕方になった。
何とも中途半端な空模様だが、雨雲レーダーはこの後すぐに雨雲がやってくるという。
まぁ、三男坊も同行すると言うし、給油もしないとならないので、ランクルさん出動。

　

　

　

何のことはない、沈み行く夕陽が美しい夕焼けだった。
本日も送迎Express.無事終了。
明日は晴れないかな。