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2019年01月30日23:13

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1月30日 ベトナム実習生「労組脱退強要」青果卸を提訴の記事から、外国人技能実習制度について

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。



1月30日 ベトナム実習生「労組脱退強要」青果卸を提訴の記事から、外国人技能実習制度について


1月30日水曜日。今日は外国人技能実習生に関する気になる記事がありました。



※読売新聞より引用



ベトナム実習生に「労組脱退強要」青果卸を提訴
読売新聞2019年01月30日 07時36分
 ベトナム人技能実習生に労働組合から脱退するのを強要したとして、札幌中小労連・地域労働組合(佐藤正剛執行委員長)は29日、愛知県春日井市の青果卸売会社「東興青果」などを相手取り、約220万円の損害賠償などを求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 訴状などによると、東興青果などは今月8日、関連会社が運営する東川町と美幌町の農場で働いていたベトナム人技能実習生21人に対し、規模縮小に伴う人員削減を理由に解雇を通告した。

 ベトナム人側から相談を受けた札幌地域労組は、同社との団体交渉を行うため、21人のうち18人の労組加入を通知したところ、同社から「解雇に伴う補償金を支払わない」と告げられ、労働組合法に違反する脱退を強要されたと主張している。実際に、18人のうち11人は脱退したという。



※引用終わり。



慢性的な人手不足の現在、外国人技能実習生の「活用」が増えています。なお技能実習法第3条2項に、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」と書かれていますが、実態は労働力不足の有効手段として活用されているのでは?と私は思います。



そんな状況で、私が住む福岡県においても、外国人技能実習生を活用している中小企業等事業主は増えており、私自身、外国人技能実習生監理団体の顧問もしています。また監理団体の外部監査人もしており、そのために去年監理責任者講習を受講した次第です。



記事を読むと、いわゆる監理団体・受入企業と外国人技能実習生に関する労働トラブルで、典型的な解雇事案と思われます。なお外国人技能実習生も、労働基準法等労働諸法令では「労働者」として扱われます。そのため、最近は記事のように外国人技能実習生関係のユニオン(一人で入れる労働組合)との団体交渉・訴訟沙汰も見受けられます。そして今回の記事のような新聞沙汰も、時々見受けられます。



今後、慢性的な人手不足対策として、外国人技能実習生の活用は増えると思われます。しかし外国人技能実習制度に関しては、利点・注意点両方を理解する必要があると思います。私自身、外国人技能実習生関連の実務をして気づいた注意点を下記の通り列挙してみます。



・受け入れる外国人技能実習生の風習・文化・宗教等を理解して、受け入れる必要がある。とくに宗教によっては、食事・慣習等への職場での受け入れ配慮が重要。

・受け入れる外国人技能実習生の国が、親日的か否か?は重要だと思われる。

・外国人技能実習制度に向いている職種・業種、向いていない職種・業種がある。

・向いている業種・職種:単純作業系の製造・農業。力仕事系の建設作業。

・向いていない業種・職種:複雑な工程・難しい技能が伴う製造。職人的な作業を要する製造。技術的な知識・技能を要する施工管理など建設作業。

・いわゆる日本人労働者より外国人技能実習生のほうが、労働基準法等の法令遵守・法的保護が強い立場になっている。

・在留資格や技能実習制度等により、一般労働者より制約が多い。

・外国人技能実習生に対し、賃金を最低賃金レベルで支払ってる場合が多いが、監理団体への管理費や実習生の住居・光熱費等人的費用は、思った以上にかかる。

・SNS等ネット社会の現在、外国人技能実習生同士の情報は速い。悪い情報も速く、労務管理が杜撰だと、送り出し国から受入企業に実習生が来なくなる。

・法改正で実習期間が5年まで可能になったものの、優秀な監理団体・実習生に限るため、原則実習期間は3年と理解した方が良いと思われる。

・実習期間が実質3年で終了し帰国するので、会社に人的財産(技能・知識等)が残らない。ただし毎年実習生が更新される中での技能・知識の継承はあり得ると思います。



以上の点を、個人的な意見として書いてみました。



中小企業の事業継続のためには、外国人技能実習制度は「一つ」の選択肢として考えていただき、活用するにしても外国人技能実習制度中心ではなく、従来の中途採用・新卒採用と併用して活用していただければ幸いです。





※写真は先日の夕食で、白身魚のアクアパッツァと豚肉の生姜焼きです。
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