最近、アニメをちょい真面目に見てるというのはこの前話したこと。
『どろろ』の他に見てるのが、『風が強く吹いている』。これ原作小説が好きでなー。もう10年以上も前に読んだんだけど、まさか今頃になって、正月に箱根駅伝を放映する日本テレビがアニメを作るとか、想像もしなかった。
なんて心強い金蔓。制作資金が足りない事にはならんだろ、作品そのものが自社コンテンツのCMになるんだから。
これの存在がどう影響したのかは分かりませんが、2019年の箱根駅伝の視聴率は、過去最高だったそうです。ちなみに、「あー、あの道通るんだ」ってくらい地元に居る私は、1/2・1/3は大抵仕事で、実家から離れてからは生はもちろんTVでも見た事はあんまりありません。箱根?うん頑張って。てのが正直なところ。
ところで、原作ではそうでもなかったけどアニメ版でめっさ好きになったのはハイジ。
小説だと、どんなにゆっくり読んでも2、3時間の付き合いだけど、アニメだと半年も一緒に居る事になるんすね。その分、「この人は何を考えているのか」って、半年も寄り添うことになるんすね。
この人、凄い。やる気のない9人を巻き込んで、箱根駅伝に出場させる、その手腕と情熱が凄い。それでいて重くない。強制しない、なのに確実に取り込んでいく。いつの間にか皆が同じ夢を見るようになっていく。
エプロン姿のままキャラ弁持って先輩を追いかけて、「この絵面おかしいだろ!」と最もなツッコミ食らってたり、車の運転が下手すぎて記録会に出場する選手をそれ以前で消耗させたり、たまに爆笑シーンもありつつ。
彼の夢があまりに純粋で、一途で、それが一つずつ奇跡を起こしていく。その積み重ねが伝説になっていく。
ああ、いいなぁ‥‥と、途中から目が離せなくなっていました。主人公のカケル、ごめんよ。
で、だよ。
リアル寄りの話なので、声優さんもわざとらしいキンキン声とか上げない訳ですね。さりげない溜息とか間とか、皆さん勿論『プロの仕事』なんですけど、ハイジは特にそこいらが絶妙。
声優さん、詳しくないんだよなぁ。かろうじて自由くん(千と千尋のハク)くらいしか知らないなぁ‥‥とぼんやりEDを見ていたわけですが、どうも、なんとなく、ハイジ役の「豊永利行」という名前に覚えがある。
あとラスト1話、という所で、やっと検索かけた私、愕然としました。
四季で初めて観た時の『美女と野獣』のチップの子役の人じゃん。
『マグダラなマリア』のペーターじゃん。
うわああぁぁ、25年前から知ってた人かよ!しかも初対面はナマだよまさかだよ!!
百鬼丸の人がディケイドのカズマだって知った時の、百倍は驚いたよ!!!
この世界、狭すぎない!?!?
(私の趣味が狭い所を延々グルグルしてるだけって説もあるが)
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しかし、原作読んだのが昔過ぎて展開すっかり忘れきっていて、一粒で三度美味しい思いをできるのが、実にありがたい。細かい所の違いにキリキリしなくて済むもんね。最終話を見たらそのまま直行で原作読み返すんだもんね。
ただ、ぼんやり覚えてる事がありまして。それがよりにもよって、ハイジの父親の話。
「えっそれ外国のバレエ学校の入学条件!?」と思ったから印象に残ってるんですよ、妻になる女性の両親の体格まで確認してから結婚した、っての。長距離選手は絶対に太っちゃいけないから。
要は、自分の思う通りに走る子供が欲しかったということ。それ以外はいらなかったってこと。
これって、結構かなり最低な部類に入りませんか、親として?
アニメではさらっと流したけど、その結果があの大怪我か‥‥と、なんかこう、繋げてみるとアレがアレでアレでなぁああ〜〜。
うん、この人大好き。
一周回ってまた同じことを言ってみる。
走るの昔から嫌いで、高校辺りからはさらに「痛い」というイヤ要素が加わった人間には(どこが?とは聞かないでくれ、何故か自慢に受け取られて不愉快なんだ)、燃える男子達の一片にもまるっきり同意できませんが。同意できなくても感動はできるんだな、と。
半年間、楽しかったです。あと一話、楽しみにしてます。
※ちなみに『惚れ』は萌えや尊みとは違います。人間として惚れた、という意味。疑似恋愛でもなければ応援上映でサイリューム振りたい感覚とも違う、ただもう純粋に「好きだなぁ」100%圧縮濃縮な心。
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