静岡県知事選、川勝平太氏、自民推薦の岩井候補を破る！というニュースにほっとしている。自民が破れたのもいいけどこれで、リニアが遠のいただろうし。川勝氏は正論をきちんという人だと思ってる。
最近「７時間半」(獅子文六 筑摩書房)という１９６０年に書かれた小説を楽しく読んだ。昔のうまい小説家の“通俗小説”はただ面白い。人を楽しませる技術があるからね。
リニアとは真逆の意味が、７時間半というタイトルにはある。これは当時の東海道本線特急の、東京と大阪にかかる所要時間です。前のオリンピック頃現れた夢の超特急ヒカリ号がこの半分の３時間強くらいだったかな。
７時間半、大阪につくまで朝に東京を発って、昼夜二回車中にあって食事をとることができる。これが、旅というものだった。物語は、食堂車で働く庶民的な男女のある日の７時間半のてんやわんやを描いて、昔の旅を味わいながら楽しめる趣向です。
僕は、時代的にはいわゆるブルートレインを少しだけ知ってる。物語に出てくるのは特急「ちどり」で、時速七十何�舛箸いΔ�らいで、ひかり号の三分の一でしかない。リニアはゼロ戦なみの５００�前幣紊世�ら、その二倍以上速い。飛行機がある時代に何の意味があるんだろ。
「ちどり」は予約で洋食のフルコースが二回食べられる。“定食”という言い方のクラシックな響き。チャイムが鳴って、車内放送される。ございます口調に覚えがある。
僕は「さくら」で一回経験している。思いついたけど何かとバカにされる、日本人の洋食作法。フォークの背にご飯をペタペタ乗せる、アレはこんな場所で生まれたのかも。ゆったりしてて、庶民は精一杯きどってて、それもいいではないですかと僕は思ってる。
さくらに実際に乗ったのは上京してからのことで４０年近く以前。すでに電化されてたけど、たしかフルコースはあった。チャンポンもカレーもあったと思うけど。
もっと昔。母の実家に行った時とか、博多に行った時だから長崎本線とか鹿児島本線。ブルートレインは蒸気機関車でけん引してた。
「７時間半」はタイトルは忘れたけど、寅さんになる前の渥美清主演で映画化されてたと思う。オリエント急行殺人事件に匹敵するとは言わんけど、面白かったはず。そういえば静岡に空港をつくるって話もあった。川勝知事はもちろんそんなバカは許さないと思う。
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