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2015年01月26日17:42

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おたふく風邪の王子さま

おたふく風邪にかかったのは、母の記憶によると5才である。
本人は辛かったことも苦しかったことも覚えていないので、記憶に頼るしかない。
ただ、そのあと、私には「大記憶」がある。治りかけの頃、
見知らぬお家にお呼ばれしたのだ。
私は絵を描きたかった。(病み上がりなのだ、いっぱい描きたい。)
その頃すでに私の心は「絵描き」であった。
しかし、その家には「お絵描きの道具はないのよ。」と言われた。
かわりに「○○君と(坊ちゃん顔の、ぼんやりした男の子)積み木をして遊んでね」と。
木の積み木はつまらなかった、○○君には堅実性と想像力がなく、どう持っていっても、バランスを崩しガラガラ壊してしまう。「バカ」なのだ。
おやつに、苺入りのロールケーキが出た。(当時としては贅沢品)
しかし、私の「今日の午後の王子さま」はどうしようもなくバカなのだ。
ふだん路地で遊んでいる「真也くん」や「健ちゃん」とは出来が違いすぎる。しかも、積み木遊びで、私の手が触れそうになるとビクッとひっこめ、全部崩してしまう。私のことを怖がっている。

「もう帰る!」
私は○○君のお母さんに告げた。
「○○君は私のこと怖がっています。私をバイ菌みたいにします。お友達になれません。今すぐお母さんに迎えに来てもらってください!」
すぐに母が飛んできて、母のエプロンにしがみついて私は泣いた。
そのまま家へ帰り、しばらく泣いて、私は起き出し、絵を描き始めた。
「日常」が戻ってきた。

「『おたふく風邪』を伝染すための、半日だけの王子さま」だったことを知らされたのは、小学校にあがってからである。
そうか、わたしは「バイ菌持ち」の、でも「伝染されなきゃならない・コワイ女の子」だったのか。
しかし王子さまよ、そこで求められるのは
「煮て喰うなり焼いて喰うなり好きにしやがれ〜!」
と「まな板の上の鯉」になれる度胸だ。

初夜の床で
「じゃ、これからつけるね!」
と言って笑顔でコンドーム装着していた夫・ドッコイ氏の潔さ、あれこそ男のアッパレである。
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