先月に続いて、またも台風が関東を直撃…
。
しかも、前回の15号のときよりも長時間荒れる
ということで、通過した12日の土曜日は、ほぼ一日自宅アパートに”籠城”。まぁゴーゴーと激しい風雨が続いておりました
。
自宅のある地域は、前回も今回も停電等々の影響はありませんでしたが、前回の15号では、近隣で停電に巻き込まれた地域があったせいか、近所のスーパーでは、前日のうちにカップ麺と水がスーパーが見事なまでに売り切れ
。お菓子や缶詰の棚も、ところどころに空きスペースができていました。
さて、このようなカップ麺やスナック菓子
などがお部屋の一定のスペースを占めるのが、ホテルのお部屋。それもラブホテルの中
…というシチュエーションで展開されるいくつかのお話を見届けに、このようなお名前が付いたホテルをのぞいてきました。
この写真の日付からは少々時間がたっておりますが、千穐楽が14日という長めの公演のためのネタバレ回避対応…でございます。どうかご容赦のほどを。。。
劇場名が先か、ストーリーが先かはともかく、ミラクルなお話。ラブホテルというシチュエーションのとおり、このようなメインビジュアル。ちょっと…いや、そうとうにエッチ
(*^-^*)。
当日記では3月の「とわのおわり」以来3度目となる、愛称”きゃべつさん”こと小野里茉莉さんのご出演。このメインビジュアルも茉莉さんがご担当
。当日記での過去の2回は、ストーリー自体がそういったエロ要素満載ではないにしても、演じられる役柄そのものに、このビジュアルのような要素はほぼゼロ…だったはずなので、これは相当インパクトがあります
。ご自身のツイッター上でも、結構ご自慢?の1枚のようにお見受けいたしました
。
(これ以降、茉莉さんは愛称の”きゃべつさん”で書いていきます。)
そんなわけで、全部で12公演のうちの3公演目、6日夕方のぶんを観覧。こういうお題だけあって、休日に多いマチネ・ソワレの2回公演(昼夜公演)もあまりなく、一方で3連休前の11日には、25時開演というレイトショーなる回が設定されています
。17時開演とは、普通に考えれば”夜公演”ですが、この「ホテル・ミラクル」に関しては、比較的珍しい”よい子が見る回”のようでもありますね。もっとも、”よい子が見る回”であっても、そこにたどり着けば、ロビーにすでにピンク色の照明が置かれ
、場内にはいかにもな配置で、ラブホテルの一室にありそうなものが用意されています
。
このお部屋、ステージ自体はほぼ正方形のスクエアタイプで、そのうちの2辺に沿って客席がセットされています。さてどこに陣取るか…。日程前半だったこともあってか、客席数は幾分控えめ。ということで、ダブルベッドの長手方向に正対する席をセレクト。まぁ、そういうシーンが目の前で展開されそうなことが想像できますね
。
構成は4話オムニバス。ただし、その前に前説も「ホンバンの前に?」としてあくまでお題の一つとして演じられます。早速前説に飛び出すのは、ネグリジェに身を包んだきゃべつさん&阿部遊劇手さんの男女ペア。ソファ、テーブル、そしてベッドと、それぞれのアイテムでペア演技…。あくまでも前説なので、中身は注意事項(ケータイ
は電源切ってね…等々)ですが、目の前に置かれているベッドの上で「大丈夫?」ときゃべつさんに見つめられますと…、ねぇ
。こちらのきゃべつさんは、メインビジュアルのとおりの妖艶なお姿です
。
では、この日のメインディッシュ4品…。オールキャストでのオープニングダンスのあとに捧げ持たれてきます。
1話目:Pの終活
おじさん黒田とそのお相手の遊女ユキ、それにラブホテルの従業員であると思われる理樹の3人が部屋にいます。ラブホテルの一室に奇数人でいること自体、珍しいと思うのですが、男子2と女子1の”グループ交際”というか”グループ性交”を軸に物語が進んでいきます。
終活とあるとおり、おじさんの年齢である黒田は、この”グループ性交”にはまってしまい、相手にしている女性のユキのみならず、理樹にも「3人でいるのが好き」などと、いろいろと話しかけていきます。終活などという、文字だけ書くと若干寂しげな題名がついていますが、自分の誕生日のお祝い動画を撮ってもらうなど、意外にアグレッシブです
。
ところが、お祝い動画に応じたユキと理樹が、おおまじめに要求に応えたのに対し、逆質問を受けた黒田は、寝言で”言ってはいけないこと”、つまり「別れた相方の若かりし頃に似ている」ということを口走ってしまいます
。したがって、幕切れは大変にあっけないもの。ユキと理樹の冷たい視線とともに閉じられるステージが、身から出た錆とはいえ、残酷さを否が応でも感じさせています。
2話目:光に集まった虫たち
おそらくは不倫関係にあると思われる男女がお部屋の主。ふたりだけの濃密な時間を過ごそうとするのですが、その部屋には、あちらこちらに虫の姿が…。
虫が大嫌いな女と、まったくアレルギーなしの男とが、”濃密な時間”に入る前に虫をめぐるやり取りをしているうちに、いつの間にか、虫の精のように不思議なおばあちゃんが部屋に入り込んでいます…
。
びっくりする二人。そりゃそうだろう…。しかしその”虫の精”は、その後部屋に現れる玉虫等々をお題にしながら、その場とは一見どこで関わるのかと思わせるように、虫の魅力?を語っていきます。ただし、いかにも楽しそう
というのではなく、少ししんどそうに…。この不思議な感覚に、やがて男女も引き込まれていきます。おばあちゃんも、しんどそう?に見えて、しかしこの部屋に居つくようなそぶり。ラブホテルの一室は、楽しいとか秘密の場所ではなく、この人たち、そして虫たちにとって落ち着く場所だったのでしょう。意外なほどふわりとした形でのエンディングが、それを物語っているようです
。
3話目:48 MASTER KAZUYA
きゃべつさんが登場するこのステージ。メインビジュアル、そして前説のお姿からは、いかにもな展開になるのかと思いきや…
キャストの皆さんが元気はつらつと舞台に飛び出してきます
。言葉の端々には、もちろんラブホテルが舞台らしく、エッチなワードがあふれかえっているのですが、どうかすると子供向けのアニメか何かを大人向けにアレンジして、そこから飛び出してきた世界
といったほうが、イメージがつくかもしれません。
世の女性を快楽に導くための”セックス道”?を極めようとする、主役のかずや君は、空手の道着っぽい衣装で登場してきます。一般にいう”いやらしい行為”は、その”セックス道”の四十八手として取り込まれています。しかも、お師匠さん、それも女子のお師匠さんがいる、という設定です。
そのかずや君の命を、敵対するグループの幹部の一人である、きりりとした女子が狙い、そしてとあるホテルの一室で戦いが始まります。当然、ここでの敵対…とは”セックス反対”であり、きりりとした格好とは、キャリアウーマンのいでたちそのもの
。まぁ、最後はかずや君の命は奪われることはなく、このきりりとした女子も、どこか柔らかくなってしまうのですが(笑)
ということで、かなりぶっ飛んだ展開のコメディ。これだけでも十分に笑えてしまいます。ですが、話はこれだけでは終わりませんでした…。
メインビジュアルだったはずのきゃべつさん、なんとピンク色のぶたさんの着ぐるみに身を包んでのご登場
役柄がずばり「雌豚(めすぶた)」。そして、台詞のあとにはかわいらしく「ぶー
」と鳴き声が添えられます。この雌豚ちゃん、昔話の桃太郎よろしくかずや君に付き添い…というか、忠誠を誓いつつ、ひとりアイドルっぽいしぐさを見せています
。きれい…なのはそのとおりですが、いや、このひとだけはピュアピュアで可愛いわ(笑)。フライヤー詐欺とよく言われる(笑)とおっしゃっていましたが、これはたしかにダントツの意外性。もともとこのお話だけがコメディではありますが、なかでもやっぱりきゃべつさんがいちばん笑いを取っていたように思ったのは、筆者だけではなさそうな^^。
4話目:よるをこえて
結婚も考えようかという、比較的長いおつきあいの男女二人。その公式な間柄は職場の同僚さん。
そのとおり、仲良しであり、気が合う二人なのですが、このふたりの間にはセックスレスという悩みが介在します
。時折耳にするこの言葉。それだけで致命傷にはならないけれど、じわじわとボディーブローのように軋みが目立つようになり…。ラブホテルの一室は、その決着の場としてセレクトされています。
気が合うし、お互いに想いびとでもあるけれど、”その点”に関しては…となってしまう、「好き」の中身を考えさせるストーリー
。話し合った結果は、元通りというか何も進んではいない…となってしまうのですが、結局はお互いがそれでよければすべてよし。いろんなスタイルが受け入れられる現代では、そういった合うところと合わないところを認め合ったうえで、というのもまた解のひとつなんだろうと思います。もっとも、”安定のモテない君”?である当日記筆者の現実はというと、想い人さんがいたとしても、例えれば”車掌と乗客”といったパブリックな関係がほぼすべてな感じ…なのですけれど。
そして、その決着の場にスパイスのように彩りを添えるのは、この2人の職場の後輩であり、立会人を買って出た聞き役の男子
。いいことを言うけれど、一方で「10分1000円
」という破格の時間給を吹っ掛けて?2人の仲を取り持っていきます。いやらしさは抑え気味という印象でしたので、ともすれば重くなりがちなテーマをうまく料理しているようでした。
たしかに”ラブホテルが舞台”のステージが目の前では展開されていましたが、そのシチュエーションから想像されるものというよりは、その情景を借りた人生劇であり、はたまた徹底的にぶっ飛ばしたコメディだったというのが率直な印象でありました。”フライヤー詐欺”だった(笑)雌豚ちゃん役のきゃべつさんは別格としても
、そこまでいやらしい感覚はなく、あくまでも現実をデフォルメした世界を描いてみたということなのだと思います。まんまと詐欺に引っかかった?うちのひとりと思われる筆者も、まだまだ人生経験を積んでいかねばなりませんな(^^ゞ
みなさま、ありがとうございましたぁ
。
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