いよいよ文化祭である。このエピソードでこの作品の評価が固まったと云っても
過言ではない。技術的な成功として会話の描写、発した言葉の直後に本音を
表示する仕組みがある。表面上の普通の会話と、本音部分での罵り方とのギャップが
見事。アニメ版でも字幕を付けて再現していたら面白かっただろう。そしてクライマックスの
屋上シーン。鮮やかにアニメ版の動画が脳内再生される。完全にシンクロした。ここに
小節のアドヴァンテージはないが、続く部室シーンの会話では丁寧な説明が
なされている。あのやりとりの中に、交通事故の一件を含んでいたとは気付かなかった。
成る程、具体的な出来事を下敷きにしている会話ならば、印象もかなり違ってくる。
読んでおいてよかった。ガガガ文庫。
ログインしてコメントを確認・投稿する