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2023年01月20日07:20

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クルマ0359 どこにエンジンが?(VW SP)

1970年代の前半、VW(フォルクスワーゲン)のブラジル法人、フォルクスワーゲン・ド・ブラジルでは、ドイツ本国とは異なる独自のクルマであるSPを作りました。これがなかなかイイんです。アシに最適かも。
"SP"は南半球最大の都市サンパウロ(ブラジルですからポルトガル語でSão Pauloと表記します)の頭文字です。

1969年、フォルクスワーゲン・ド・ブラジルでは、トップ(支社長)だったRudolf Leiding(ルドルフ・ライディング、後にドイツ本社の社長に)の号令の下、新しいスポーツカーの開発がスタートしました。その結果1971年に完成したのがSPでした。
タイプ3バリアント(バン)のシャシーを使用していたSP、当初は空冷水平対向4気筒OHV1584cc(65馬力)エンジンを搭載していました。しかしスポーツカーなのに非力で加速が悪く、最高速度も149km/hに過ぎず不評でした。そのためにわずか84台生産しただけで1679cc(75馬力)を積んだSP2に進化しました。外観などは同じでエンジンのみ異なります。

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https://images.app.goo.gl/6kTndB3vgMQ4zQ239

https://images.app.goo.gl/L2dMPA7LAfECqaz99

https://images.app.goo.gl/gpmDyET9u1PXDAMx5

https://images.app.goo.gl/zRhT3BH43CYg33eq8

それでも不満が出たため、パサートの水冷直列4気筒1.8リットル(100馬力)を搭載したSP3も試作されたようです。でもパサートと違ってSPはリヤエンジンですから、ラジエターの設置などで問題が出たのでしょう、生産には至りませんでした。

SPはハッチバック・ボディの2座スポーツ・クーペです。ベースのタイプ3バリアントが、リヤエンジンながらバンのラゲッジ・スペースを利用できるようにエンジンを床下に押し込んでいたのと同様に、テールゲートを開けるといささか高めの床が。

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フロントのラゲッジ・スペースは大きくありません。スペアタイヤの奥に背の低いモノが少し入るだけ。

https://images.app.goo.gl/iZ78gABXtGiY8j5a8

でも前を開けても後を開けても荷物を積めます。「どこにエンジンあんねん?」です。このタップリとした積載量は大きな魅力です。

ホイールベース2400・全長4212・全幅1610・全高1158mmの車体はたいへん魅力的なのですが、スチール製ボディを纏う車重は1135kgもあり、エンジン排気量が増したSP2になってもバワー不足は否めず最高速度161km/hに留まり、SPは"Sem Potência(ポルトガル語で「無馬力」の意)"と揶揄されました。

前述のように最初のSPは僅か84台しか生産されませんでしたが、後継のSP2は1972〜76年に10205台生産され、29,700 クルゼイロ(当時のブラジル通貨)でブラジルでのみ販売されました。やがてその存在が知られるにつれ、世界中のVWファン憧れの1台になっていきます。確かに普段遣いには適していますね、チューニング・パーツも含め部品の心配はありませんし。
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