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2022年03月04日05:37

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社会主義国家の経済

ロシアの国庫は負債王国日本などに比べたら極めてクリーン。国家の主義やイデオロギーに関係なく、一国で閉じた経済体制を確立するのはまず不可能。世界で巧みな経済活動をしなければ生き延びられない。それは社会主義を唱える国も全く同様。

ドイツで壁が開いた後、偶然旧東独のオフィサーと呼ばれるエリート集団と知り合いになった。彼らの多くは海外で経済アタッシェとして外交官レベルで経済活動をしていた連中で、西側の経済システムやビジネスを熟知していた。東独で作られた製品を売るとかよりも、派遣されていた現地でビジネスを展開していた。ある人はカナダで森林の売買をしていたり、またある人は英国で羊毛や織物を扱ったりと、言ってみれば総合商社のような活動をしていた。彼らが様々なビジネスで外貨を獲得して東独の経済を支えていたのだが、ほとんどの東独国民はそういう事を知らなかった。日本人でも商社マンとかならそういった連中と絡んだ経験があるかもしれない。彼らは壁が崩壊した後も、連帯感が強く、いわゆるシュタジ専用のビルにオフィスを持ち、地下のサウナで歓談・会議をしてビジネスを続けていたが、中には運悪く?東独時代の違法行為で警察に引っ張られる人もいた。

外貨獲得と言えば、そういったビジネスエリート以外にも思い出すのが外国人ビジネスマン相手の高級娼婦。ベルリン・フリードリッヒ駅前にあった高級ホテルのロビーには毛皮を羽織った美しい女性達がスツールに座ってカクテルを飲んで客待ちしていた。彼女達は待遇で言えば国家公務員というところで、メッセや仕事で訪れる西側の企業マン達の懐を狙うだけでなく、あわよくば彼らから企業秘密などを聞き出そうという半分スパイのような高度な仕事をしていた。僕がそのホテルに泊まった時は(女性同伴だったので)フロントマンに「貴方には御用が無いかとは存じますが、もし何かご入用であれば何なりとお申し付け下さい」と(彼女達の方を目で示して)言われた。実際にこういうのにひっかかって溺れてしまい(何せ相手はプロで凄い美人ですからね)企業秘密を渡したりして破滅した人間も実際に結構いたらしい。
これは経済とは関係ないが、、冷戦時代にも西ドイツには共産党が存在していて(政党としては認可されていなかった、というか日本とは異なり共産党は違法・違憲ということになっていた)、共産主義シンパが結構な数居た。彼らの中にはソ連に「留学」する人達もいて、彼らは非常に優遇されていた。僕の知り合いの中にもひとり、3年間モスクワに「留学」していた人がいたが、留学といっても大学に行くとかでは全くなくて、豪華なアパートを与えられ、美しい女性の個人教授を受けていた。この女性は勿論下の世話もするんだが、いってみれば洗脳のプロだ。そして半年に一度位キューバに飛んで国際共産主義コングレスとかに参加する、それ以外はまぁ遊んで暮らしているようなもの。が、彼らは数年経てば何か役割を与えられて母国へと戻る事になる。そうするとドイツの公安が待っているんだが、それもまた巧くかわす方法を伝授されているらしい。
という具合に、ソ連を始めとした社会主義国家は西側の事情に極めて精通していた、という話でした。
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