もうすっかり夜が明けているのに
分厚いカーテンを閉め切ったままにして
陽の光が届かないと嘆くように
心を閉ざしたまま
たった独りきりで
自分の居場所がないと嘆いている
バカげているようで
そんなものなのではなかろうか
人はもっとも愚鈍な生き物となりうる
では人の尊さは何か
他の生き物と違う誉れは何か
それは閉め切ったカーテンを
誰かから告げられることで
開くことが許されているということでは
なかろうか
カーテンを開ければいいと告げることは
人にとってはたやすいこと
告げられてカーテンを開くことは
人にとってはたやすいこと
どうすれば陽の光を浴びられるか分かっていて
その為に何をすればよいかが分かっている
その事実が人の尊さであり誉れである
そうして告げる人は天啓の使いとなり
告げられた人は希望の光を手に入れる
単純なようで簡単なようで
独りきりで閉じこもっていては気づかない
気づかないから闇を彷徨い続ける
誰もが告げる人になりえて
誰もが希望の光を手にする人になりえる
その事実が人の尊さであり誉れである
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