『THE GUILTY ギルティ』
<ストーリー>
コペンハーゲンの警察署で緊急通報オペレーターをさせられていたアスガーがある夜とった電話は誘拐されかけている女性からだった。携帯の基地局から通話場所を突き止めるがパトカーが発見したのは別の車だった・・・
<コメント>
カメラが室内から出ることがなく、全編を通じて電話通話だけで構成されているとんでもなくシナリオに凝った映画。サスペンス映画と言うのは普通は最初は主人公の紹介とか説明とかから入るのだけれども、この映画では冒頭からオペレーターの主人公に助けを求める電話が入る。そして映画が終わるまでこのサスペンスが持続する。
こういった設定がありそうでなかったのはやはり現代の「携帯」事情からだと思うけれども、犯人も被害者も携帯をもったまま移動することが出来るので固定電話とは異なったサスペンスを演出することができる。
また、主人公が会話するのが他の警察の指令センターであったり、自分の上司であったり、さらに相棒に捜査を依頼したりと様々な人に電話をかけることで誘拐事件だけでなく、主人公をめぐる現在の環境までもがこういった会話だけから観客に伝わってくるのも巧い手法だと思う。
そしてクライマックスで意外な情報によって主人公も観客も仰天させられるという展開と、それによってタイトルの『ギルティ』の意味が判るというのもすごい。
映画の可能性というものを垣間見せてくれる傑作。
THE GUILTY/ギルティ
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