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2016年03月01日17:12

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『春蘭と秋菊の競艶』第1話

 『寝室のドレスコード』で「女体化双子の百合が見たかったです」という反応をいただきましたので、書いてみました。エロの表現力をもっと磨かないとなぁと反省しきりの作品になりました。
 R-18に該当しない部分をmixiの日記に掲載していきます。
 私の心の中のアケローオス兄ちゃんが「どうせなら今度は雰囲気を変えてベビードールを着せたい」と言ったので、衣装もチェンジ。ドレスアップして本格的なデートに行くことになりました。
 タイトルの意味は、「サガとカノンとどちらが良い?」と尋ねられたアケローオスが、「春の蘭と秋の菊で、どちらもそれぞれ長所がある」と答えたことに由来します。(『例えばこんな愛の形』中編)

サガに着せた分のイメージは以下の通り
ブラジャー
http://spicelingerie.jp/?pid=96993856
ガーターベルト&パンティー&ストッキング
http://spicelingerie.jp/?pid=91276426
ベビードール
http://spicelingerie.jp/?pid=76341116
ドレス
http://www.milanoo.jp/product/lace-panel-ruched-evening-dress-p257056.html#m27202

カノンに着せた分のイメージは以下の通り
ブラジャー
http://spicelingerie.jp/?pid=95056671
ガーターベルト&パンティー&ストッキング
http://spicelingerie.jp/?pid=95055314
ベビードール
http://spicelingerie.jp/?pid=76342058
ドレス
http://www.lightinthebox.com/ja/trumpet-mermaid-jewel-court-train-velvet-evening-dress-2067617_p2067617.html?prm=1.2.1.0

首飾りのイメージはこれ。リファインされた「ホープダイヤモンド」。
http://mondiam-alpha.mondiam.jp/wp-content/uploads/2014/06/o0640048011015166500.jpg

 二週間で衣装(それも手縫い)を仕上げたニンフや首飾りを製作したヘファイストス工房の皆さんはさすがの神技です。今回はノーブルな雰囲気で決めたアケローオス兄ちゃんだが、よれたTシャツにジーンズで場末の労働者に扮してもそれなりに似合うと思う。基本的に庶民派の神様だし。…一晩のデートに50万円くらい使っちゃうレベルの「庶民派」だけどな!部屋代より高いワインを飲んでやがるぜ!
 双子たち、男に戻ったらドレスと下着は着ようがないけど、ファーコートは男性用に仕立て直して着られるんじゃないかなぁ。
 参照作品は『例えばこんな愛の形』http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1942998622&owner_id=4632969『執着と愛の境界線』http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=4632969&id=1944928878『常識についての一考察』http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=4632969&id=1946155592『時には愛の言葉を』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5848132『いい双子の日』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6082772『双子の日』http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1960490822&owner_id=4632969『寝室のドレスコード』http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1950098945&owner_id=4632969 アケローオスについては『ハルモニアの首飾り』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3513947『ドナウの白波 黄金の酒』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4939909『セクアナの泉』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4970379を参照。
 しかし『ハルモニアの首飾り』を書いた時にはアケローオス兄ちゃんがこんな便利キャラになるとは思いもしなかった。そのうち大ダコに化けて双子相手に触手プレイでもやってくれそうだ(←おい)。


『春蘭と秋菊の競艶』第1話

 さて、アケローオスとカノンとサガが、なぜだかもはや当たり前のような顔をしてアテネ市のホテルで三人でお泊りしていた時のことである。
 情事の後の気怠さと満足感に包まれていたカノンが、兄の体を抱いて愛撫しながらこう言った。
「なぁ…サガ、お前、この間、女になってアケローオスから贈られた下着をつけたんだって?」
「ああ、それがどうかしたか?」
 半ばとろとろとまどろみながら答えたサガに、弟は語気を強めてこう言った。
「おれもその姿が見たい!」
「…は?」
 ぱっちりとサガは目を見開いた。間近では弟が真剣な眼差しとどこかすねたような表情で言った。
「だってアイオロスの奴には見せたんだろう?だったらおれにも見せろ」
「見せろって…」
「いいだろう?アケローオスとアイオロスは見たのに、おれが見たことがないなんて、不公平だ」
「馬鹿を言うな。あんな格好、二度としてたまるか」
「減るもんじゃないし、いいじゃないか」
「嫌なものは嫌だ」
「ケチ。見せてくれよ〜、兄さん」
「だめ」
「ちょっとだけでいいから」
「無理」
「サガ〜」
 サガに甘えてせがんで見せたカノンだが、兄の鉄壁の防御が揺るがないとみるや、隣に寝ていたアケローオスに助力を求めた。
「なぁ、アケローオス、あんたからもサガを説得してくれよ」
「…またお前のわがままが始まったな」
 苦笑したアケローオスが自分の手を頭の下に入れて組む。
「おれに泣きつけば何でも言うことを聞いてもらえると思ってるだろう、お前」
「いいじゃないか。あんたは女の方が好きなんだし、サガが女になったほうがいいだろう?」
「まあ、それはそうだが…」
 と、アケローオスは横向きになって頬杖をつき、双子に向き直った。
「よし、カノン、それならお前も女になれ」
「…は?」
 アケローオスの提案に、カノンは目を丸くした。
「サガだけ女になるのは不公平だろう?お前も女になって、下着姿をサガに見せてやれ。それで痛み分けだ」
「え〜!?なんでおれまで…。おれだってあんな格好は二度としたくないぞ」
 カノンは明らかな不服の声を漏らした。
「自分がしたくないことを兄に強制するなよ」
「だってさー」
 ごねるカノンに、サガがつんと冷たく顔を背ける。
「カノン、お前が女にならないのなら、私も女にはならないぞ」
 つれない兄の態度に、ちぇ、とカノンは唇を尖らせた。
「仕方ないなぁ。じゃあ、おれも女になるから、お前も女になれよ、サガ」
「いいだろう」
「約束だぞ!」
「男に二言はない!」
 がしっと手を握りしめ合って、双子は雄々しく約束した。
 約束の内容は、「女体化して下着姿を見せあおうぜ」というトホホな内容ではあったが。
「せっかくだ。この前とは雰囲気を変えるか。新しい下着を買ってやる」
「…え?」
 楽しそうに河神が言う。
「下着だけではつまらんな。この際だからドレスも用意しよう。着飾って三人でデートとしゃれこむか」
 その言葉にカノンが呆れた顔になる。
「あんた…何を考えてるんだよ」
「何って…。おれが楽しむことを」
 アケロ―オスが体の向きを仰向けに変えると、カノンは彼の上にまたがって覆いかぶさった。 
「あんたって本当に変態だよな。この変態!変態!変態!」
「そこまで念押ししなくていいだろうが」
「どスケベ。色魔。女狂い。万年発情男。底なしの絶倫」
 悪口をアケローオスの顔の間近で言い続けるカノンだったが、その様子はどちらかというと女がしなを作って男に甘える様に似ていた。多彩な罵詈雑言を聞かされるアケローオスも、むしろ楽しそうな顔で自分にすり寄ってくるカノンの体を抱き返している。
「おれに力を使わせてサガを女にしようと言うのだから、その代償を払うのは当然だろう?」
「う〜、だけどさ〜」
「女になったサガの下着姿…見たいんだろ?」
「…見たい」
「なら、女になるだろ?」
「…なる」
 「女体化したサガの下着姿を見たい」という一心で、結局カノンは譲歩した。ぶすっとふてくされた表情は女になることへの不平を現していたが、女になった兄の下着姿を見たいという欲求の方が不平を上回ったのだった。たいがいな弟である。人のことを変態と罵れる義理ではない。
「サガ、お前もそれでいいな?」
 右腕でカノンを抱きながら、アケローオスは左腕でサガを抱きよせた。
「カノンもなるなら…」
 と、サガも同意した。サガも自身が女になることには抵抗があったが、カノンが女になるのに自分はならなければ、女を好むアケローオスは自分よりカノンのほうを可愛がるかもしれないという不安が彼にはあった。サガは性格的に弟ほどわがままを言って積極的にアケローオスに甘えるということができなかったが、アケローオスにわがまま放題を言って、しかもそれが受け入れられているカノンを見ていると、アケローオスの気持ちはやはり自分よりカノンの方に向いているのではないかと心配になってくるのだ。サガは、内心ではこの「大兄さん」には弟より自分の方を贔屓して欲しかったし、それができないなら自分も弟も等しく愛して欲しかった。
「では二週間後におれの館でまた会おう。その時までに色々と手配しておく」
 双子の気持ちをどこまで分かっているのか、アケローオスは両脇に抱いた双子にそれぞれ一つずつキスをしたのだった。

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