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2019年05月24日02:37

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知恵とセンスで勝負 … 舞台「豚」×「鷹」×「鼠」@上井草(5月18日夜公演)

もうだいぶ前だと思いますが、CDショップに立ち寄る回数自体が減った…と、当日記上で書いたことがあったかと。
いや、CDの枚数自体は、いまも順調に?増えてまして(つまりは、ご本人から頂くってことですな)、先日もラックを追加発注したばかりCD。ですが、いまやメジャーとかインディーズとかの区別は数ある説明項目のうちの一つにすぎず、あらゆるところでいろんなパフォーマンスが繰り広げられる時代。当日記で多い”ライブハウスもの”のそれは、奏でられる唄はもちろんですが、唄い手さんの知恵とセンスも、楽しませるための重要な要素だったりします電球。周辺の話題も含めてなんぼ、というところでしょうか。


で、同じようなことが”ぶたい”にも…

そんなことを感じさせられたのが、この日のこの場所だったような気がします。

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ところは、都内は上井草。20人強でもう満杯…という、隠れ家マル秘のような地下スタジオでの、3話オムニバス短編集の舞台です。

実際、この上井草。当日記の”おと”編の舞台としてときおり登場する、井荻のチャイナスクエアから、西武新宿線をもう一駅西へ進んだところですが、環七沿いの井荻に比べると、南北を貫く道は細く、改札機のPASMOのマークやコンビニの姿をみなければ、どことなく昭和までタイムスリップしているような雰囲気があります。

そして、なぜかラグビーの幟が…

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あとで地図をみると、スタジオと反対側には、早稲田大のラグビー練習場があるそうな。あらら、まっすぐ帰らず、現地で少し寄り道したら、学生街っぽい奥深いお店が見つかったりしたかも…おにぎり

あ、話題がそれました(^^ゞ
昨年11月のこちらの舞台と同じ主宰。
(2018年11月23日@南阿佐ヶ谷)
https://ameblo.jp/maruyui-otonikki/entry-12422054751.html

このときは、どんでん返しが強烈な3編。
で、今回の3編は、例えがチェーン店風で申し訳ありませんが(^^ゞ、牛丼とカレーのあいがけ…といった、2味同時に展開する感がありまするんるん


お題1「豚にも程がある」
台本はいただいてきましたが、あらためて、前振りをみてみると…
「くしゃみをすると、おばさんになる…」という”あみちゃん”と、その彼氏である”だいすけくん”の恋の物語ハートというのが表の姿。
一方、その”おばさんになった”あみちゃんの姿である「あみんごす」と、”だいすけくん”のお兄さん…という、見た目あっけらかんとした2人のやり取りが、もう一つの姿。ちなみに、おばさんたる「あみんごす」を演じるのは男子ですので、結構どぎついメイクが衝撃的…ですexclamation ×2

やりとりも、”あみちゃん”や”だいすけくん”が絡むシーンはかなりシリアス。対照的に、おばさんやおにいさんがメインのシーンは、結構な割合でストレートに笑いを取りに行く感があります。
しかし、物語が進むにつれて、”あみちゃんとだいすけくん”のほうが実は仮の姿…という展開に。特に過去を引きずった”だいすけくん”の生い立ちには、ちょっと泣かされます…冷や汗
表側から見ると、ちょっと悲しい物語ですが、それでもラストには、その悲しさを乗り越える道筋が見えるのが救いですねぴかぴか(新しい)


お題2「夜鷹の目に映る」
お題1でのテーブルがひっくり返されて、舞台の上には高座ができています。
そんなわけで、落語とそれを聴く2人の女の子というシチュエーションからスタートしていきます。もっとも、女の子2人のそぶりは、しっかり者とボケキャラと対照的。そのうち、ボケキャラのほうを、筆者には3度目となる長友美聡さんが演じていきます。筆者の予想とは逆…。結構、こういったはじけた役を演じられることが多いみたいです。落語家、2人の女の子とも、和装が新鮮ですぴかぴか(新しい)

落語のネタは、ちょっと訳ありの女性、いや、女の妖怪に恋する男の話。やがて、”落語を聴いている状態”から、舞台上の3人が落語のお話の中の世界に入り込んだ状態に変わっていきます。場内は真っ暗、ないしは3人の姿がかろうじて見える程度。落語のネタであったはずのホラーストーリーそのものが、舞台で演じられていますげっそり。最後に血の付いた状態と化した男と、その傍らにいる女子2人が、ぱっと照明に照らされてエンディング。急転直下でのエンディングは、ちょっとびっくりさせられますexclamation ×2。それまでずっと怖い怖い話でしたから。


お題3「鼠に媚びを売る」
スーパーマ●オブラ●ーズよろしく、緑色のシャツに白のつなぎ、特徴的な帽子をかぶったおじさんが、さえない顔をして医者の診察を受けているシーンからスタート。”余命”が”あと1機ドル袋”…と、日常とゲームの世界ゲームとが入り混じった舞台に、初めからくすくす笑いが起きています。ちなみに、この”医者”のもう一つの顔が、赤色のシャツのほうのおじさん…^^。

ゲームネタも日常ネタも、どちらもホンモノに即した格好であったり、日常的に(そう頻繁にはないかもしれないけど)ありえそうなシチュエーション。お題にもある”鼠”のほうは、ポ●ット●ンスターの主役キャラ、ピ●チ●ウのこと…と、徹底して現実のお悩みとまぜこぜに。ラストに至るまでは、コメディを多彩に組み込んだ、面白い物語。
最初にさえない…とかいたおじさんも、実際には、糸巻こまきさん演じる彼女がいて、さらにもうひとり、心を許しかける女性、ウェンディ(こちらを”しろくまさん”こと白野熊子さんが演じています)がいたり、でも輝かしい時代を思い出して、いま流行りの鼠型キャラクターにすがってみたり…と、”さえない”方向へ行ってみたり、”大丈夫そう”な雰囲気だったりと、本筋の物語自体は現実そのもののよう。

それだけに、いつの間にかこのおじさんに一途になりすぎてしまったウェンディが、返り血を浴びた状態で登場する(つまり、この”さえないおじさん”は…)ラストシーンは、衝撃の結末ふらふら。観るものを「えっ…」と凍り付かせます。もっとも、女性2人を比べると、ウェンディのほうは、あまりはっきりとしゃべらないか、思いつめたように一気にしゃべるかのどちらか…。このあたりに、一途さ→ラストの衝撃への伏線があった感がします電球


おわったあとの場内は、こじんまりとしつつも華やか。どうかすると役者さんのほうが多いような感もありますが、とにかく、観客とともにあちらこちらでご挨拶に見解披露に種明かし、はたまた純粋にお遊びに興じたり…。終演後は、基本的にこういったアンオフィシャルな空間が広がりますが、”ぶたい”のそれは、初めから”多対多”というのが、いまもって新鮮であったりします(”おと”の場合は、物販がメインなせいか、ベースは1対1…ですね)。いずれにしても、謎解きや種明かしが絡むと、話題は早々には尽きませんぴかぴか(新しい)

そんなわけで、今回もあっと言わせる筋書きが立て続けに並ぶさまを、とくと拝見させていただきました。ありがとうございまする〜^^
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