『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった#5』
<ストーリー>
マリアともすっかり仲良くなり、楽しく学園生活を送るカタリナは貴族の令嬢たちに虐められるマリアを目撃し、そこに乱入してマリアを助けるが、それはキースのイベントを横取りする行為だった・・・
<コメント>
この作品の原作のファンで1巻発売時から読んでいたので、アニメ化が結構楽しみだった。ところが、アニメを見ているとどうも違和感が強い。あれ?これってこんな話だったかな?と思ってしまうのだ。
そして考えるにやはりこれは「小説」と「映像化」の大きな相違点であるような気がする。この小説の魅力は転生したことで前世の性格が主人公を支配して一本気で単純で裏表がなくて純粋なキャラクターになっている。そして将来追放されて農民になっても生きていけるようにと農作業が趣味と言う悪意のかけらもない人格になってしまった。そんな主人公が前世の知識で行なったドタバタ
ところが、小説ではそんな主人公のドタバタ騒ぎに巻き込まれた人々の心情が書き込まれている。万能の兄にコンプレックスを抱いていた弟は兄はヘビが苦手だというカタリナのイタズラに巻き込まれた大笑いし、そんなカタリナに振り回される兄に親近感を抱くようになる。特殊な能力ゆえに心を閉ざした義弟はカタリナの馬鹿馬鹿しいまでの破壊力に閉じこもった部屋の扉を破壊されて同時に閉ざした心も義姉カタリナに開かれていく。
小説ではそういったカタリナの破天荒な行いによって救われ、彼女を慕うようになる皆の心情までがきちんと書かれているのに、そういった表現をせずにサクサクと話を進めて行くアニメではまるでトラブルメーカーのカタリナに巻き込まれるだけのドタバタなのである。
今回でやっとマリアがカタリナを慕うようになる背景が描かれるが、第五話でここということは明らかにペース配分がおかしいと思う。
うーむ、確かに小説と映像は違うと思うけれども、それでもすっとばしていいところと悪いところはあると思うぞ。
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