虎「いよいよ我がドイツ最初の戦車、A7Vの登場だ!胸が熱いな」
チ「現存する車輌の写真でありますが、これもなかなか変わった形状でありますな」
シ「なんかこう現代の目で見ると戦車と言うより、装甲兵員輸送車に近い感じがするわ」
セ「ドイツ軍は塹壕を乗り越えて兵を投入することを主目的に考えていたようね。実際に
A7Vには砲や機関銃などの武装が一切無く、車内から装甲板をバタンと倒すことが
できる兵員輸送だけに特化したバージョンのものもあったくらいよ」
ロ「ソンムの戦いで初めてイギリスの戦車と相対したドイツ軍は、直ちに同様の装甲車両
の開発に乗り出したわ。開発を任されたのが戦時省運輸担当第7課通称A7よ。この
戦車の名前がA7Vというのはここに由来しているわ」
セ「この戦車で特筆すべきは何と言ってもその乗員数。何と!18人乗りよ」
チ「じゅ、18人でありますか!それはすごいのであります」
虎「武装がな。前方に57ミリ砲、左右の側面に7.92ミリ機関銃2挺ずつ、後方にも
同じ機関銃を2挺だ。それぞれ射手と弾薬装填手が要るからこれだけでも14名だ。
その他に車長、操縦手、機関手、機関手兼信号手が乗り計18名ということになる」
シ「そのぶん図体もでかくて30トンもあったわ。100馬力のエンジンを2つ積んでい
たけどパワー不足は歴然としていたわね。さらに見た目でわかるけど履帯が細いし、
車高が低いでしょ。これじゃあ泥地や凸凹の多いところじゃ難しいわね」
ロ「反面長所は装甲ね。前面30ミリ、その他は20ミリと英仏戦車の2〜3倍の厚さの
装甲で防御力は高かったわ。だけど結局はそういう点も戦争全体としては・・・」
セ「A7Vは1917年末から製造が始まったけれど、結局戦争に参加できたのはたった
の20輌程度にしか過ぎなかったわ。いくら防御力が高くても数が少なすぎては意味
が無いわね。対する英仏は約6000輌の戦車を投入したんだから」
チ「6千対20ではさすがに勝負になりませんな。やはり戦いは数だよ兄貴、ですか」
虎「イギリス軍から鹵獲したマークIV戦車が100輌程あったから、数の上ではむしろ
こちらのほうが主力になったくらいだった。やはり兵器は量を揃えないとダメだ」
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