孤独を産めようとがんばったけど蹴せなかったねきみのこと干しいが連鎖しては干からびてしまうから産めない絆を傷つけながらさみしい牙城を築いていく泣けた日と投げた日を数えたら限りなく広がる感情の秘めいを耳を澄まして牙を織ろうやさしくなるには柔らか
今日もひとり夜を濡らして赤に染め上げる背負いきれないあなたの運命そのまま譲り受けるような素振りで怯えている失敗したらそのまま魔法を折ったまま手負いの傷をやさしく空気に浸して進む風にそよぐ夢が手垢まみれで汚れてもその入念な手入れが愛撫が必要だ
きみの質感が不意に火を吹くぼくを淘汰するなど5秒で足りて残りの時間は傷跡を雨で濡らして何事もなかった顔で歩いていく螺旋が蠕動する踊り場の手摺りの端で手をひらひら振り払ってノイズ掻いた鼓膜に届かない罪の音色が泳いだ空見上げれば落花する先端をみ
矢面にも立てずに陰からじめじめとそれが美徳などと思い込みながら自分の型に誰かの風味を注入して蓋をして目を瞑りぶんぶん振れば誕生するにはまだ幾らか早かった開花を見送る春をそのまま伸ばしていずれ凍結させて一周した気になる四方を囲まれて万事休すで
革をなめすように肌に触れるガラスの感触だろうとプラスチックの感触だろうと柩の中に収まる頃には想い出など拡散しているのにもう一度名前を呼んでから就寝しよう時間が湯豆腐のように煮立つ頃に目覚めれば葱のような手首を振りかざしながら鍋の中で放置し続
二度見した過去とは目が合ったから何秒間か目を合わせていたんだよそ見した未来とはよそよそしいそよ風が吹きそうで不規則な鼓動が暴れ出す今など自暴自棄の横殴りの雨がお似合いだ間合いも気にせず曖昧なフェイドアウトに揺られて自分自身との近親相姦が大好
増殖した痛みを収めようと窓を作ろうとしたせいだ。そこから吐く息は白くもなく黒くもなくましてや透明なんかじゃない。密かに煮詰まったままで詰まらせておけば良かったものを。垂れそうな吐息を漏れそうな悲鳴をもう一度飲み込めたなら再起できる日など来る
強制的に軌道を敷くしかないのだが凸凹の起伏が信じ難くカオスなこの心に通る線路は途中で途絶えているとしか思えない。経路は?経由は?燃料は?時間は?荷物は?何もかもが不足して逼迫してゆくのに気づかないふりをしてただ愛のない朝に抱かれていよう。叫