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2024年05月22日19:09

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妊娠分娩は病気ではない

病気ではないものに対して、
病気になったとき病名がついたときに3割負担になる健康保険の適応は
無理あることは一目瞭然。

今ある健康保険の枠で保険適応にするのでなく、
「妊娠分娩時の費用の7割を国が負担する(国民は3割負担)」にするなら
納得できる。

そうでないと、
たとえば、
陣痛開始して来院して3時間でつるんと生まれて会陰の傷もなく、
3日後に退院できそうな「自然分娩」と
陣痛で来院したけど強くなったり弱くなったりして3日間入院して、
実際に子宮口開いて分娩台に移ったあと6時間かかった、結果的な「自然分娩」と
同じ料金、ってことになる。
関与するスタッフの人数もガーゼやシーツなんかの物品も、
医者の診察の回数も夜勤看護師が励ましながら腰をさすったのも、
ぜーんぶ含めて、どっちも同じ「自然分娩」って

おかしくない?

妊娠分娩に保険適応を!は少子化対策じゃなく、
日本国の「医療費抑制」政策の一環としか思えない。
少ない人数を少し高めの料金で丁寧にみてきた産婦人科医をつぶして、
決まったことを決まっただけやる標準施設のみ生き残らせる。
外国のように、妊婦健診は「初期」「中期」の2回だけ。
出血あっても「流産した」でなければ診察しない。
お産したらよほどでない限り当日退院。
退院後は自宅でないなら保険のきかない「産後ケア施設」にいく。
こうしなければ「お産は健康保険」になったとき、お産を扱う施設は生き残れない。
ここまでやっても手間と費用が大きくて、お産を扱わない施設も増えるはず。

異常分娩にならないように、細心の注意を払って妊婦健診をする。
太るな塩分とりすぎるなきちんと運動しろ家で血圧を測れ。
やっとなんとか10ヶ月にたどりついたら、
陣痛きて入院したら、
陣痛が弱くならないように動かし歩かせ、子宮口が無駄な気張りで切れないように
痛みを逃す呼吸法をいっしょに行う。「はい、ひっひっふー。ちゃんと声だして!」
上半身を起こさせたり寝かせたりしながら赤ん坊の頭の下がり具合を診察し、
疲労で陣痛微弱にならないように飲み物をとらせ酸素を少し吸わせて
やっと全開したら「まっすぐ前みて!顔こっちに向けていきんで!!」と叫び続け、
やっと赤ん坊が出て泣いたとたんに、
「いい赤ちゃんですよー。おめでとうございますー」と
これまでの鬼の形相から別人のような笑顔になってお祝いを言い、
赤ん坊と母親を面会させる。

これを全部「自然分娩だったんですよね?」の一言で一律料金なのか?
努力とか技術とか言葉とか態度とか、評価なんかできないのに。

と思うだけで心が折れちゃって、お産やめる医者も少なくないだろうな。
でかい病院の体育館のようなベッドにならんで順番に産んでいく、
養鶏場の鶏さんみたいなお産しかできない未来がちょっと見える。

追記;
妊娠分娩のための費用は「モノの値段」じゃなく、
「安全管理のための費用」。
若くて健康で体格のいいひと、
年齢高くなって筋肉も関節も硬くなったひと、
持病もってる人、昔大きな手術したことのある人、
ひとが違えば危険なものごとの種類も頻度も変わる。
それをうまーくさばいて「自然分娩」にもっていくのが産科診療の醍醐味。
そんなに「安く」すませたいなら妊婦健診なんぞ受けないで、
お産も家で産みなよ。
交通費も含めてよけいなお金はかからない。
でも、昭和30年代前半までは主流だった「そういう分娩」の時代、
超音波もなく、せいぜい家に産婆さんがきてラッパみたいな木のくだで
(トラウベっていうんだが)子宮内の心音を聞いてたころは、
妊婦と赤ん坊合わせた「周産期死亡率」は50%近かったよ。
ワシら病院での産科医療を行うスタッフが世界一低い周産期死亡率を作り上げた。
勉強も努力もした、もちろん施設や検査器具や分娩道具に金もかけた。
それを、「保険診療で一律同じ料金」って、あんまりひどい。
と、ワシは思う。
開業時にお産やめて本当によかった、としか言えない。


■“出産費用の保険適用” 来月にも検討会で影響など本格的に議論開始へ 厚労省とこども家庭庁
(TBS NEWS DIG - 05月22日 12:46)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=7871279
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