守谷二郎に行く道すがら
「こんなトコにも鮨屋があるんだ」と気にもせず、何年も通り過ぎていた
この日、たまたま店の前で信号待ちとなり、観るともなしに眺めていると
今年の四月末で閉店の貼り紙(閑店に見える)
ならば、一度くらいはお邪魔するかと、後日、暖簾をくぐった次第
「らっしゃいまし」と小柄な大将
「キャンキャンキャン!」チワワ君のお出迎え
商売ッ気のない女将さんにちらしを注文する
午後1時を過ぎていたが、「閑店」どころか、店内は満席
大将は忙しくカウンターのマダム連に寿司を握る
「こりゃ大分待つかな?」覚悟を決めると
意外にも早くちらしが提供された
マダム連のおしゃべりの合間に拵えていたのだ
プロだ
ちらし¥900
最近、ちらしを食べ歩くようになって初めて気づいたが
鮨屋のちらしと海鮮居酒屋のちらしは明らかに違う
なんというか、鮨屋のちらしは「鮨」、居酒屋のちらしは「丼」
これは正しく鮨屋のちらし
丼を観やると、海鮮ものと玉子とカマボコが載る
奇をてらう事のない正統派のネタ
ショウガは?大葉は?
食べ進んで分かったが
飯の上に刻まれたショウガと大葉が軽く敷き詰められていた
こういう細工が嬉しい
着物は観えない裏地に凝る
粋だねえ
もっと早くに来てれば良かった、とは思わないが
閉店までにあと一回はお邪魔しよう、と思った
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