コロナ禍が起きる前、負動産という言葉が飛び交った。たぶん朝日新聞の造語だと記憶しているが、田舎の実家など使う当てのない不動産を指す言葉だ。それでも多少の固定資産税を払い続けなければならない。ならばタダで手放してもいいという人が現れたくらいで、要は田舎の土地建物がお荷物になっているケースが多いのだ。
私も住んでいる地域でも、空き家は10軒近くある。それを買ったり借りたりするという動きは皆無に近く、10年以上も空き家になっているものも少なくない。それを何とかしようとする動きがないわけではないが、活動に実効性が伴っていないのか、そもそも利用するニーズがないのか、変化はほとんどないのが実態である。
一方で、都会や有名観光地でバブルに近い現象が起きていることは昨日に述べた。同じ日本なのに、バブルと負動産が同時進行するのはなぜなのか。いろいろ理由はあるが、やはりコロナ禍以降の格差が関係しているような気がする。テレワークなどコロナ禍で生活にゆとりができた人たちは、駅近か便利な郊外を目指す。それ以外の地方では、転出超過に拍車がかかっているのだ。国は全国展開で地方創生に取り組んでいるが、その効果はまだ見えてこない。
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