『文芸別冊 星野之宣』
御馴染み河出書房新書のムックシリーズだけれども今回は満を持して、という感じで星野之宣特集。ロングインタビューとか、他の漫画家のトリビュートなどは当然としても実に読み応えのあるボリューム。
しかし、今回のムックではとんでもない掲載が3つあった。まず盟友諸星大二郎との合作漫画「BLACK vs WHITE 稗田礼次郎対宗像教授」のギャグ漫画。そしてレア作品「環礁にて」。なぜこの作品がレアかというと、原稿が出版社から返却されずに紛失していたと思ったらネットオークションに出ていて、1ページずつなら売る、という売主を説得して全ページ買い戻したファンの男性が星野氏に返却したという代物。いや、すごいなあ、この辺りの漫画界の闇があるのだろうなあ。誰かにもっと調べて欲しいものだ。
そしてなによりも仰天したのが星野之宣氏が13歳のときに描いたというオリジナルの『タイムトンネル』の漫画。僕のフェイバリットのシリーズだけに冷徹な目で見たけれども、まさに星野流の1エピソードとして完結しているではないか。これを13歳の時に描いたは本当に凄い。
主要作品の解説や星野作品生物図鑑など読み応えのある1冊。
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