医学的に間違っていることは書かないでください

優生保護法は確かに法律ではあったが悪法だった。
悪法といえど法は法、なので従うしかなかったが、
運用の仕方（遺伝性疾患かどうかの確認）がまずかった可能性が高い。
だから裁判にもちこむとこまではまあ、理解できる。

でも、「不妊手術の結果卵巣が癒着して卵巣嚢腫になった」というのは
医学的にものすごいマチガイで、何度読んでも気持ち悪くて仕方ない。
「何度読んでも」というのは地元の新聞にかなり前からもう何度も取り上げられていて、
そのたびに同じことが書いてあるからだ。

不妊手術で卵管を縛っても、卵巣嚢腫という病気の原因にはならない。
卵巣嚢腫は卵巣という臓器が腫れ上がる病気であり、
卵管は子宮から続く「薄い筋肉の管」で卵巣から出た卵子を子宮に運ぶ道なので、
卵巣という臓器とは何も関係がない。
それからたとえどんな手術を受けて子宮卵巣周囲が癒着したとしても、
癒着が原因で卵巣嚢腫になることは絶対にない。

法律の運用が悪くて遺伝性疾患がないのに不妊手術をされたとしたら、
それは大変にお気の毒で不当だと思うけど、
それだけで十分ではないか？
全く関係のない卵巣嚢腫をあたかも不妊手術が原因みたいに言い立てるのって
なんか変な気がする。
それを読めば読むほど、この訴訟ってなんでもいいから国から金をとりたい、
金をとれるなら理由は多いほうがいい、みたいに言っている気がして
同情の気持ちもなくなってしまう。

強制不妊訴訟 国が棄却求める
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5045856