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2017年02月19日11:26

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B−17とB−29

ボーイングB−17フライングフォートレス。ボーイングB−29スーパーフォートレス。
この2機種はともに戦略爆撃機として認識されている。事実第二次世界大戦では、イギリ
スから飛び立ったB−17がドイツの各都市を、北マリアナ諸島から飛び立ったB−29
が日本の各都市を爆撃した。しかしもともとこの2機種は全く違う思想で作られたものだ

B−17はアメリカ本国の沿岸哨戒・対艦攻撃を目的に作られた機体だ。アメリカの外交
はいわゆる「モンロー主義」に基づいている。モンロー主義を一口で言うと、「ヨーロッ
パの事は知らないよ。でもアメリカ大陸にちょっかい出して来たら許さないよ」というも
のである。これがあるから第一次世界大戦後にアメリカ自らの呼びかけで出来た国際連盟
にも、発起人であるにも関わらず加盟しなかったのである

つまりB−17は専守防衛用兵器だったわけだ。これに対しB−29はアメリカを攻撃し
てくる敵の本拠地・心臓部を直接叩く、という本格的な長距離戦略爆撃機として造られた
機体である。航続距離は6000Kmを超える。仮想敵国はイギリスであった。アメリカ
本土から大西洋を超えて、ロンドンをも空襲できる機体が要求されたのである

このためB−17とB−29はかなり性格の異なる機体となっている。B−17は敵艦を
攻撃するのが主任務とされたから、敵艦の対空砲火に可能な限り耐えうる「打たれ強さ」
が際立つ機体に造られた。いっぽうのB−29は何よりも航続距離の長さと爆弾搭載量の
多さが求められた。航続距離を伸ばすためには、空気抵抗の低い超高空を飛ぶのが良いと
された。そのため1万メートルもの高空を巡航できるような先進的エンジンを積んだ

1万メートルともなると寒いし、外気圧がすごく低くなる。そのため軍用機としては史上
初の与圧キャビンを持ち、エアコンまで装備しているという旅客機なみのゴージャスな機
体になった。その反面、与圧キャビンのため「打たれると脆い」機体になってしまった

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