『ザ・ボルトー金庫強奪』
<ストーリー>
センチュリオン信託銀行を襲った男女4人の強盗団。銀行員を人質にして金庫室を開けるが、そこには現金は僅かしかなかった。しかし、支配人が地下金庫に600万ドルの現金が保管されていると言う・・・
<コメント>
まあ、普通こういう発端だったら警察との交渉を中心としたクライムアクションになると思うのだが、中盤からの展開はまさに予想の斜め上と言える。要するに途中からスーパーナチュラル系のホラーとなるのである。
ところが、これがあまり怖くない。なぜかというと銀行強盗の野卑な男たちが亡霊に襲われて困惑してもどっちもどっち感があるのだ。しかも恐怖描写もあまり怖くない。画面が暗くてイマイチ何が起こっているか判らないのはこういったホラーの常套手段ではあるのだが、それでも一瞬だけショッキングなシーンを挟み込むものなのに、予算がないのかそういったシーンもあまりない。
ヒロインと支配人との駆引きと交流が見せ場でもあるのだけれども、引っ張りすぎの演出のせいでイマイチ盛り上がらない。
一応クライマックスは地下通路での亡霊たちとの戦いということになるのだろうけれども、実はこの銀行の地下にいる亡霊というのがかつての強盗事件の被害者であり、果たして人間に悪意を持っているのかどうかが判らないので盛り上がりに欠ける。そしてもっとも邪悪なはずの“仮面の男”も最後の方でちょっと姿を現すだけでは恐怖があまり伝わらない。シナリオの段階で地上では強盗団と警察と人質達の、地下では金庫を狙う強盗と地下室の亡霊たちと仮面の男の、それぞれの三すくみ状態を描けばサスペンスが盛り上がると思うのだけれども。
ラストシーンでいきなり現れる仮面の男に至っては「で、結局何がしたかったの?」と問い詰めたくなってしまった。
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