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2024年02月14日23:32

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剣客商売七 隠れ箕

を読んだ。池波正太郎著
春愁
 小兵衛のところに訪ねてきた刀屋の嶋屋孫助が、後藤角之助を見かけたと告げる。
それは12年前に小兵衛が開いていた道場にちょくちょく顔を出していたが、小兵衛のお気に入りの門人である笠井駒太郎を殺害して姿を消していたのだ。実はそれには当時小兵衛の道場の近くにあった別の道場が関わっており・・・。

 ほろ苦い結末。
たまにこういうのも挟まるので深みが出る。

徳どん、逃げろ
 傘屋の徳次郎は今夜も賭場で仕事半分遊び半分に過ごしていたが、彼に話しかけてきたのはなんと盗人で、徳次郎も盗人だと思いこんで一緒に仕事をしようと持ちかけてきた。
しかも押し入ろうとしているのはどうも小兵衛の家らしい・・・。

 ドタバタ喜劇になるかと思いきや、盗人八郎吾がいい人すぎて感動作に(汗)
徳次郎のキャラも厚みが出てきていい感じ。
ちうかそこでいきなり出てくるか大治郎(笑)

隠れ箕
 大治郎が道中遭遇したのは3人の侍に試し斬りされそうになっていた老僧で、大治郎は2年前にその僧に会ったことがあるのを思い出す。
その時老人は盲た老侍と旅をしていた。
話を聞いた小兵衛は老僧を襲っていた侍3人の所在を突き止め、彼らが口封じのために再び老僧を襲おうとしていることを知る・・・。

 珍しく小兵衛の計画に穴が。
一応ミスもする人間だったんだと少し安心。
それにしても最後の盲た老侍の見せ場のかっこいいことよ。

梅雨の柚の花
 新しく大治郎の道場に入門した笹野新五郎は、なかなか見どころのある若者だった。
彼はある男への復讐のために腕を磨いていたのだが、やがて剣術そのものに集中するようになる。
ところで彼は大五郎の道場に入門する少し前まで酒浸りだったのだが、彼が一念奮起して修行に打ち込み始めたのを見て心配になった者たちがいた。
そやつらはかつての新五郎の師匠を闇討ちで殺害していたのだ・・・。

 新五郎の殺陣がこれまたかっこいい。
この先が楽しみなキャラクターである。

大江戸ゆばり組
 いきなりスーパーアサシンぶりを発揮する小兵衛(汗)
その後おはるとデートする小兵衛(笑)
鰻の辻売りの又六と会っていろいろな話を聞くが、その中に悪質な詐欺が行われているらしい話があり、それの次の標的は小兵衛の古い友人で・・・。

 小兵衛とおはるのデートがいい感じすぎて、そのまま楽しくデートして終わりでもよかったくらい(笑)
後半に出てくる絵師の川野玉栄と小兵衛が意気投合するところはなんだか「モルグ街の殺人事件」の2人みたいだった(笑)

越後屋騒ぎ
 金貸し小兵衛に遺した屋敷に住んでいる植村友之助と為七の2人に会いに行き、元気で楽しく暮らしているのを見て喜ぶ小兵衛。
その帰りに見たのは小さな子供が誘拐されかかっているところだった。
もちろんそれは小兵衛が防ぐが、子供の親である越後屋の主の対応がどうもおかしく、弥七と文蔵に探らせるが・・・。

 ミステリー風味で進む前半と、いきなり結末がきて種明かしがされる展開は少々唐突で、シリーズ初のイマイチな話という印象。
屋敷の2人と弥七と文蔵は実にいい感じなのでなんだか惜しい。

決闘・高田の馬場
 大五郎が道で見かけたのはかつての小兵衛の道場の腕利きの吉村弥惣治だったが、彼はなにかをすごく悩んでいるらしく、大五郎にも気づかない有様だった。
気になった大五郎が小兵衛に相談し、小兵衛は書物問屋の主人から興味深い話を聞く。

 ドタバタ(笑)
ちうか家老2人がうまく収めていたのに、それを知らずに関係者全員を◯◯する秋山親子がそんなことは最後まで知らないままというのがあまりにもドタバタすぎる(笑)

 完全に本に任せきってただただ楽しむだけという読み方ができるのは、今のところこのシリーズしか知らない。
なんの心配もなく、ただほんとに楽しむだけ。
今回初めてちょっと構成に疑問を感じる話もあったが、それでもただ楽しむというのが壊れるようなほどではない。
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