椎名軽穂「君に届け」25巻

進路問題がクローズアップされて巻を重ねてきた。正直なところ、月刊誌の連載で
ここまで巻数が伸びるとは予想していなかった。その進路、風早と爽子とでは
温度差がある。ここがドラマの核。そういう時代を経てきた我々には小さな問題なのだが
現在進行形の２人には大事なのである。進学に依る距離が障害になると悩んでしまうのは
若い間だけだ。少し整理しておきたいのは、黒沼が心配する心変わりについては
お互いに可能性があるフィフティフィフティの関係であること。どうやら自分のほうは
絶対にないと信じているようだが、風早のほうだけを信用しないのはフェアではない。
そして恋愛優先の進路決定は感心しない。其の点で風早のほうは少しは状況が
見えているようである。まあ、あれだけの事件の結果成立したカップルだ、尋常な
障害では壊れる筈がない。