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2015年06月24日02:10

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004 おじや☆ダンス 6/

ちろ そんでも、ちっとアタマ冴えた。んじゃね。しゅーっ。

と突然、一瞬で樹上に消える。

ぱっこ ムム、うちの赤んぼより忍者っぽい! ちょっと悔しい。
谷蟆 し、質問。
せんせ 何かね。
谷蟆 あれ、赤んぼじゃないでしょ。
せんせ うむ、正確には胎児だ。
谷蟆 胎児?!
せんせ 胎児だけに…(間。ぱっこぽんこ、落ちついて耳ふさぐ)悪者を退治に行った。

間。

谷蟆 が…。(バッタリ、倒れる)
せんせ あ、君、どうした。
ぱっこ あぶないあぶない。(谷蟆みて)白目むいてる。
ぽんこ 危険物だねー。
せんせ (ふいに)かえる君、よみガエルんだ!
ぱっこぽんこ ぐ…。(倒れる)
せんせ オイオイどうしたんだみんな、ワシひとり、トリのこすなよ。――ご。

せんせ、倒れる。全員倒れて、暗転。
かすかな星あかり。樹上だ。そろそろとちろ、登ってくる。

ちろ ♪血圧低いぞ、いぇいぇいいぇい、冒険くたびれる、いぇいぇいいぇい、と。うーん、見えないなあ。トリメはきついぞ、いぇいぇいいぇい、ビタミン欠乏いぇいぇいいぇい。

都合よく、ぽっかり月が出る。

ちろ お、都合よく、ぽっかり月が出た。サンキュー。…むむむ? 何だあれは。

よく見ると、木の股に人間の全身白骨がある。動いたようだ…!

ちろ あらまっちゃんデベソがちゅうがえり!(と動揺)――ホ、ホネか。あーびっくりした。人間のだよなあ…。
白骨 (パカッと口あく)
ちろ ぎょぎょっっ。お、おどかすなよモウ。やだこの、いじわる、いけず、ツン。
白骨 (無反応)
ちろ 返事くらいしろよ、ツンツン。

と、つつくとしゃれこうべがぽろりと落ちた。ちろ、あわてて「うひゃほへひゃほへひょ」と動転しつつお手玉し、ついに「うわわ」といいながら客席に落とす。

ちろ あ、あーひったまがった…! でもどうしてこんな所に白骨が…あやしいぞ。お?(と何か見つけ)こりゃ…手帳だ。ずいぶん古いな、ぼろぼろだ。何々、ふんふん。んん? 何だこりゃ、ラテン語ばっかり…。ふんふんふん…。え…そうか…。ははあなるほど…、(読みふける)

暗転。ヒューッと落下音、やがてコーンと何かに当たる。スポット入ると、木の下でぽんこが頭かかえ、そばにしゃれこうべ転がって、まだ動いている。

ぽんこ ――あい、痛ダダダ…。イテーよモウ、ホンマに…。(ガイコツ見て、拾い)タ、タイヘンだッ! ちろちゃんが骨に!

みんな起きてくる。

ぱっこ 何だってえ?!
せんせ (木、見上げ)すごい敵がいるのか!
谷蟆 いや、そんなことは聞いてませんが…。
ぽんこ ドースルドースルドースルヨ?!(踊って動揺)
ぱっこ あとを追おう!
せんせ むろんだ。やはり行かせるべきじゃなかった。
ぽんこ ところがその時、う、く、ツツツツ、うー。(苦しそう)
谷蟆 どうしたんです?
ぽんこ どしたンだろ。何でもない、イヤ、何でもある、びっくりびっくんハラ、動きだした。あんまりタマゲタもんで…。あ、いて、て…、
ぱっこ おメエ、それ…いよいよ出てくんじゃないの?
ぽんこ (無理に笑って)えへ? そうかひら? ウツツ。(何か、色っぽい)
せんせ やばいな、こんな時に。
谷蟆 困りましたね。この際だからもう、みんなで揉んでサッサと絞り出しちゃうってのはどうですか。
ぱっこ そう気軽にいかンのよ。初(ウイ)産は時間かかるんだぞ。
谷蟆 ははあ…。
ぽんこ いーよ、先に行ってちょ。待ってッから。(と、額にゾーリのせて寝る)
ぱっこ でも息子に、連れてかなかったってウラまれるぞ。ドースル、せんせ。
せんせ ううむ、待ってくれ。――ぷーこ。ちろは大丈夫だと思うか?
ぷーこ (木の陰で)ま、ああ見えても、運はいい方よ。ガイコツ抜かれたくらいでくたばるようには育ててないし。
せんせ …そうか。そりゃ頼もしい。
ぷーこ 危ない目にあってなんぼの冒険じゃんか。
せんせ よし、それで決まった。――ちょいと荒療治だが、われわれはこの子を取りあげてから追うことにする。準備しろ。
ぱっこ ラジャ!(と、巨大なウサギのぬいぐるみを出してくる)
谷蟆 荒療治って…?

暗転、すぐ明転。木の上。ちろ、読み終わり、手帳をしまう。

ちろ なーるほど、よく分かった。とすると、お姫様が危ないな。ハッ!

シュッと何か鳴り、ちろ、とっさによけた木の幹に、カッと矢が立つ。

ちろ 早速おいでなすったね。(骨、一本拾い)どうせまともなケンカはしないんだろ。かかって来なよ。そら。

シュッ、シュッと続けざまに矢。ちろ、キンコンカンと残らずはたき落とす。

ちろ 終わりかい。じゃあ今度はこっちの番だ。そろーりそろーり。(見当つけて葉叢(ムラ)に骨ふりあげ、ふいにぜんぜん別の葉叢に一撃)カコーン!
声 ぱぎゃっ。
ちろ 壁に耳あり背中に目ありだ。出な。早く。

這うように出てくる、レーヴェル。

レーヴェル あだだ…手加減なしだもんなあ…ブツブツ。
ちろ お互いさまさ。さ、その弓を寄こすんだ。あんたがロクか?
レーヴェル (弓、投げ)ロク? ふん、ロクでもねえ。
ちろ あ、綿貫さんか。
レーヴェル ぎく。(頬っぺ、ゴシゴシ)
ちろ なぜ邪魔をする。
レーヴェル なぜ登ってくるんだ。
ちろ 幽閉された姫君を助けるためだ。
レーヴェル 幽閉? 違う、勝手に下りないんだあの子は。
ちろ どうだか分かるもんか。本人に確かめるよ。
レーヴェル フン。ところで。
ちろ 何がところでだい。
レーヴェル あんた、誰だね?(何か、ゆとりがある)
ちろ そこらへんの名もなき少年さっ。
レーヴェル ほう。見たような顔だがね。
ちろ (気がつき)おまえ…! あの、見世物小屋の綿貫さんか!
レーヴェル イヤ、ちゃんと名がある。レーヴェル・ウントラコントラ・ピョロリンパラリン・マイステラル・バッチグーだ。
ちろ ちょっと違うんじゃないか。
レーヴェル 大体でいいんだ。
ちろ ぷーこ姉ちゃんをよくもひどい目に遭わせたな。
レーヴェル いやいやいや、それも違う違う違ーうのよ。
ちろ 言い訳すんな。クスリでいうこときかせるなんて、卑怯だぞ委員会。
レーヴェル (落ち着いて)そんなら卑怯ついでにいうがね。薬である以上、当然、胎児にも影響があるわけだ。
ちろ 何だって。
レーヴェル 今日は君、どこかぐあい悪くないかね。悪寒がするとか湿疹が出るとか便がゆるいとか狼になるとか。
ちろ 寝起きが悪いよっ。
レーヴェル ははあ、それだ。幻覚にとらわれてるんだ。
ちろ いい加減なこというな。
レーヴェル その証拠に、私がシュッ、というと、

と、カッ、と矢がちろの服を幹に射止める(ようにちろには見える)。

ちろ うッ?
レーヴェル シュッ、シュッ。

カッ、カッ。

ちろ こりゃいったい…。(目、パチクリ)
レーヴェル 見えるだろう君の目には、矢が。そしてお次は蛇がのぼってくるぞ。
ちろ うわわ!

蛇がぞろぞろ上がってきて手に足に巻きつき(そのように見え)、ちろ、木に縛りつけられる。

ちろ うーっ、生ぐさい。いーっ、冷たい! くそ、げ、幻覚のはずだ。蛇がこんなことするはずないッ。
レーヴェル そう思うなら、いいから逃れてごらん。できないだろう? 幻覚だって、信じてしまえば本物と同じなのさ。そして最後は、大キナ真ッ黒イ人サライノ男ガオマエノ口ヲフサグ…!

幹の後ろから大きな手が出て、ちろの口を!

ちろ うーっ、うーっ! う、うう…。(やがて、悶絶)
レーヴェル …ふん、ちょろいもんだ。ご苦労、ミューゼル。
ミューゼル ま。(手の男、幹の後ろから出てくる)
レーヴェル 運んでくれ。
ミューゼル ま。(担ぎ上げる)

暗転。
そのころ、木の下では…「荒療治」が繰りひろげられている。スモークのような夜霧が立ちこめ、ムシロは一層大きく、うねうね動いている。せんせは象の、ぱっこはウサギの、谷蟆はかえるの(つまりもとのままの)ぬいぐるみ姿。せんせはコブシのきいた呪文を唱え、ぱっこと谷蟆は「ぬっほほ、うっほほ、むっほほ」といいながらムシロのまわりを回って踊る。相当にアホらしい。

せんせ なむ弥勒(ミロク)、地の果てェ時の果てまでも、われら脳膜散漫だ、御利益(ヤク)求め、幸(サチ)求め、五六億七(ヒチ)千万の、衆生残らず果つるとも、あちゃらかどんどんすちゃらかちゃん、つらつら歩いて往きます故に、拾うてたもれ地蔵様、導いてたもれ白の猿、加勢してたもれやおよろず、へっつい神にかまど神、ハエ取り神に再生紙、われらのうまくさんまんだ、
ぱっこ谷蟆 われらのうまくさんまんだ、
せんせ あらあらぎっちょんすちゃらかちゃん、
ぱっこ谷蟆 あらあらぎっちょんすちゃらかちゃん、
せんせ (すごいコブシで)すぺえすおぺらは滅びたといわれて久しき末法の、
ぱっこ谷蟆 あ、末法の、
せんせ 浮き世を流るるうたかたの、
ぱっこ谷蟆 あ、うたかたの、
せんせ 月は出た出た月が出た、あんまり煙突が高いので、ぽっかりお月も腰掛けて、
谷蟆 (混乱し)…えーと、
せんせ あ、腰掛けて、あ、ひとやすみ、
ぱっこ谷蟆 あ、ひとやすみ、
せんせ あ、ふたやすみ、
ぱっこ谷蟆 あ、ふたやすみ、
せんせ あ、なかやすみ、
谷蟆 え? あ…(ついていけない)
ぱっこ あ、ずるやすみ、
せんせ あ、盆やすみ、
ぱっこ あ、お休みなはーい、
せんせ あ、紙と墨、
ぱっこ あ、あ、えー、(困って)…あくしでんと、
せんせ あ、戻ろうか?
ぱっこ あ、頼みます、
せんせ われらのうまくさんまんだ、
ぱっこ谷蟆 われらのうまくさんまんだ、
せんせ ちいちいぱっぱちいぱのぱ、
ぱっこ あ、またそれた、
せんせ (戻って)われらのうまくさんまんだ、
ぱっこ谷蟆 われらまことにさんまんだ、
せんせ ひとつきのしょくひが、
ぱっこ谷蟆 さんまんだ、
せんせ うなぎのねどこが、
ぱっこ谷蟆 さんまんだ、
せんせ グアム往復、
ぱっこ谷蟆 さんまんだ、
せんせ おやじの借金、
ぱっこ谷蟆 千万だ、ククー、
せんせ われらのうまくさんまんだ、
ぱっこ谷蟆 あらあらぎっちょんすちゃらかちゃん、
せんせ ねむれよねむれ母のむねに、
ぱっこ谷蟆 寝てる場合やありまへん、
せんせ おきろよおきろ母のケツに、
ぱっこ谷蟆 あ、それ、意味がない、
せんせ 起きねえとはさみでチョン切るぞ、はーやく芽をだせ人の子やい、
ぱっこ谷蟆 はーやく芽をだせ、…
ぱっこ (急に)あ、せんせ、あれあれ。光ってる。
せんせ ほんとだ。静かに。

やっとぼんやり、光りだした。せんせぱっこ、かぶりもの脱ぐ。

ぱっこ ふう。あちいなやっぱ、これ。
谷蟆 (ひとり)じゃ、何で被ってたんだ…?
せんせ コホン。では。(と、がらりと、かなり美しく朗詠する)
 月のゆくゥ、
 山に心をォおくり入れてェ、
 やみィなぁる、あとォォのォ、
 身をォォ、いかにィィィ、せむぅぅ…。

その声に応えるように、ひゅるるる、ひゅー、とムシロ、人魂(ダマ)のごとく宙を舞い、やがてぽこりと顔が出た。人形である。

三人 出たあ…うお?!(尻餅)
顔 や、はみねなして。
ぱっこ 初めまして、ネ。
顔 あは、はにめなして。
ぱっこ ろれつまわらんのね。元気かね?
顔 えへ、まあ、ほちほちれす。いやあ、ほと(外)も、ふらい(暗い)のねー。
ぱっこ 夜っていうの。よ・る。
顔 よ・う。…あーた、ぱっこたん?
ぱっこ ウン、よろしく。
顔 ぽんこ姉たんは?
せんせ (ムシロのすそ、覗き)気絶しよるね。
顔 そーれっか、残念れす。れ、このひろ(人)が…、
ぱっこ せんせ。
顔 あ、ども。
せんせ よろしく頼むよ。
顔 うん。こんやは、するひい(涼しい)ねえー。
ぱっこ 秋だけんね。…何か、ほのぼのしてきたな。
せんせ 君、名前はあるの?
顔 名は、まだない。ふきにふけて。
せんせ 何だって?
ぱっこ 好きにつけて、だって。
顔 へきろーれ(テキトーで)、いいろー。
せんせ うーむ、急にそういわれても。
ぱっこ 分かった。じゃ、たろとちろの弟だから、つろ。
せんせ …つろ? それ、名前か?
ぱっこ 変かな。
せんせ 変だ!
顔 いいお。ほれ(ソレ)にひよう。れ、もひとふは?
三人 もひとつ?
つろ もりほふ。
ぱっこ 何で、もひとつ?
つろ おとーと、おるによっへ。
せんせぱっこ …双子か!

ムシロばらりと落ちて全貌がみえると、もうひとり、端正な雰囲気の少年がいた。人形ともども、たろちろと同じ装束。

弟 やあ初めまして。その弟です。
ぱっこ はりゃあ!
せんせ こりゃあ…メデタイ。
弟 こういう者でございます、今後ともどうぞよろしく。(と、名刺くばる)
せんせ あ、こりゃどうも、痛みいります。(見て)ははあ…、てろさん。
弟 左様で。兄ともども、微力ながらご協力をと思い、出て参ったような次第でございまして。ね、兄さん。
つろ ふい。〔人形の声は、腹話術による〕
せんせ えらく、ご丁寧な性格でいらっしゃいますなあ。なあぱっこ。
ぱっこ ウン、やりにくいな…。
てろ そうですか? や、困ったなハハハ。
つろ ダイニョームダイニョーム、ひ(気)にへんといて。もく(僕)らもねー、もーけん(冒険)、ふき(好き)やけねー。
ぱっこ ま、いいや。よろしくね!
てろ ところで、腹の中からうかがっていた様子では何か危急の場合のようでしたが、一体どういう…?
ぱっこ あ、そうなの! あの、その、何からいったらいいのかな…。お姫様がいるじゃない、かえるがこいつのさあ、塔のあたしらが助けると、取り引きしてさっき帰ってきたら、ガイコツが落っこってガーンて慌てちゃってさあ、木の上に何かちろちゃんとさ、ふらふらしてんで、さっき起きてあたしらが行こうかどうかって、ね、分かってる?
せんせ おまえ、何いってんだ?
てろ つまり、木の上のお姫様を、ちろ兄さんがぐあい悪いにもかかわらず助けに登っていったら、いくら待っても帰ってこないで、かわりにガイコツが落ちてきたんですね?
ぱっこ (驚いて)そう。
みんな ――すごいIQだ!
てろ そんなことないです。
つろ ほんなことないろ。
てろ ねえ兄さん。
つろ はやく、たふけにいくのら。
てろ はい兄さん。(せんせに)この木の上ですか。
せんせ 左様。
てろ ――それにしても大きな木だ。まるでイグドラシルだ。
ぱっこ イグドラ…何?
てろ 北欧神話の宇宙樹です。アスガルドとヨーツンハイム、ニッフェレハイムという三つの世界に根をはった、巨大なトネリコの木です。
ぱっこ なんとかハイムってお菓子屋さん?
てろ いえ、神々のすみかと巨人たちのすみか、そして地から生えたような小人たちのすみかの名前です。
ぱっこ それが…?
てろ いえ、そんなら僕らのこの世界は、三つのどれだろうと思ってね。
ぱっこ はあ、カミとキョジンとコビト…?
つろ てろ。ヨリミチヨリミチ。
てろ あ、ごめん兄さん。(みんなに)すみません、僕どうもトロいところがあって。行きましょう。
せんせ だがちょっと待ってくれ。かえるくん。
谷蟆 くくー?
せんせ 登り口はここだけだよね。
谷蟆 そりゃ、木ですから。
せんせ 敵がいるとしたら、とうぜん真上で待ってるはずだ。
谷蟆 ごもっともです。
せんせ 勢力が同じなら、上にいる者が強い。
谷蟆 そうですな。ハ?
せんせ いやいい、いってみただけだ。
ぱっこ (察して)…返り討ちにあうかもね。
せんせ うむ。
ぱっこ 別にいいよ、あたしは。
せんせ 軽くいうなあ。それは勇気か?
ぱっこ 勇気っつーか、行きがかり上しょうがないじゃん。失くすものァ、もうだいたい失くしたしね。旅にんっぽいからいいよ。実行しよッ。
せんせ よし、決まった。みんな覚悟してくれ。
てろ あの。
せんせ ん。
てろ お見受けしたところあなた、そら、飛べるのでは?
せんせ おうとも。
てろ ひとは運べます?
せんせ ひとりくらいならな。何かアイディアがあるかね、上と下からはさみうちか?
てろ いやあ、孫子によれば、力を分散させないで全員で上から追い落とす方が確実なんですが…。
せんせ そりゃ無理だよ。だいたいこいつ(ぱっこ)が重い。
ぱっこ 失敬な。
てろ 無理でしょうか? 私と兄は、こう見えてもまだ妊娠二〇週ですからふたりあわせても一キロちょっと、それで(谷蟆に)あなたかえるなの?
谷蟆 うぃ、ククー。
てろ かえるの重さなんて、じゃがいも程度です。
せんせ なるほど…。
つろ そら、飛みたあい、飛みたいのー。
てろ はい、兄さん。(せんせに)どうです。
せんせ ――よし、みんな掴まってくれ。
みんな OK!(てんでに掴まる)
せんせ ぱっこ、やっぱむちゃくちゃ重いぞおマエ。
ぱっこ もう! たろの分だってば。
せんせ 行くぞ。
みんな バサバサバサバサバサ…!

飛んでゆく。
塔の上。さき、窓辺でロクに髪を梳いてもらいながら歌う。

♪おぼえていれば
 あかしはいらぬ、と
 ことばをすて呪われたは
 おろかなふたり
 …







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