韓国の原発はアメリカやカナダ、後にはフランスもだが、すべて純輸入によって始まった
ものだ。やがて1980年代になると、原子炉の国産化が計画されるようになった。そこ
で技術支援のパートナーとして選ばれたのが米コンバッション・エンジニアリング社であ
る。この会社は後にウェスティングハウス社に買収されるのだが、System 80という加圧
水型軽水炉を持っていた。
この原子炉をベースにして韓国独自設計の原子炉を開発した。これが韓国標準型原子炉と
呼ばれる原子炉である。1995年に稼働開始したハンビッ原発3号機が第1号といわれ
ているが、System 80とほとんど変わらないため、System 80としてカウントされるケース
も多いようだ。この型はOPR1000とネーミングされ、出力は1000MW、つまり
100万KWということになる。
1998年に稼働開始したハヌル原発3号機から韓国標準型原子炉と呼ばれ始めているよ
うだ。以降の韓国の原発は一貫してこのOPR1000型で建設されている。2013年
運転開始予定として建設されていた、新古里原発3号機はこのOPR1000型を改良し
たAPR1400という新型原子炉が採用されている。この原子炉は韓国の自信作のよう
で、世界最先端に肩を並べたと自称している。
この原子炉をもって韓国は世界中の原発建設事業の受注に顔を出すようになった。中でも
2009年のアラブ首長国連邦、いわゆるUAEでの原発事業の公募では、絶対的大本命
と言われていた日本、フランスを押しのけて受注に成功した。
韓国はこれに狂喜乱舞。原子力先進国になった、としてこの12月27日を原子力の日と
いう国民的祝日に制定した。というわけで、韓国の原子力技術は順調に発展してきた、よ
うに見えるのだが・・・
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