酒のコミックとして、まず最初に挙がるのは、古谷光敏『BARレモン・ハート』である。これは、うんちく漫画として非常に強力なテンプレートを持っている。レモン・ハートのマスターは、たいへん分かりやすいうんちく王である。酒に関しては知らないことがない
mixiには読書日記を書く方も多い。映画日記とどちらが多いだろう、と少し考えるが、たぶん映画日記のほうがやや多い気がする。先日、ある方の読書日記を読んでいて、過去の日記タイトルから、自分の読書とどこか「交わる」ところはないか探してみた。ところが
先日、ある人の随筆文で、虚構、つまりフィクションと思われる内容を、科学的なタームでそれらしく装飾して語っている文章を見かけた。たとえば「ホモサピエンス」とか「ヒートポンプ」とか、そういう言葉を混ぜ込んで、全体にもっともらしい雰囲気をまとわせ
かつて SETI@HOME というプロジェクトがあった。各家庭のPCの余剰計算力を使って、宇宙から届く電波の中から意味のある通信を抽出しようとする試みである。あの発想には、宇宙の沈黙に対して、せめてこちらから耳を澄まそうとする人類の姿がよく表れていた。
私は反実仮想が好きである。だから、SF的な状況を勝手にこしらえては、いたずら好きのタイムトラベラーが歴史上の人物に妙なものを置いていったらどうなるか、などと想像してしまう。今日もまた、そんなことを考えた。たとえば、和算史上最大の学者とも言われ
映像表現として、公開当時の1968年には画期的だった。それは間違いない。ただ、物語の構成として見ると、直線的で、考える余地が限定されすぎているように思う。この映画では、モノリスによる「昇天(アセンション)」が描かれている。途中で人類とAIの闘争も
私は「問い」を引っ張り出すのが好きである。答えがすぐに出る問いよりも、何十年でも、場合によっては何百年でも考え続けるに値する問いのほうに惹かれる。中島敦『悟浄出世』の沙悟浄が、川底で真理のドブさらいをしているようなイメージ、とでも言えばよい
夏休みのバイト中、昼休みは四十分ほどしかなかった。しかも、たまたま家の隣がバイト先だったので、昼になると自宅に戻って食事をかきこみ、その残りの時間をほとんど全部『指輪物語』に注ぎこんでいた。J・R・R・トールキン『指輪物語』、評論社文庫の『旅
ディケンズの『クリスマス・キャロル』は、言うまでもなく良い話である。映画にもなっているし、子供のころにはジュブナイル版を読んだ。たしか『小学館世界名作全集 イギリス編』だったと思う。大人になってからは新潮文庫でも読んだ。で、大人になってから
手帳に何を書くかといえば、これが案外ない。あまりにも新品のままなのも可哀想なので、今年から三食のメニューを書くことにした。朝は何を食べたか、昼は何だったか、晩は何だったか。そんな程度のことでも、書いておけば少しは手帳らしくなる。毎年買って、
『ガラスの仮面』に登場する速水真澄は、冷徹な経営者ではあっても、冷酷な経営者ではない。また、『ルパン三世 カリオストロの城』のルパンも、冷徹な犯罪者ではあっても、カリオストロ伯爵のような冷酷な人物ではない。この二つを並べてみると、「冷徹」と
昨日に続いて、小路幸也『小説家の姉と』を読んでいる。ただし今日は自宅なので、読書はすっかり平行読書モードに戻った。本を読みながら、別の本に手を出し、オンライン小説をのぞき、楽譜を見て、ついでにWEBも眺める。あまり褒められた読み方ではないが、
殺人も宇宙人も出てこない小路幸也『小説家の姉と』を、まだ途中なのだが一気に半分以上読んだ。孫が急に熱を出し、両親に頼まれて様子を見ていたのだが、本人がしんどそうに眠っているあいだ、持参の本が思いのほか進んだ。ネタバレはしないが、この小説、い
昨日は、YouTubeで見つけた一本の動画から連想がずいぶん遠くまで飛んだ。最初は、アコーディオンで一人で演奏するヴィヴァルディ《四季》の「夏」である。https://www.youtube.com/watch?v=9SE222v1eyMこのAlexandr Hrustevich の演奏を聴いて、その表現力と
大学では物理学科にいたので、実験は学年が上がるにつれてだんだん本格的になった。三回生の実験になると、各研究室の紹介も兼ねていたのだろう、なかなか骨のある内容が並んでいた。記憶に残っているのは、アメリカの加速器から来たフィルムデータを使った泡
私は高校の教員だったので、同僚はみな当然ながら大卒以上で、中には大学院を出た人もいたのだろう。けれど、教員になって数年もたつと、そういう出身大学や学歴は、ほとんど意識されなくなる。なぜかといえば、そんな形ばかりのことよりも、教える内容の深さ
とあるドラマの主演二人のトラブルを見ていて、セクハラとパワハラのことを考えた。報じられている内容を前提に考えてみる。さらに深い何かがある可能性はあるけれど。そのドラマに出演する以前から、女性俳優にはセクハラのトラウマがあったという。もしそう
今の小学校では、冬の暖房はどうなっているのだろう、と急に思った。もう今は夏も冬もエアコンで空調されていて、教室は一年中それなりに快適なのかもしれない。私の子どものころは、石炭ストーブ、いわゆるダルマストーブだった。冬になると、日直が資材置き
今読んでいるカレヤタミエ『捨てられ公爵夫人は……』の中に、ちょっと印象に残る言葉があった。料理長の少年エド君の言葉を、少し年下のウィリアム君が思い出す場面である。「強火の5分と、弱火の10分は全く違う」これは、実際に料理をする前の自分――物理
「杞憂」という言葉がある。天が落ちてくるのではないか、地が崩れるのではないかと心配して、眠れなくなった人の故事から来た言葉で、要するに取り越し苦労のことである。私にも、ひとつそういう杞憂がある。太陽は少しずつ明るくなっていくので、数億年もた
まず、二つの文化圏の、「愚か者」と「デクノボー」を比べてみて下さい。ビートルズのThe Fool On The Hill と、宮沢賢治『雨ニモマケズ』の二つ。賢治の詩は著作権切れなので、ここに堂々と全文掲載できる。ビートルズのこの曲の歌詞は、 Fool On The Hill L
1995年の阪神・淡路大震災と、2011年の東日本大震災。この二つの大地震に、どちらも出張先で遭遇した人は、いったいどれくらいいるのだろう。ふとそんなことを思って、フェルミ推定でざっくり考えてみた。フェルミ推定というのは、正確な調査が難しい数量を、
一度見た映画なのに、どうしてももう一度見たくなることがある。その欲望を抑えきれず、DMM.comで『華麗なるギャツビー』(1974)と『ナイル殺人事件』(1978)を宅配レンタル予約した。どちらもミア・ファローがヒロインを演じているという共通点がある。後
今日が返却期限の、梶よう子『宝の山』が、まだ三分の二しか読めていない。この本は一度延長して、二週間伸ばしてもらっている。だから、もうこれ以上の延長はできない。都合四週間あって、一冊読み切れないとはどういうことか、と自分でも少しあきれる。前に
ふつう「真空」と聞くと、何もない空っぽの空間を思い浮かべる。けれど物理では、真空にもいろいろな性質があると考える。水が液体から氷に変わるように、空間そのものの性質が別の状態に移ることを、たとえば「真空の相転移」と呼ぶことがある。ここで、かな
今、笑いを「漫才」を通して少し分析してみようとしている。といっても、まだ本格的に調べたわけではなく、YouTubeの傑作選やM-1の映像を見ながら、「笑い飯」「ぺこぱ」「ミルクボーイ」の三組の違いを、自分なりに把握しようとしている途中である。表面的な
ホトトギスやカッコウのような托卵鳥のことを考えていて、不思議だなと思った。たとえば、オオヨシキリの巣で育ったホトトギスの雛は、インプリンティングによって、オオヨシキリを親だと思って育つのだろう。けれど成鳥になり、たとえばメスになって卵を産む
「健全な肉体に健全な精神が宿る」という言葉は、スポーツを奨励する標語としてなら、ある程度の意味はあるのだろう。けれども、人間を評価する基準として使うのは、私は違うと思う。大阪の高校ラグビーの強豪チームで起きた暴力沙汰。さらにさかのぼれば、ア
昔、教養ある時代のインテリの条件として、「シェイクスピアと熱力学の第二法則」という言い方があった。文系と理系の両方にまたがる知識を持ってこそ、一人前の知識人だというような意味だったのだろう。私は理系なので、もしかすると「熱力学の第二法則」に
我ながら、よく日記のネタが毎日途切れないものだと思う。もしこれが途切れたら、日記よりもっと大事な作業に取りかかっているか、さもなければ隕石にでも当たって昇天したのだと思っていただきたい。今日はなぜか急に、「示強性変数」と「示量性変数」という