町を歩いてて、おじいちゃんかおばあちゃんを見て、すれ違った後に、なんだか見覚えのある顔だなーと思うことがある。あなた誰ですか?なんて聞くわけにもいかない。なかなか思い出せなくて、ふっと数日後に「ああそうだ」と思い当たるなんてことがある。
とうになくなった定食屋さんのおばさんがおばあちゃんになっていたり、ご主人がなくなって閉店したとんかつ屋の女将さんのさみしそうな顔だったり、けっこうそういうことがある。お店の客のさんざめきとか、若かったおばさんの声とか温かいかみそ汁の臭いとかよみがえってくる。俺も年取ったなー、とほほ。
どうしても思い出せなかった人がいて、その人は、確か学生向けのお安い天ぷら屋さんもやってたんだ。よくわかんないけど閉店した後、古本屋になり少し年取った同じ人がレジに座ってたりした。成り行きでなんかなるようになっていった生き方なのか。のんびりした雰囲気が。うらやましいような気もする。その後見ないけど、今もどこかで気楽に生きてりゃいい。
こういうセンチメンタルって大事だと思いません。とんかつ屋の女将さんはのちにまた会って声をかけすこし話したら「アタシたちが思ってた以上にお客さんから好いていただいて、本当にありがとうございます」なんて頭下げられた。
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