mixiユーザー(id:9108263)

2014年12月24日15:21

664 view

12月23日  今年最後の立川志らく独演会

12月23日  今年最後の立川志らく独演会  よみうりホール
今年も来ました、よみうりホール独演会。演目は浜野矩随与太郎編と、やっぱり芝浜。
志らく師匠の芝浜は凄かった、普通の熱演では演者が消えて登場人物が動くのですが
今日は演者の志らく師匠が消えず、客席の私以外の客が消えて、私に語りかけてくれたよう

立川志らく  浜野矩随与太郎編
立川志らく  芝浜

立川志らく  浜野矩随与太郎編
与太郎編があることは知ってましたが、始めて聴きました。
与太郎はバカではなく、思い込みが常人と違う人、世間の風潮の染まらず我が道を行く
彫り物の作品感は、常人に理解してもらおうなどとは考えもせず、自分の信じるものを創る
矩随与太郎は、二つのものをくっつける才能が有った。
足を折った馬は殺されるのは可哀想で、三本足でも燭台は立っている。だから馬と燭台を
くっつけて、三本足の馬をこさえた。そして常人に理解を求めず、説明もしない。
おっかさんは、薄々矩随与太郎の才を感じていたのかも知れない。
見事な観音様を彫り上げる、観音様とおっかさんの目がくっついた傑作であった。
矩随与太郎を演じる志らく師匠、饒舌に語るのではなく、言葉の端々で、この裏があるよと。
そんな説明を、地の語りでなく、小僧の定吉に語らせる、いつもの手法が、与太郎とうまく合う

何回も聞いていて、聞き漏らした、おっかさんが死んでしまう理由、やっと心に残りました。
矩随が心配なくなったので、父親に報告に行く、そうかそれなら穏やかな死に顔なんですね。

立川志らく  芝浜
リクエストの多い演目をやると告知されていて、ダブルスコアで芝浜だったそうです。
ちなみに2位は中村仲蔵、3位は富久、らくだ、と続くのです、これじゃ大ネタかぶりなので
一票しか入らない噺は、今戸の狐、持ちネタに無いよ、やっぱり芝浜でしょう。
談志家元のように、全編アドリブじゃ出来ないけど、志らく芝浜をと、これが素晴らしかった
今まで聴いた芝浜のベスト、いや聴いた落語のベストかも知れない。志らく師匠が消えず、
客席の私以外の客が消えて、私に語りかけてくれたよう、やっぱり落語は演者だ。
三年後の大晦日、金を出す、おかみさん。師匠は、おかみさんに何も語らせず出す。
最後まで話しを聞いて、などの、条件を言わない、おかみさんが可愛いい。
夢じゃないと聞いた勝公、おかみさんを張り倒す、威勢の良い江戸っ子の魚屋ならそうだろう
泣きながら話す、おかみさん。亭主を助けたい一心で大家さんの策に乗る、
助けたい一心だった、と得心した勝公、助かった礼を言う、江戸っ子はこうでなくっちゃ
おちついたおかみさん、魚屋のあなたが好き、離縁しないでね。
勝公思いのおかみさんは、下げ渡された金に困って、ひとり悩んでいたんだろうな。
いっそ無くなりゃいい、畳に埋め込もうか、芝の海に捨てようか、
捨てたら拾った人が家と同じ悩みを抱えてしまう、って、ほんとに優しく可愛い、おかみさん。
こんな女房がいたら良いなが、志らく芝浜の主題なのかもしれない。

5 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する