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2020年05月24日02:50

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「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」映画

『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』
<ストーリー>
 19世紀後半のペテルブルグ。貴族の娘サーシャは北極点踏破のために旅立って行方不明になった祖父の捜索を社交界デビューの日に皇帝の弟に直訴し不興を買って舞踏会を台無しにしてしまう。両親にも叱責されたサーシャは新しい手がかりのメモを持って家出し、北の港町に向かう・・・
<コメント>
 数々のアニメ映画賞で大賞を受賞(日本では「東京アニメアワードフェスティバル2016」)してきた2015年製作のフランスとデンマークの合作アニメ映画。存在は知っていたけれども、まさか劇場で見られるとは思わなかった。
 舞台設定とか目的のせいかストーリーは一直線で古色蒼然としている。貴族のお嬢さんが家出して苦難に直面しながらも根性で皆に認められながらやがて目的に向かってひたすらがんばる姿をほとんど何のケレン味なく描いている。なるほど19世紀の砕氷船ってこんなだったんだという感じで北極圏に向かっていく船の姿や船を襲うアクシデントの数々であるが、これがまた淡々と描かれるだけあって実に地味なのだ。
 例えばディズニーだったら飼われている犬はもっと擬人化されていただろうし、日本のアニメだったら途中のアクシデントはもっとスペクタクルだったろう。しかし、この映画に関してはその地味さがこの映画のポリシーのようなものだろうか。
 枠線なしで描かれる絵もまた古色蒼然さに拍車をかけていて、ヒロインはまるで切り絵のようなしかし、それでいて表情豊かに描かれている。
 最初は「なんだ、この絵は」「なんだ、このわかりやすい悪役は」とか思っていたけれども、途中からグイグイと物語に引き込まれていった。
 主人公はなんら特別な活躍をするわけでもない(色々なところで役には立つけれども)けれども、物語のターニングポイントには必ず彼女の意思が働き、それはつまり、彼女が物語を推し進めていくことにやがて気がつかされる。
 実に心地よいアニメ映画。

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん
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