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2017年12月09日19:29

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あったらいいな、ゆめのくうこうバスw

既に報道されているように、11月30日に開催された第3回新潟空港アクセス改善協議会において、これまで検討を重ねてきた鉄軌道(新幹線を含む)の空港乗り入れ案は棚上げに。当面は既存の交通手段を活用したアクセス改善を目指すこととなりました。
http://www.pref.niigata.lg.jp/kuko/1356883302644.html

個人的には、新潟空港を取り巻く今後の環境変化や費用対効果などを考え、たいへん現実的な決断をしたとみています。

しかし、新潟空港の将来性や、空港周辺地域にあたる東区・北区のまちづくり、さらには佐渡航路が発着する新潟西港とのリンクなどを考えると、空港までの公共交通強化は無視できない課題といえるでしょう。

資料を吟味しながらじっくり考える余裕はありませんので、空港アクセス交通のうちのバスに絞って趣味目線からの主観的「願望」にふけりたいと思います。つまり、将来を真剣に議論する目的とは異なりますので、あらかじめご了承のほどを。

【2020年度までの短期的取組として】
協議会で配布された資料2「新潟空港アクセス改善の基本的な考え方」(案)によると、東京五輪・パラ五輪が開催される2020年度までを短期と位置づけ、バスにおいては以下の改善策が示されています。
・ソフト面のサービス向上(情報提供。車内・駅ではフライト、空港では鉄道・バスの遅延等)
・空港・新潟駅での案内充実(誘導サイン充実等)
・運行ダイヤ・運用の改善(航空便の遅延にあわせた柔軟な運行等)
・利用者サービスの向上(待合環境・支払方法の多様化・ポーターサービス等)
・インバウンド向けサービスの向上(多言語化・JRパスへの組込・陸海一体の県内交通パス等)
・運行ルートの改善等(ホテル乗り入れや佐渡汽船との連絡、県内外への新路線開拓等)
このうち、触れておきたいのは以下の3点です。

・運行ダイヤ・運用の改善
現在、新潟市中心部から新潟空港に向かうバス路線は2路線あります。
新潟駅南口を発着する「エアポートリムジン」は、新潟県・新潟市の支援を受け新潟交通が2009年4月より運行を開始した路線。新潟空港まではノンストップで、専用のハイデッカーが使用されています。

一方、新潟駅前を発着し万代シテイを経由する新潟交通の空港・松浜線【E22】は一般の市街地路線。通常の路線バス車両が使用されているものの、前後扉のツーステップ車からノンステップバスまで車種仕様はバラバラです。

それぞれに路線の性格が異なっており、空港アクセスを第一義に考えるならば前者の「エアポートリムジン」の魅力向上を優先すべきでしょう。しかし、航空便の発着時刻や中心部からのアクセス性においては後者の【E22】が便利な場合もあり、時折大きなスーツケースを持った乗客を多く目にすることも。エアポートリムジンを補完するうえでも、【E22】の利便性向上は課題といえそうです。

個人的には、九州産交バスで運行されている「空港線専用のノンステップバス」をぜひとも導入してほしいところ。見た目は路線バスですが、車内には荷物置き場が設けられているほか、座席もハイバックシートが採用されています。通常のノンステップバスに比べ導入コストは高いと思われますが、県・市による特別な補助制度を設けるなどして実現できれば利用者からも喜ばれることでしょう。


・利用者サービスの向上
待合環境に関していえば、新潟駅南口バス停での環境改善が課題でしょう。
駅2階から続くペデストリアンデッキの真下にバス停があるため、雨や雪をしのぐことができます。しかし、暑さや寒さをしのぐことはできません。
このため、冷暖房つきでベンチを備えた待合室の設置が求められます。
今後の新潟駅高架化工事の進捗具合もあり、恒久的な待合室の設置は難しいかもしれませんが、せめてBRTの青山バス停で冬季に設置される仮設型のような形で対応してもよいかと思います。
同様の課題はE22の新潟駅前や新潟日報メディアシップでも言えるのですが、都市内公共交通における課題にもなるので詳しく触れません。


支払い方法に関していえば、中国本土からの来訪者を念頭に電子マネー「Alipay(支付宝)」や「WeChat Pay(微信支付)」での決済対応を検討するものと思われます。ただ、導入にあたってはJRなど他の国内公共交通との整合をはじめ課題も多いでしょうから、まずは実証実験を踏まえてからということになるでしょう。韓国からの来訪者に対応すべく現地の交通系ICカード「T-money」に対応させるのも面白そうですが、新潟空港内に「Suica」の発行・チャージ機を設置するのが最も現実的かもしれません。


・運行ルートの改善等
佐渡汽船ターミナルとの連絡においては、乗合タクシー「ミニライナー」の社会実験が現在行われています(来年3月まで)。しかし近年の佐渡への観光来訪者数などをみても、両者間を移動する需要は決して多くはないでしょう。バスによる連絡も、こうした状況を踏まえたうえで検討されるものとみています。
最も現実的なのは、空港・松浜線【E22】と佐渡汽船線との乗換え。
新潟日報メディアシップバス停を乗換ポイントとし、現金利用者向けの直通チケットやICカード所持者向けの直通運賃(りゅーとの「まち割60」を10カードにも拡大)の導入が想定できます。この場合、乗換推奨ダイヤのPRが定着化へのカギとなりますし、前記の【E22】へのノンステップバス導入やメディアシップバス停での待合環境改善も課題になります。


県内外への新路線開拓も大きな課題。
これまでも、長岡市や上越市への直通高速バス路線が運行されていましたが(社会実験含む)、利用者の獲得をみないまま長続きせず運行終了となりました。
航空ダイヤとの連携不足、運行本数やルートなど反省点が多々あるように感じますが、これから新路線を検討する際には反省点をどう改善していくのかがポイントになりそうです。
また、新路線は県内外の各都市や観光地だけでなく、新潟市内各地からの運行も検討されてよさそうです。JR白新線からの在来鉄道乗り入れ案でジャンクションとされた大形駅にこだわらず、小型バスを用いて北区や県北・山形県庄内方面との短絡を狙う豊栄駅発着や、江南・秋葉区や県央方面との短絡を狙う亀田駅(もしくは新津駅)発着など、発着地の需要に対応しながら実証実験を行うのも価値がありそうです。その際、発着バス停での空港利用者向け駐車場設置も成否のポイントになると思います。


【2025年度までの中期的取組として】
前記の資料2によれば、新潟駅高架下交通広場供用(2022年度)後の2025年度までを中期と位置づけ、バスにおいては以下の利便性向上策を図るべきだとしています。
・空港ビル・新潟駅での動線等改良(新潟駅での利便性の高いバス停配置等)
・直行リムジンバスと路線バスの連携(高架下交通広場供用後の運行統合等)
・道路走行環境の改善(交差点等の改良・バス専用レーンの設置等)

このうち、「直行リムジンバスと路線バスの連携」においては、新潟市のBRT・新バスシステムとしても高架下交通広場供用にあわせてバス路線の再編が実施されることになるでしょうから、その一環として実施されるものとみています。
新潟交通は、2012年10月に提出した「BRT第1期導入区間運行事業者選定に向けた当初提案書」において、バス路線再編後の幹線の一つに新潟駅〜物見山〜新潟空港を挙げています。この計画を参考にするなら、運行を統合した場合には現在のエアポートリムジンを速達便として、路線バス【E22】を各停便として運行する可能性があるでしょう。
空港以東の北区松浜方面へは空港で乗換となることがイメージできそうですが、ご存じの通り2015年9月のBRT暫定開業・路線再編時に利用者から相当の反発があったことから、当初計画から多少変更される可能性があると思われます。
https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/doro/kotsu/newsystem/bussystem/BRTkeii/jigyoshasentei/teiansyo_ikenbosyu.html

「道路走行環境の改善」にあたっては、定時運行を可能にする走行環境の確保がカギ。
空港・松浜線自体のグレードアップ(究極形としてはBRT化)を念頭においた道路改良が望まれるのですが、特に交通量の多い国道113号線(東港線)の萬代橋東詰交差点〜万国橋交差点
の間でバス専用レーンの導入が望まれますし、末広橋バス停〜空港入口バス停においては3車線道路を有効活用すべくリバーシブルレーンの導入(これに伴う夕方バスレーンの実施)が望まれます。


【長期的取組として】
資料2によれば、短中期の取組を進めつつ、空港利用者が2020年度までに目標の135 万人を達成した段階、若しくは中期の目標年次(2025年度)を経過した段階で、「利用者ニーズや社会経済の動向(例えば、国における首都圏第三空港の検討状況など)を見極めつつ、軌道系アクセス等の抜本的な改善策について本格的な検討を行うか、関係者で再度検討・意思決定を行う」としています。

この段階で鉄軌道導入を再検討することも意義があるのですが、より安価で新潟市の整備路線と一体化できるBRTも選択肢のひとつに挙げていいように感じます。その際、導入ルートについてもさまざまな案が考えられます。

資料の中で、空港がとりまく将来環境の一つにリンクされているのが2014年8月に策定された「新潟港将来構想」。この構想では、策定から概ね30年後(2044年頃)をめどに佐渡汽船・新日本海フェリーターミナルの新潟空港もしくは臨港埠頭地区への移転案が示されています。
http://www.pref.niigata.lg.jp/kowanseibi/1356792352932.html

また、今年3月に策定された「新潟市立地適正化計画」において、空港・松浜線沿線地域は「居住誘導区域(公共交通の利便性の高いまちなか居住エリア)」に位置づけられました。東・北区内の沿線地域では都市機能誘導区域の設定はないものの、東区山の下地区は長らく旧・中地区の、北区松浜地区は旧・北地区のそれぞれ中心地区であり続けています。
http://www.city.niigata.lg.jp/shisei/tokei/toshikeikaku/masterplans/compactcity_network.html

こうした点を加味しながら、ルート設定を考える必要があるでしょう。
高速走行が可能な専用走行路を設けつつ、佐渡汽船・新日本海フェリーの新ターミナルへの移動アクセスや、東・北区の生活移動需要に十分配慮したルートがまず求められます。
そして周辺地域へのフィーダー路線や近隣拠点間とのハブ&スポーク型路線網の展開、これらの路線とBRTとの結節点(公共・商業・医療施設や集合住宅併設が望ましい)の配置・整備、さらには道路活用方法の見直し(例として松浜橋のバス専用化と一般車のござれや阿賀橋への誘導)やパーク&バスライドの展開など、他モードも巻き込んだ交通政策として、まちづくり政策として行うことも必要と思われます。

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