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2020年02月27日04:02

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邦画秀作2本、そして…。

25日、新宿ピカデリーで2本、まず、「AI崩壊」。
日本映画でこの手の近未来パニック物は、作り物めいて期待はしなかったが、評判がいいので、どんなもんかと思って見ると、これが面白い。
俳優陣の力みかえった芝居も、いい意味でのクサさとなって、見ている方にも力が入る。数少ないナチュラル芝居は、三浦友和と広瀬アリスの凸凹刑事コンビと、何故か「夢の中へ」をずっと口ずさんでいる螢雪次朗の漁師。
AIを暴走させ、生きている価値のある人間とない人間の選別化を図った真犯人に、カンとアシでAIとほぼ同スピードで捜査を進めたアナログ刑事の言うセリフ、「機械と人間の違いは、人間には反省する事が出来るという事だ」。
嗚呼、機械にも劣る政治家、官僚の多い今日この頃よ…。

次、「37 Seconds サーティセブンセカンズ」。
身体障害者が主役というだけで、全く予備知識なく、これまた評判の良さだけで見たら、通常なら「文部省推薦」なんてなりそうなのが、その代わりに、「R-15」!
一般公募のオーディションで起用された、実際の脳性麻痺のヒロインが、SEXを巡る冒険から、やがて、家族愛、そして、自分自身の成長物語へと昇華して行く心地良さ。
Eテレの「バリバラ」でも活躍の熊篠慶彦も、障害者用ホテトルの常連で出演。
昔々、助監督の頃、年下の介護士の男性と結婚した脳性麻痺の女性のインタビューで、最後に、「好きなものは?」の質問に、「オトコォ!」と答えるのを読んで、映画にしたい!と思ったが、とても許される時代ではなく、その後、ダニエル・デル・ルイスが滅茶苦茶スケベな実在の障害を持つ作家を演じた「マイ・レフト・フッド」(89)や、ヘレナ・ボナム=カーターが滅茶苦茶わがままな障害者を演じた「ヴァージン・フライト」(98)を見て、さすがイギリス映画と思ったりも。
そんなこんなで、「風の歌が聴きたい」(98)の脚本を書いた際、障害者である主人公が、クラブで踊りながらナンパするというシーンを書いたりも。
本作のリアルなのは、役者に障害者を演じさせるのではなく、実際の障害者を起用している所で、そう言えば、乙武洋匡が自身の原作で自演した「だいじょうぶ3組」(13)も傑作ではあったが、本作はそこからSEXへと突き進む。
業界用語で、女優が「体当たりで演じる」とは「全裸になる」という事で、本作は、その「体当たり」。因みにミステリーで、「鍵を握る人物」とは、「犯人」。
話が逸れたが、本作を見て、映像作家として激しい嫉妬心を覚えたのも事実。それ程までに心震わされ、そして、「泣ける」などという陳腐な言い草をも吹き飛ばすパワーを感じてしまった。

てな事で、いい映画を2本立て続けに見て、いい気分で帰宅し、深夜に及び、そろそろ寝ようかと部屋を行き来していたら、ダイニングの床に、昨年12月に自宅で失くした眼鏡が!!
レンズは埃塗れだったが、フレームにも損傷はなく、しかし、この二タ月半、何処でどうしていたのやら…やはり、我が家には、どこでもドアがある!!
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