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2019年12月28日23:03

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”ルーツ”だけあって 波多野伶奈さん@赤坂12/21(舞台 カタロゴス 「青」についての短編集)

十八番ともいえる立ち居振る舞いは、この舞台でも存分に発揮されていたようなぴかぴか(新しい)
まだまだこれからのひとと思いますので、いまからこんなふうに一定の切り口を中心に書いてしまうのもどうかとは思うのですが、ともあれ、やっぱりこのひとらしいなとウインク

ということで、当日記に”ぶたい”が入り始めて1年余り。この日12月21日は、当日記史上初めて、”ぶたい”を2か所リレーしての観覧であります。その2か所目は、波多野伶奈さんご出演のこちらの演題。

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この日の昼間の川口知夏さんと同じく、当日記では6月の「いざ、生徒総会」以来であり、かつ来月の再演にもご出演とあって、なんだか来月向けの予習シリーズ…っぽいかなるんるん


赤坂という高級繁華街の中の劇場だけあって、昼間の会場だった小規模ギャラリーとはまた違った高揚感があります。客層が結構幅広く、特定の演者さんのファンのみならず、この劇団さん(5454(ゴシゴシ)と書いて”ランドリー”と読ませます)のファンもいる感じ。いずれにしても、伶奈さんご本人が役者さんになられるキーポイントの一つという劇団さんへのご出演。ルーツといえる場所という意味からも、なにか華やかな雰囲気を感じ取れますぴかぴか(新しい)


お題のテーマは「青」。3つの「青」に関するエピソードを、もう一つの演題がつないでいきます。公演パンフレットには4演目ありますが、実際には3演目+これらをつなぐエピソード…という構成です。


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このような、シンプルな一方で、一段高い部分が斜めにせり出しているところがあるセットに、まずは先生と生徒と思しき衣装で、3人が登場してきます。


「コールドベイビーズ」

人口減少+高齢化が叫ばれる日本の、ひょっとすると本当の姿になるかもしれない光景…。人工子宮なるものが開発され、お父さんやお母さんを見ないまま生まれてきた子供たちが生活している施設として、まずこのセットが生きます。先生役は、いわば親代わり。そしてそれぞれ違うように育てられてきた子供が2人。そのうちの紫亜(しあ)という女の子を、伶奈さんが演じています。もう一人の男の子は亜青(あせい)。
ある種対照的なこの2人。亜青くんは理屈から先に教えられたと思われるふるまいを貫きます。先生とも紫亜とも、会話は字面通り。頭脳明晰ではあると思うのですが、どうもかみ合いませんー(長音記号1)
一方、紫亜ちゃんは、人間の心の動きに興味津々なふるまいをしていきます。外の世界を垣間見ることができる本を持った紫亜は、そこから人間らしさを学んでいきます本。実に楽しそうに演じる伶奈さんが、ここでもやっぱりはまり役だ!とひとめで思ってしまいます目がハート


3演目のエピソードは、おそらくは紫亜が本の中で出会ったであろう、3つの物語本

ずっと理想の男性が探し続ける三十路の女性、一美が、とある事情で目の前に現れたイケメンな韓国人留学生との間で、恋をしていく物語ぴかぴか(新しい)
まわりの女友達が次々と”お相手”を見つけたり、もう子育てに突入していたりと、次第に焦る要素が増えてきていた一美。最初はいぶかしみながら…だった留学生とのやり取りが、次第に温かみを帯びたものに変わり、最後には再会の約束を交わしていきます。結ばれる…とまでは踏み込んではいませんが、いずれにしてもあたたかな恋のお話。留学生役は、実際に韓国のひと。いかにもイケメンがやりそうな仕草でくすっと笑わせてくれるのも、いいところですあっかんべー


引きこもり問題と、自分の結婚との間で葛藤する女子、翔子の姿を描いた物語。
実家でひきこもるお兄さんの所に、婚約者を連れてきた翔子。婚約者とですから、当然2人での結婚生活をスタートさせたいところ。
しかし、この婚約者、”お兄さんを含めた3人家族”で住もうと主張します。翔子はもちろんですが、当然お兄さんも戸惑うわけです。声を荒げるシーンも次第に目立ち、やはりというか、これも現代ではしばしば起こりうる光景を描いていますぴかぴか(新しい)


そして、The・青春exclamation ×2と言えそうな、バドミントンサークルの女子大生5人の人間模様を描いた物語。
サークルといっても、いわゆる体育会系とは全く雰囲気が違う、おしゃべりばかりのメンバーたち。サークル名が「ビギナー♀」と、まさ直訳。しかし、3年生のはなが、就活へと入っていく前に、「バドミントンをやっていた」ことを心にとどめるべく、大会への挑戦を模索します。あまりに急進的過ぎたのか、仲良しだったはずの5人は、その友情が崩壊寸前という危機に見舞われますが、最も信頼している奈津子にも助けられ、再び5人での結束を取り戻していきますぴかぴか(新しい)
5人の仲間には、ちょっとおっちょこちょいな子がいたり、ビンボーなんです…とわけありげなひとがいたりもしますが、5人5様の振る舞いもみものです手(チョキ)


それぞれのエピソードは、おそらくは、紫亜が亜青に話したであろう物語。紫亜ちゃんはこれを楽しそうに、しかしすこし影がありげなところを残しながら亜青くんに語ったのだろうと。恋人、家族、そして友達が織りなす物語。想像力豊かな紫亜ちゃんは、施設で育ってきていたとしても、ちゃんとわかっていたのでしょう電球
しかし、そういうことを自然に教えてくれる両親という存在がいない環境。そういったことを「教えられてこなかった」亜青くんには、なかなか理解できなかったようです。いや、目の前の紫亜ちゃんだけが、そういう存在だったのかもしれません。


すべてのエビソードについて語り終わったあと、紫亜はすでにこの世から姿を消してしまっていました。
残された先生と亜青くん。先生に「生きていればいい」と突き放されてしまった亜青くんは、最後、自らを傷つけてしまうように、悶えながらのラストを迎えます涙。どうすればいいんだろう、という葛藤をのこしたままに。。。最後の最後で息をのむ展開となって終わっていく、広い意味で切ない思いを感じることになりました冷や汗


紫亜ちゃんを演じた伶奈さんは、きれいなだけでなく、やはり透明感を持った存在。
しかし、これまでとちょこっと違うかなと思うのが、誰かに与えるものが確実に増えてきているかと。儚げなところばかりではなく、この舞台では、そうなってしまう前に、ちゃんと主導権を握って(まぁ、亜青くんに”伝わらない”という葛藤はありますが)存在感を示しています指でOK。ご本人の動きが少ないだけに、ちょっとしたしぐさで、目の前で展開されたそれぞれのストーリーの空気感を亜青くんに伝える…。このひとそのものが雄弁に語るようでもありました。


もっとも、伶奈さん、バドミントンの選手姿という別のお姿でもご登場。チームメイト?のちょい派手なおばさま??に圧倒され気味みたいでしたが、ここでは掛け値なしで楽しい雰囲気。全く違う味付け…のこのひとも、また面白味があります。

終演後にいろいろお尋ねしてみると、「え〜」とまだまだやり足りないことがたくさんある感じのようでした。
当日記風に言うと、”透明感”の文字を使わずにこのひとの魅力を雄弁に書くことができたら、またひとつ進化したことになるのでしょう。でも、確実にその瞬間に遭遇するときは近づいているように思えましたウインク

物語としても、この日の夜は考えさせられる終わり方。いや、純粋に楽しむ+大いに考えさせる…の繰り返しだったような。「青」というキーワードで結んでいくストーリー。”アオハル”でもあり”ピュア”でもある”青”だったような気がします。

ありがとうございましたぁわーい(嬉しい顔)
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