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日記一覧

『表現の自由』の守り方
2019年08月11日10:32

オススメ588。"国会議員には二種類の仕事があると思っています。まずひとつに、法律をきちんと守らせること(中略)もうひとつが、法律の解釈に幅がある場合には、それをできるだけ国民の利益になるように確定させていくこと。"2016年発刊の本書は『表現の自由

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無縁・公界・楽
2019年08月05日08:10

オススメ582。"原始のかなたから生きつづけてきた『無縁』の原理、その世界の生命力は、まさしく『雑草』のように強靭であり、また『幼な子の魂』の如く、永遠である。"1978年の初版に補論を加えた本書は、日本、そして人類全体の共同体における無縁、アジー

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使える地政学
2019年08月04日09:32

オススメ581。"地政学は『知識のための知識』『情報のための情報』『分析のための分析』という発想を忌避する。『真理は常に具体的である』というのが、地政学者の共通了解だ。"2016年発刊の本書は、あり得るし、あり得ない。答えのない世界情勢の眺め方を地

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生活はアート
2019年08月03日17:05

オススメ580。"今の若者はイージーに楽しいことを探しています。でも、本当は楽しいことはイージーではありません。コツコツと絶えず積み重ねることで感じる心地よさを一度でも味わうと、人間はもっと深くなります。"1996年初版の本書は、生活達人である著者

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正者と死者
2019年08月02日08:05

オススメ579。"はじめに、袋とじ製本のまま、この本をお読み下さい。短編小説を読むことができます。次に、各ページを切り開いて、長編ミステリーをお楽しみください。元の短編小説は消失してしまいます。"1994年発刊、仕掛け本としてマニアに絶賛されるのも

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ナイン・ストーリーズ
2019年08月01日08:08

オススメ578。"『君はとにかく目を開けて、バナナフィッシュがいないか見張っていてくれたまえ。今日は絶好のバナナフィッシュ日和だからね』"1953年発刊の9編の短編集である本書はイノセンスさと社会の細やかな対話がそれぞれに在ることを、禅の公案「隻手の

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黒猫
2019年07月31日07:59

オススメ577。"この猫は稀に見るほど大きくて美しく、全身真っ黒で、驚くほど利口だった。"表題作のゴシックホラー短編、黒猫(1843年)他、アッシャー館の崩壊(1839年)推理小説初期の作品、盗まれた手紙(1845年)などを含め1992年に発刊された本書は後世のドス

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オススメ576。"『古典』を読むということは、今日自分が生きている社会を成立させている背景について、ただ何となくではなしに、はっきりと『知る』ということである。"2016年発刊の本書は、古今東西の古典をわかりやすく紹介すると共に、現在における意義や

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オススメ575。"それは管理と検閲、商業主義が猛威を振るう21世紀の現在において、一筋の希望となるに違いない。あまりにささやかではあるけれど、すべてはひとりの人間が何かを伝えてみることからはじまるのだから。"2017年発刊の本書は、日本の自費出版活動

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オススメ574。"この小冊子は(中略)マーロウのメッセージとスタイルの概略をーそういうものをこれまで以上に必要としている世代のためにー再現することを目指したものである"2018年国内紹介の本書は、チャンドラーが生み出した探偵マーロウの至言をテーマ毎に

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オススメ573。"開かれた市場は、日常の世界とはちがい、聖なる世界、神の世界につながる場であると考えられていました。そこにはいると、モノも人も世俗の縁から切れてしまう。"1991年、1996年の続編を併せて一冊とした本書は、日本を『正確に知ること』が義

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レトリック感覚
2019年07月26日09:44

オススメ572。"本書で私がこころみたかったのは、伝統的なレトリック体系が蓄積してきた古い知恵を、思い出し、そこから新しい可能性をさぐることである。"1978年発刊の本書は、アリストテレスから始まり説得効果と美的効果を与える技術体系となったレトリッ

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冥途・旅順入城式
2019年07月25日08:12

オススメ571。"私はほっとして、前足を伸ばした。そうして三つ四つ続け様に大きな欠伸をした。何だか死にそうもない様な気がして来た。"1922年のデビュー短編集である冥途、そして約12年経過して発表された旅順入城式を収録した本書は、異界の気配のみがひし

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ペスト
2019年07月24日07:16

オススメ570。"僕は、災害を限定するように、あらゆる場合に犠牲者の側に立つことにきめたのだ。彼らの中にいれば、僕はともかく探し求めることはできるわけだーどうすれば第三の範疇に、つまり心の平和に到達できるかということをね"1947年発刊の本書は、不

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オススメ569。"諸君が『トムソーヤーの冒険』という本を読んだことがないなら、僕のことは知ってなさるまい。だが、そんなことはどうでもいい"前作から約10年、1885年発刊の本書は最初のグレートアメリカンノベル、また方言・口語体で書かれた一冊に留まらず

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カラマーゾフの兄弟
2019年07月22日07:04

オススメ568。"『あのね、コーリャ、それはそうと君はこの人生でとても不幸な人になるでしょうよ』突然どういうわけか、アリョーシャが言った。"1880年発刊の本書は1800ページを越える著者最後の大長編かつ不朽の【小説の王様】として、様々なテーマを内包し

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蒼い時
2019年07月21日12:09

オススメ567。"聴覚から視覚へ意識を戻した時、窓全体があおかった。その『あお』は、私にとっては『青』ではない『蒼』という字のそれだった。"1980年発刊され、当時はセンセーショナルな受け取り方もされた本書は、約40年過ぎた今。スターとして20代で区切

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オススメ566。"夏目漱石でなく、他の名であっても夏目とあれば眼が見逃がさない。新聞の一ぱい詰まっている活字の中からその字づらだけが浮き上がって来ます。"1965年発刊の本書は、熱烈に崇拝する師、夏目漱石。良き理解者であった芥川龍之介との思い出話と

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茶の世界史
2019年07月19日07:54

オススメ565。"元来『文化』であった茶が『商品』になり、イギリスを中心に世界の日常の飲料となったとき、飲茶から思想が脱け、美が消えた(中略)近代化は茶から思想や芸術を奪い、茶を物質におきかえたのである"1980年発刊の本書は比較文化史、経済史として

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オススメ564。"睡眠時間を別にすれば、ラーゲルの囚人たちが自分のために生きているのは、ただ朝飯の十分、昼飯の五分、晩飯の五分だけなのだから"1962年発表、世界的ベストセラーとして衝撃を与えた本書は、著者の実体験を下敷きにして収容所の圧縮された一

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オススメ563。"彼は伝説であった。古ぼけて、ボロボロになった教師服、危うく躓きそうな歩きぶり、鉄縁の眼鏡越しにこちらをのぞく優しい眼、それに妙におどけた話し方など、彼のブルックフィールドにおける在りかたは、それでなくては通用しなくなった。"193

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パンのおうさま
2019年07月16日05:51

オススメ562。"あるとき おうさまは いいました。『このくにの すべての ものを パンに しなさい!』2014年発刊、リブロ本屋大賞4位を受賞した本書は気鋭のアートディレクター、アーティストによる人の気持ちを自然とあたたかくするような表現が素晴らしい。

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そして生活は続く
2019年07月15日17:28

オススメ561。"いつかくるかもしれないし、死ぬまでこないかもしれないその日まで、私はいつものようにひとりきりでいるだろう。そして、いつものように生活はつづくのだ。"2009年発刊のエッセイ集である本書は、マルチな活躍を見せる著者の、つまらない毎日

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虫眼とアニ眼
2019年07月14日09:13

オススメ560"ぼくだって子供の頃は持っていたはずなんだが、養老さんは今もその虫眼を持っている。昆虫の肢の毛に感動する同じ眼で世の中を見ているのだ"2008年発刊の本書は、解剖学とアニメと専門は違っても、近い世代として相通じる同士で語られる、自然と

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第一阿房列車
2019年07月13日09:55

オススメ559。"用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。"1952年発刊の本書は、還暦を越えた著者の戦後復興期における【くどくて無駄だらけの旅】であって、翻って【快調

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トニオ・クレエゲル
2019年07月12日07:12

オススメ558"僕は二つの世界の間に介在して、そのいずれにも安住していません。だからその結果として、多少生活が厄介です。あなたがた芸術的たちは僕を俗人と称えるし、一方俗人たちは僕を逮捕しそうになる"当時28歳だった著者が1903年発刊した本書は自伝的

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三体
2019年07月11日07:25

オススメ557。"『でもな、おれは究極の法則をひとつ発見したぜ』(中略)『不可思議な出来事には必ず裏がある』2008年発刊、2019年国内紹介された【アジア人初のヒュゴー賞受賞作】である本書は、異星文明との接触を壮大なスケールで描くハイブリッドSF三部作の

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ぼくは猟師になった
2019年07月10日07:13

オススメ556。"ありきたりな意見ですが、スーパーでパック詰めの肉が売られているのを当然と思い、その肉にかけられた労力を想像しなくなっている状況はおかしいと思います。"2008年発刊の本書は保護や害獣といった『上から目線』ではなく、人間も共に生かさ

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水晶
2019年07月09日06:40

オススメ555。"空のどこにももう星影はない。ありとあらゆるものが、朝の光のなかに立っていた。『さあ出かけよう。』少年が言った。『そうよ、出かけましょう。』"1845年発刊の短編集『石さまざま』中の一篇である本書は画家でもある著者の自然描写の美しさ

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ロンドンで本を読む
2019年07月08日07:01

オススメ554。"そしてこれが本当の書評の藝である(中略)大事なのは、読むに価する重要な本の重要性を、普通の読書に向けてすっきりと語ることなのである"『ユリシーズ』の翻訳にも携わった著者がロンドンが発行元の新聞雑誌の書評集を集めて2001年発刊した本

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