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2022年04月02日10:19

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投手の負担

気が付いたら春の選抜高校野球も終わってしまったが、何か今年の大会は面白くなかった。大阪桐蔭の強さがぶっちぎりだったこともあるのだけれど、1回戦から投手の完投が目立ったからだ。それについて朝日新聞の編集委員が2度にわたって「シーズン初めに、ここまで1人の投手に負担をかけていいものだろうか」と問題提起。決勝までそれが後を引く展開になった。

準決勝の国学院久我山と近江の対決は、まさにそれを象徴する対照的な投手起用になった。久我山の監督はエースを投げさせないと決めていたのに対し、近江の監督はエースで4番で主将の山田選手を使い続ける。しかも、昨秋に肘の故障という過去があり、この試合でも5回に左足首に骨折を疑われるようなデッドボールを受けたにもかかわらずだ。「行かせてください」と答えたと監督は弁明しているが、本人が監督に問われればそう答えるのは当たり前だろう。

高校野球連盟が投手の障害予防に取り組み初めて約30年。1週間の球数制限やタイブレーク制度の導入など、確実に改善は進んできた。近江の監督は私と同じ年齢で決勝終了後も「山田のチームだから」という言葉が出てくるくらいなので、昔ながらの価値観から抜け出せなかったようにも見えるが、私が監督なら準決勝で負けたとしても自分の責任で山田選手を降板させたと思う。甲子園の出場を賭けた試合で絶対エースの佐々木を投げさせなかった大船渡高校の監督、大谷の10勝目を賭けた試合に投げさせなかったエンゼルスの監督など、似たような事例はいくつもある。むしろ「これ以上チームに迷惑をかけられない」と自ら降板した山田選手が輝いて見えた。


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