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2019年03月04日17:20
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廃止に撤退に延伸に、新潟県内のバス路線
新年度に入る4月を前後して、新潟県内でも各社バス路線や各自治体のコミュニティバス、そして住民バスなどでダイヤ改正が実施されます。
先回まで、3月16日実施の新潟交通について触れたのですが、今回はここ最近になって発表あるいは報道されたものをまとめてみます。
まずは越後交通。
見附･栃尾地区のローカル4路線を9月末限りで廃止する方針であることが報道されています。
対象となるのは以下の路線です。
・上見附車庫〜下塩線(全区間)
・栃尾〜二日町〜葎谷･入塩川線(熊袋経由を人面･下塩経由に変更か？)
・栃尾〜軽井沢線(荷頃農協前〜軽井沢の間)
・栃尾〜半蔵金･新山線(荷頃農協前〜半蔵金･新山の間)
新潟日報の報道によると、越後交通から廃止の理由に挙げられたのが、利用者の減少に伴う採算悪化と運転士不足。特に長岡市栃尾地区の山間部では2004年の中越地震以降、過疎化による人口減少が加速しております。このうち廃止区間の一つである半蔵金集落では、発災直前に約200人いた住民が2年後にほぼ半減。昨春は42世帯71人にまで激減しています。半蔵金･新山線も1便平均の乗客数が1.4人、末端部ではそれ以下で、市の補助金を投じてもなお赤字という厳しい状況です。ダイヤも2000年度は4.5往復だったのが、今年度は平日3往復･土休2往復。
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2月に見附市と栃尾地区で沿線集落の区長らを対象に説明会が開催。
見附市はデマンドタクシーや｢地域コミュニティ｣への貸与車両(ワゴン車)を活用した定期運行などを念頭に、廃止後の交通手段について住民と協議する意向を示しました。長岡市でも、10月からデマンドタクシーの実証実験を1年半実施する方針です。
(画像は、熊袋経由区間の廃止が見込まれる栃尾〜二日町〜葎谷線)
続いては、新潟交通佐渡。
2月21日開催の佐渡市地域公共交通活性化協議会において、同社バス路線の来年度運行計画(4月1日実施)が承認されております。
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新潟日報の報道によると、東海岸線の両津〜多田系統を赤泊埠頭まで延伸。
5月1日付で廃止となる佐渡汽船の両泊航路(既に今年度の運航は終了)の代替対応で、両津発の便は多田以降への乗客がいなければ多田までの運行となります。
また、赤泊地区から国仲方面へのアクセス改善を図るべく、前浜線の赤泊〜多田系統を1往復新設し岩首線との連携が図られます。
このほか、宿根木線と前浜線の一部ダイヤでは、使用車両はバスからジャンボタクシーに切り替え。また小南線では両津港佐渡汽船発の1本が削減され、小木発1本の片道のみとなります。
(画像は、両津発の便が削減される予定の小南線)
今度は新潟交通観光バス。
同社の京ヶ瀬営業所が現在運行している秋葉区内の2路線について、8月をめどに他の運行事業者へと引き継がれる方向で進捗していることが明らかになりました。
これは今月1日に、2路線運行の補助事業者選定に係る公募型プロポーザル(提案競技)の実施を新潟市が発表したことによるもので、対象となるのは以下の路線です。
金津線【SW6】 新津駅〜朝日〜金津
下新線【SK2】 新津駅〜大安寺本村〜下新
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実施要綱によると、業務概要について｢現在、新潟交通観光バス�蠅�運行する当該ルートについて、バス運転手不足及び利用状況を検討した結果、大型バスからジャンボタクシー車両等を使用した交通モードへの転換を図ることで、地域の足を持続的に確保することを目的とする。｣と記されています。
すなわち、4月に他事業者への引き継ぎが予定されている同社潟東営業所管内の3路線に続く第2弾の動きであり、その背景として運転士不足が挙げられているのです。
ここにきて、最近公開された新潟市の公共交通に関する会議での発言から、新潟交通グループの深刻な運転士不足の実情が明らかになっています。
昨年11月1日に開催された新潟市新バスシステム事業評価委員会委員と新バスシステム事業運営協議会(新潟市･新潟交通)との意見交換会では、新潟交通から
｢課題である乗務員不足については、現在、乗務員は常に募集している状況であり、それ
だけ不足している。さらに、今後、働き方改革のなかでバス乗務員の労働体系も見直して
いかなければいけない情勢も想定すると、更なる乗務員不足が予想される。また、その解
決策として話にあがる自動運転については、導入までにかなりの時間を要するものと思っ
ており、現状では根本的な解決策はない状況｣と発言。
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また、1月22日に開催された本年度第2回の新潟市地域公共交通会議では、会議事務局から運転士不足に関する言及の中で、
｢新潟市内を運行いたします新潟交通及び新潟交通観光バスの運転手も同様に、定年退職で
あったり依願退職が発生しているという一方、求人募集をかけてもなかなか応募がわずかであるという状況のために、慢性的な運転手不足が大きな課題となっているというところでございます｣との発言が。
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これまで、県内高速線の減便や路線廃止、新潟市外の廃止代替路線での減便や路線廃止･運行日削減(土休日運休化)などで運転士不足に対応してきた新潟交通グループですが、新潟市内のローカル線でも複数路線から撤退せざるをえない状況を考えると、事態はより深刻な段階に突入したものと認識せずにはいられません。特に金津線はICカード｢りゅーと｣並びに｢Suica｣を含む10カードの利用が可能な路線であり、深刻さを象徴づけているように感じます。
ちなみに、昨年6月10〜12日にかけて実施された動態調査結果によると、金津線では1便で最大時6人乗車、下新線で最大時9人の乗車。天候等の影響を考慮しても、14人乗りのワンボックスタイプ(ハイエースコミューターなど)で十分対処できる利用実態でしょうし、仮にタクシー事業者が引き継いだ場合は積み残し発生時にセダンタクシーを手配して対処することもできるでしょう。
なお、今後の持続可能性を考えるのであれば、特に金津線で近隣地域の複数バス路線(区バス含む)との集約･再編やサービスの統一化も検討する必要があるように感じます。
田上町では来年4月の｢新しい公共交通｣試験運行開始を目指し、来年度にも地域公共交通会議を設置する方針です。
http://
町では公共交通空白域や来夏予定の｢道の駅たがみ｣への公共交通アクセス確保が課題となっており、会議ではこれらに対応すべく｢新しい公共交通｣の導入を検討します。
ルートは公共交通空白域にあたる川通地区や山間地域と既存バス路線･主要施設･鉄道駅とを結ぶルートで検討する方針。運行形態(予約制か、定期運行型かなど)、車両(マイクロバスやジャンボタクシー)、運賃設定についても検討する予定で、今月9〜10日に開催する町民説明会で概要を説明する方針です。
検討結果によっては、定時定路線型･予約不要のバス運行となる可能性もあることから、今後の議論の動向に要注目です。
また出雲崎町では、4月1日からデマンドタクシー｢てまりん｣の運行を開始します。
町のホームページ上では、今月4日時点で詳細がアナウンスされておりません。
運行開始に伴う、越後交通の町内バス路線である出雲崎車庫〜出雲崎駅〜大寺線の動向が注目されます(柏崎駅前〜出雲崎車庫線は運行継続と予想します)。
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そして新潟交通と富山地方鉄道が共同運行する高速バス新潟〜富山線では、これまで特定日のみ運行となっている2往復を定期化し、4月1日から通年4往復に増便されます。
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増発便は2016〜17年の年末年始に初めて設定され、以降GWや夏季などに拡大。
さらに昨年4月から特定日運行となり、徐々に新たな利用者を獲得していきました。
定期化はその成果といってもよいでしょう。
今後は、やはりインバウンド需要をはじめとしたさらなる新規需要の獲得が課題でしょう。
新潟県内発着で、高速バス新潟〜長野線と立山黒部アルペンルートとを絡めた回遊コースや、富山発着の高速バス白川郷･高山線や特急バス神岡･新穂高･平湯温泉線との乗り継ぎコースを提案してみるのも面白そうです(関連した旅行商品の発売などとセットで)。
先回まで、3月16日実施の新潟交通について触れたのですが、今回はここ最近になって発表あるいは報道されたものをまとめてみます。
まずは越後交通。
見附･栃尾地区のローカル4路線を9月末限りで廃止する方針であることが報道されています。
対象となるのは以下の路線です。
・上見附車庫〜下塩線(全区間)
・栃尾〜二日町〜葎谷･入塩川線(熊袋経由を人面･下塩経由に変更か？)
・栃尾〜軽井沢線(荷頃農協前〜軽井沢の間)
・栃尾〜半蔵金･新山線(荷頃農協前〜半蔵金･新山の間)
新潟日報の報道によると、越後交通から廃止の理由に挙げられたのが、利用者の減少に伴う採算悪化と運転士不足。特に長岡市栃尾地区の山間部では2004年の中越地震以降、過疎化による人口減少が加速しております。このうち廃止区間の一つである半蔵金集落では、発災直前に約200人いた住民が2年後にほぼ半減。昨春は42世帯71人にまで激減しています。半蔵金･新山線も1便平均の乗客数が1.4人、末端部ではそれ以下で、市の補助金を投じてもなお赤字という厳しい状況です。ダイヤも2000年度は4.5往復だったのが、今年度は平日3往復･土休2往復。
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2月に見附市と栃尾地区で沿線集落の区長らを対象に説明会が開催。
見附市はデマンドタクシーや｢地域コミュニティ｣への貸与車両(ワゴン車)を活用した定期運行などを念頭に、廃止後の交通手段について住民と協議する意向を示しました。長岡市でも、10月からデマンドタクシーの実証実験を1年半実施する方針です。
(画像は、熊袋経由区間の廃止が見込まれる栃尾〜二日町〜葎谷線)
続いては、新潟交通佐渡。
2月21日開催の佐渡市地域公共交通活性化協議会において、同社バス路線の来年度運行計画(4月1日実施)が承認されております。
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新潟日報の報道によると、東海岸線の両津〜多田系統を赤泊埠頭まで延伸。
5月1日付で廃止となる佐渡汽船の両泊航路(既に今年度の運航は終了)の代替対応で、両津発の便は多田以降への乗客がいなければ多田までの運行となります。
また、赤泊地区から国仲方面へのアクセス改善を図るべく、前浜線の赤泊〜多田系統を1往復新設し岩首線との連携が図られます。
このほか、宿根木線と前浜線の一部ダイヤでは、使用車両はバスからジャンボタクシーに切り替え。また小南線では両津港佐渡汽船発の1本が削減され、小木発1本の片道のみとなります。
(画像は、両津発の便が削減される予定の小南線)
今度は新潟交通観光バス。
同社の京ヶ瀬営業所が現在運行している秋葉区内の2路線について、8月をめどに他の運行事業者へと引き継がれる方向で進捗していることが明らかになりました。
これは今月1日に、2路線運行の補助事業者選定に係る公募型プロポーザル(提案競技)の実施を新潟市が発表したことによるもので、対象となるのは以下の路線です。
金津線【SW6】 新津駅〜朝日〜金津
下新線【SK2】 新津駅〜大安寺本村〜下新
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実施要綱によると、業務概要について｢現在、新潟交通観光バス�蠅�運行する当該ルートについて、バス運転手不足及び利用状況を検討した結果、大型バスからジャンボタクシー車両等を使用した交通モードへの転換を図ることで、地域の足を持続的に確保することを目的とする。｣と記されています。
すなわち、4月に他事業者への引き継ぎが予定されている同社潟東営業所管内の3路線に続く第2弾の動きであり、その背景として運転士不足が挙げられているのです。
ここにきて、最近公開された新潟市の公共交通に関する会議での発言から、新潟交通グループの深刻な運転士不足の実情が明らかになっています。
昨年11月1日に開催された新潟市新バスシステム事業評価委員会委員と新バスシステム事業運営協議会(新潟市･新潟交通)との意見交換会では、新潟交通から
｢課題である乗務員不足については、現在、乗務員は常に募集している状況であり、それ
だけ不足している。さらに、今後、働き方改革のなかでバス乗務員の労働体系も見直して
いかなければいけない情勢も想定すると、更なる乗務員不足が予想される。また、その解
決策として話にあがる自動運転については、導入までにかなりの時間を要するものと思っ
ており、現状では根本的な解決策はない状況｣と発言。
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また、1月22日に開催された本年度第2回の新潟市地域公共交通会議では、会議事務局から運転士不足に関する言及の中で、
｢新潟市内を運行いたします新潟交通及び新潟交通観光バスの運転手も同様に、定年退職で
あったり依願退職が発生しているという一方、求人募集をかけてもなかなか応募がわずかであるという状況のために、慢性的な運転手不足が大きな課題となっているというところでございます｣との発言が。
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これまで、県内高速線の減便や路線廃止、新潟市外の廃止代替路線での減便や路線廃止･運行日削減(土休日運休化)などで運転士不足に対応してきた新潟交通グループですが、新潟市内のローカル線でも複数路線から撤退せざるをえない状況を考えると、事態はより深刻な段階に突入したものと認識せずにはいられません。特に金津線はICカード｢りゅーと｣並びに｢Suica｣を含む10カードの利用が可能な路線であり、深刻さを象徴づけているように感じます。
ちなみに、昨年6月10〜12日にかけて実施された動態調査結果によると、金津線では1便で最大時6人乗車、下新線で最大時9人の乗車。天候等の影響を考慮しても、14人乗りのワンボックスタイプ(ハイエースコミューターなど)で十分対処できる利用実態でしょうし、仮にタクシー事業者が引き継いだ場合は積み残し発生時にセダンタクシーを手配して対処することもできるでしょう。
なお、今後の持続可能性を考えるのであれば、特に金津線で近隣地域の複数バス路線(区バス含む)との集約･再編やサービスの統一化も検討する必要があるように感じます。
田上町では来年4月の｢新しい公共交通｣試験運行開始を目指し、来年度にも地域公共交通会議を設置する方針です。
http://
町では公共交通空白域や来夏予定の｢道の駅たがみ｣への公共交通アクセス確保が課題となっており、会議ではこれらに対応すべく｢新しい公共交通｣の導入を検討します。
ルートは公共交通空白域にあたる川通地区や山間地域と既存バス路線･主要施設･鉄道駅とを結ぶルートで検討する方針。運行形態(予約制か、定期運行型かなど)、車両(マイクロバスやジャンボタクシー)、運賃設定についても検討する予定で、今月9〜10日に開催する町民説明会で概要を説明する方針です。
検討結果によっては、定時定路線型･予約不要のバス運行となる可能性もあることから、今後の議論の動向に要注目です。
また出雲崎町では、4月1日からデマンドタクシー｢てまりん｣の運行を開始します。
町のホームページ上では、今月4日時点で詳細がアナウンスされておりません。
運行開始に伴う、越後交通の町内バス路線である出雲崎車庫〜出雲崎駅〜大寺線の動向が注目されます(柏崎駅前〜出雲崎車庫線は運行継続と予想します)。
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そして新潟交通と富山地方鉄道が共同運行する高速バス新潟〜富山線では、これまで特定日のみ運行となっている2往復を定期化し、4月1日から通年4往復に増便されます。
http://
増発便は2016〜17年の年末年始に初めて設定され、以降GWや夏季などに拡大。
さらに昨年4月から特定日運行となり、徐々に新たな利用者を獲得していきました。
定期化はその成果といってもよいでしょう。
今後は、やはりインバウンド需要をはじめとしたさらなる新規需要の獲得が課題でしょう。
新潟県内発着で、高速バス新潟〜長野線と立山黒部アルペンルートとを絡めた回遊コースや、富山発着の高速バス白川郷･高山線や特急バス神岡･新穂高･平湯温泉線との乗り継ぎコースを提案してみるのも面白そうです(関連した旅行商品の発売などとセットで)。
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