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2015年06月03日11:49
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構成 ハメルンのうわさ・予告編 2/
ねこ （助け起こそうと…）
佑介 いい、いい。
じゃこ （我にかえり、途方に暮れて）あ、ノ…、
佑介 （静かに）ん？ 何でもないよ。続けよう。
じゃこ （あるミジメさにみちて）ウン…だからね、ここには移民の問題があると思ったんだナ…。
佑介 （静かに）移民。
じゃこ ウン。
佑介 移民かぁ。
じゃこ ウン…。
佑介 なぜ移民を？
じゃこ え、なぜかしら…。
佑介 （ねこきのこに）どうしてだろう…？
ねこ、黙っている。きのこ、何かいいそうにするのを、ねこ、小突いてやめさせ、じゃこ佑介を注視。
佑介 （立っていって、静かに、かつ執拗に）なぜさ…？
じゃこ （やがてみじめに、辛そうに）アキたか…、追い出されたか…、あとは、ビンボーで逃げたか…。
佑介 ウン。君だったら？
じゃこ え？（驚いて、上目づかいに見あげ）私のことは別に…。
佑介 でも、ヒントになるじゃん。手掛かりはないんだから。
じゃこ 私じゃないもん、いなくなったのは。
佑介 そんなら君は、どんな時に家出するの？
じゃこ （痛い）
きのこ （気が気でなく立ちかける…）
ねこ （ソッと）待って。
じゃこ （遂に思いきって、語りだす）…こんなとこに、いたかないよ。…私の町じゃないよ、ココは。こないださ、初めて、トーキョーのライヴハウス、行ったんよ。でも、十時で電車、なくなんだよね。どしたらいいの？ ヴォーカルの人にさ、せっかく会えたんよ、そんなのに、キミ靴に泥ついてるね、しかもソレ、スクール革靴でしょ。…私さ、バカじゃないと思ってんのよ、それが、ココに住んでんだけでバカにされんのなんて、いいこと、悪いこと？きのうジイちゃんのジイちゃんってハナシしたけどさ、ホントはジイちゃんの仕事だって、どこ住んでたかだって、知らんの。千葉家がどこのウチかも知らんの。ただ、ココのうちじゃない。うちの人、みんな、ココ好きじゃないみたいだもん。住んで、食べて、寝てんだけ。いたって仕方ない。私、出たい。ココも、ウチも、出たいよう…！（ぐったりする）
ねこきのこ （顔見あわせて、息を呑む）
佑介 じゃあ…、ハメルンの子どもたちがどんなキモチだったら、共感できる？
じゃこ そりゃ、私に似てれば…。（考える）でも、こんなやり方で、近づけるのかナ…。（と、おもねるような表情になっている）
佑介 （ゆとりで）いや、ハハ、そりゃダメかもしれないけどさ、面白いじゃん。
ねこ …面白くない。
佑介 え？
ねこ なーんか、面白くない。ユウ君、何か、ゆくないなそれ。
佑介 何が？
ねこ （いったん無視し、じゃこの肩ゆすり）じゃこ、しっかりしなよ、なんか変だよちょっと。
じゃこ ナニよ、どーしたのよ？
ねこ ヘンだ！
じゃこ だからナニが？
ねこ （イライラして）あんたっ、目が、うるんでるよ。なんか、媚びがあるよ？ いつもの強気、どこいった？ ナンで今日はシキらない？ 変にくねくねしてっぞ、どうしたんだ？
じゃこ ？
ねこ …あたし、バカだけどっ。うまくいえないけどっ。ナンか今のは間違ってた。
佑介 そんな、どう…、
きのこ （小声で、しかしこれもキッパリ）やなカンジ。
佑介 何だよ、分かんないよ？
ねこ （佑介に）じゃこ、本で調べてきてたんだ。そんでいんだ。だから（すごく怒って）告白なんか、させなくたっていいべ…?!
じゃこ …。（のの字、書いている）
ねこ （それチラと見て）ユウ君、あんた、ひどいぞちょっと。
じゃこ もういいじゃん…。
ねこ よくないっ。しっかりしろっ。
佑介 どうしろってのさ。
ねこ 風呂でも入ってこい。不潔だぞ。
佑介 ――ちっ。
佑介、ふてくされて去り、間。
じゃこ （フと、実感こもって）嵐、こないかな…。
明るい女声コーラス「海へ。」【Ｍ５】
♪あらしのあさの まどろみのなか
つばさつけて とぶゆめみてた
かわはあふれてる
やりたいこと すこしもわからず
いらいらして いすならしてる
ちいさなこぶし
まちも
とおりも
でんしゃもこうしゃも
つちもはなもやみもそらも
（愛も）
ややこしいつきあいとか
あすもきょうもきのうも
ながされればいいのに…
きのこ …卒業したらさー。
ねこ まだ先だって。
きのこ 旅行でも、行こうかなー。
ねこ …ウン。
暗転。雷板による雷鳴、レイン・スティックによる雨音。風雨と一緒に駆け込んでくるゲゼル。【Ｍ６・バリス・ヴァリオナス「エレジー」、ヴァイオリン演奏ギドン・クレーメル】
ゲゼル ケーテ！ ケーテ！
ゲマイン あなた、一体どうしたの。
ゲゼル よく聞いてくれケーテ。落着いてよく聞くんだ。
ゲマイン ？？
ゲゼル たぶん、まもなく戦争になる。（雷鳴。風雨しげく聞こゆ）
ゲマイン 戦争?!
ゲゼル ああ。今日、ケルンの大司教府から書状が届いた。此度貴市ハみんでん司教区ニ御分割御編入ノ事ト相成候間御快諾頂度存ジ候云々。
ゲマイン ミンデンって、だってあなた、ここは代々フルダの。
ゲゼル そうさ、だから。
ゲマイン だから…、
ゲゼル フルダの坊さん共、町を売りゃがったんだ。
ゲマイン そんな…！
ゲゼル そんなもこんなもねえ。寝耳に水さ。だから教会は信用ならねえんだ。
ゲマイン 断われないの？
ゲゼル 突ッ返したとも。だがどうせ金はもう支払われちまってる。それに何ていったって大司教さんの下達文だ、フルダにも急使を出したが、聞く耳もつ筈もねえ。
ゲマイン でも、まァ神様はひとつだし…。
ゲゼル ケーテ、しっかりしてくれよ。そうじゃねえんだ！ フルダの坊主たちゃ俺たちハメルン市民がウンといわねえことくれえ百も承知だ。だからこそ何もいってこねえで、こんな闇討ちみてえな真似しやがるんだ。いいかい？ いまミンデンを牛耳ってるっていや、ヴェルフェン公爵の山猫野郎だ。俺たちの敵はつまり、ハノーヴァー王国ってことになるんだぜ？ 今、ハノーヴァーにも早馬を駆けさせてる、でもお前も聞いてるだろう、あすこでしばらく前から何やらキナくせえ動きがあるってこたあ、分かってたんだ。うかつだったよ、ありゃ俺たちに攻め込んでくるための装備だったのさ。
ゲマイン 勝てっこないわ。
ゲゼル 普通に考えりゃその通りだ。だけど、じゃ、どうしたらいいんだい？ 荒地を拓いて何百年かけてこしらえてきたこの町、尻に帆かけて逃げ出すのか、行くあてがあるのか？ お前だってどこに親類がいるっていうんだ？
ゲマイン なんとかなるわよ。
ゲゼル ならんね！ どっかの町の貧民窟に流れてくのが落ちさ。真っ平だね。死なねえだけでいいのかい、ふるふる御免だ。先祖の苦労は何のためだ？ 家を捨てちゃ申し訳がたたねえよ。
ゲマイン あたしのこと、考えてる？
ゲゼル 山猫の餌にはさせねえさ。お前の心配はもっともだ。この市内に、斗える男がどれだけいる、五百か、六百か？ だが、それでもやらなけや、財産はおろか命まで根こそぎこそげ盗られるんだ、そういう時なんだ！
ゲマイン 伯爵様は、何て…？
ゲゼル やる気だってよ。議会も全会一致で評決したよ。
ゲマイン あなた、死なないでね…。
ゲゼル （抱く。独白で）――ゼデミューンデが、死に場所か…。
暗転。烈しい雷鳴と土砂降り！ 夜、宿直室。
浜川 （椅子で、聞き取りにくく）サディストじゃねえんだ、俺は…。サディスムはホンの一部でよう…。大事なのはエロスの問題よ…。ひとつの体にふたつの心ってことよ…。
桔梗、高みに現れる。田舎じみた平安調の装束。【Ｍ７・ドビュッシー「チェロ協奏曲」第一楽章】
桔梗 小次郎殿。結局あなたは何をなさりたかったのですか。あなたはふたつの世界を見ておいでだ。ずっと昔、葦の水路をわけて沼地の奥深く、田舟に遊んだことがありましたね。まだいくさの起こる気配すらない、のどかな坂東の眠ったような午後でした。魚さえ浮いたまま触れても逃げぬほどでございました。（雷鳴）しかしあなたはその空に、何かまるで違うものを見ておいでだった。まるでおそれながらという風情で、あなたが口にしたことばが忘れられません。桔梗、オニフクベに毒があることを知っているか。ありゃ毒きのこなんだ。誰も知らぬが本当のことだ。この坂東には恐ろしいものがまだまだあるぞ。そいつを証明しようとしてフクベを食ったやつがいる。四日たったらそいつは棺桶に入っちまった。（雷鳴）桔梗、がらんどうなんだ、この沼の底にはフクベの空洞のようなおそろしい虚空が広がっている。陣太鼓もこの土地では、空にではなく、地下だ、根の国に広がるがらんどうに木霊するのだ。よく覚えておけよ桔梗。俺はそのがらんどうの上に国を建てるのだ。
浜川 （そちらを見ずに、独白で）…キッコくん、君は、愛をどう思う。
桔梗 愛？ あなたの愛ならば分かっています。それは私にはむかっていない。
浜川 そんなことは…、
桔梗 （遮って）いいえ、あなたさまのは呪われた愛。行き場のない愛。愛でない愛。自己愛。
浜川 だが、純粋だ。
桔梗 信じません。
浜川 信じない？
桔梗 小次郎殿。あなたには魔物が憑いております。
浜川 （大声で）そうさ！ 魔物と俺と、合わせて四つの目で俺は見るのだ。
桔梗 そのことではありません。
浜川 では、何だ。
桔梗 ふたつの世界なら、私にもあります。
浜川 ――え。
桔梗 私に限ったことではございますまい。この近在の郎党田つくり、およそどんなつまらぬ者の目の底にも、白い空、動かぬ空、首括りの杭を打ちこんだ邪悪な空、そんなものは見えておることでございましょう。何故かなれば、これこそがすなわちアヅマの心。都の方々には決してお分かりになれぬ、ふたえになったアヅマの景色。あなたの独占ではないのです。
浜川 誰にでも見えている…？ そんなら、魔とは？
桔梗 重なり合った景色にむかって、しかしあなたは突き進んで行こうとなさる。虹の根方を求める龍神退治のわる武者のように、無理なことにこだわろうとなさる。それは悪です。二重の空は、語ってもいけないし解いてもいけない。見てさえ、呪いをうけましょう。私どもはそれを知って、ひそかに細々と生きてきた。土地を離れること適わぬ奴ばらは、土地の呪いをおそれるのです。けれどもあなたは、マレビトのあなたは、謎を解こうとなされた。それが魔です。知ってはならないこともあるのです。
浜川 分からん。こだわることは、理解することだ。分かろうとするのが学問で、人生で、哲学で、職業だ。手放せっていうのか？ そんならキッコくん、ただのんべんと、生きていろというのか。
桔梗 ふたつの世界のどちらかを、人は生きのびてゆくもの。
浜川 （いらだち）知っている！ だが俺には、そのはざまが気になるんだ。太刀のひらめき、河口のひかり。生と死との刃渡りが、俺のやりたいこと。分からないのか。
桔梗 存分になされませ。しかしもう、巻きこまないで頂きとうございます。畢竟それはあなたのご興味。ご興味はご興味で結構でございます。しかし、ならばこの地の戦乱を、どうお治めになるおつもりです？ あなたさまの熱病が民草に感染ってしまったのですよ、どんな始末をお考えです。――桔梗、愛しておりました、でもつくづく、愛想が尽き果てました。
浜川 俺は…、マレビトだろうか…？
桔梗 所詮は。…（消えてゆく）
浜川 待ってくれ、キッコ。俺の世界を、聞いてくれ…！
幻を追うと、つまづいて倒れる。
浜川 俺はつむじ風、根づけなかった土地、ここより立ち去れ、花一輪も持たず去れというか。――こんな時、将門なら…。
暗転。
やがて…、キーンコーンカーンコーン、とトイ・シロホンのチャイム。昼間の土手の上。ねこひとり、ドドド、バシャバシャッと駆けてきて。【Ｍ８・トセリ「セレナーデ」、ヴァイオリン演奏ロビー・ラカトシュ】
ねこ おーい、はやくうー！
佑介 （まだ声だけで）無理だよそんな…。
ねこ ケンケンで来ーい。
佑介 ムチャクチャいうなあ、もう。（現れる）
ねこ 大丈夫？ 上がってこれる？
佑介 うん、ちょっと待って。ふう、オッケー。
ねこ ユウ君、あんた傘は？
佑介 ん、ないや。
ねこ ないやって、じゃ、どうやって来たん？
佑介 （曖昧に）ウン…。（見はるかし）うわー、この、景色…！
ふたり、しばし眺望し、ねこ傘さしかけてやる。
佑介 何ていうの…、ボウボウっていうの…？
ねこ 草ボウボウ。
佑介 そうじゃなくて、何つーか、平らで、あの川、すごいノロノロ流れてるし…。
ねこ （ひとり木魂のように）夏草やーあ！
佑介 水墨画みたいだねー。まァどっちかっていうとコウ、アングル、横だけど（ト、指で構図とってみる）。
ねこ 古戦場だってさ。
佑介 へーえ。いつの？
ねこ えー？ 何だっけ。ナントカナントカの乱っていってぇ、タイラのナントカってのとフジワラのナントカってのがぁー、
佑介 ナントカ？
ねこ んー忘れた。父ちゃんに訊いとくわ。うち、こっち？
佑介 えーと、多分…。まだ分かんなくて。この土手、いつも通ってんの？
ねこ ウン、ここか、表門でて国道の方いくかなんだけど、あっちはダンプ街道で危なっかしんだよね。その足、事故？
佑介 ン、そうじゃないんだ。
ねこ すっごいの見たっけー、こないだ。軽トラが砂ダンプに挟まれてさー。つっぷれて五〇センチ位になってんの！
佑介 五〇センチ？ こんくらい？
ねこ そんげん！ 死んだよねー、おっかねェ。
佑介 こっち、通ろう。
ねこ ウン、じゃ一緒だね。あ、（誰か見つけ）浮島の小父さーん！
野良着に合羽かぶって土嚢かついだ、消防団員がやってくる。
浮島 ようよう、ねこちゃんけ。まいんち、よく降んな。
ねこ ねー。こんちは。
浮島 お、今日は彼氏と一緒だなや。
ねこ 彼氏なんてー！ すーぐ小父さんたらモウ。
浮島 相合傘かー、ヒヒヒヒ！（ト一瞬すごいテンション）
ねこ 違うってば！ ユウ君。
佑介 あ、はじめま…
浮島 ども。（ねこに）じゃこちゃんたちは、今日はよ？
ねこ んー、まだ残ってる。
浮島 そうけえ。
ねこ 何かついでんの？
浮島 ん。また嵐になるってからよ。
ねこ 梅雨からそのまんま嵐？
浮島 ふう。近頃の天気は、よっぽどおかしな。北風ぱっかし吹いて、夏もこねのにもう秋だ。台風ももう十六号まで来てるってよ、奇態だなや。土手のいぐれてっとこ、埋（の）めっとかねえと、あぶねえかんな。
ねこ あっち、小父さんとこの田んぼ？
浮島 ん、あの辺と、そいからあっちのレンコン田とな。うちのもあっし、どこもかしこも、ま、いっぺん切りたらハア、てえへんだもんな。
ねこ そーねー。
浮島 まあ消防の仕事つってもよ、火ィ消すよりこっちの方がよっぽど容易じゃねえよ。
ねこ ふーん。カッコイイじゃん。
浮島 バカ、大人さからかんでねえ。
ねこ ホントよー。（佑介に）ねぇ？
佑介 ハハ。
浮島 …ほっじゃな。また寄りな。
ねこ うん。
浮島 （行きながら）ねこちゃんはハア、茶のみ婆ッつぁまだかんなー。
ねこ もう！
浮島 したっけな。
ねこ ウン。小母ちゃんによろしくねー！（佑介に）どしたの、元気ない？
佑介 いや…、その、コトバが分かんなくて。
ねこ え、そーだった？ えーホント？ っちゃー、ダッサー！
佑介 キミ、二種類しゃべれるんだね。
ねこ そーかなあ?! え、あたしってそう？ ウソ！
佑介 ノメットクって、何？
ねこ ノメるってな、埋めることだっぺ。（ハッとして）…そーか、違うわやっぱ。
佑介 ズルってノメるんじゃないんだ…。
ねこ ズルってノメってどうすんの。うーん、こりゃ困ったぞ…。
ふたり、立ってふたたび見晴るかす。柝が入り、墨で『はめるんのうわさ』と大書きした横断幕が舞台を覆って――
幕
●
口上役 いかがでしたか？ この劇は、『ハメルンのうわさ』の予告編です。本当は二時間以上あるお話の、ほんのさわりの部分だけを今日は上演しました。いつの日か、全幕上演ができることを願って、三年選択国語クラス一同、これからもしっかり取り組んでいきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
全員による混声コーラス、「天と地と」【Ｍ９】
♪木星のみおろす畦を
自転車でのんびり帰る
ざあざあとコンクリ堰が
私らの冷えたステージ
靴脱いでわたしはかもめ
花束を虚空になげる
藪かげにひなぎくの咲く
十代にまだ酔っていたい
半月のみおろす橋を
僕たちは駆け抜けていた
音もなく黒く流れる
大川に心がうつる
もりうごく破滅の日まで
はずれまい鉄の橋から
かやねずみひそかに鳴いて
英雄に憧れている
おしまい。
上演記録
取手市立東中学校三年選択国語クラス／二〇〇〇年一〇月二九日／同校体育館／演出・高野竜／音楽・酒井康志／出演・岩井百希恵・内田武志・瓜生智世・小野民歌・梶原美奈子・�錨頂漫�小林陽一・斎藤英美・佐藤朝子・嶋さおり・鈴木祐太・高橋智美・寺田あゆみ・徳田香緒里・徳田由香里・中村真紀・ながやまけいすけ・南都紗希・根本みどり・野沢鮎美・花澤舞・藤田かおり・増田哲也・もぎしんいち・山崎佳代子・由賀由貴ほか同校生徒三一名／制作総指揮・酒井健志／協力・鈴木大介、秋葉正子
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佑介 いい、いい。
じゃこ （我にかえり、途方に暮れて）あ、ノ…、
佑介 （静かに）ん？ 何でもないよ。続けよう。
じゃこ （あるミジメさにみちて）ウン…だからね、ここには移民の問題があると思ったんだナ…。
佑介 （静かに）移民。
じゃこ ウン。
佑介 移民かぁ。
じゃこ ウン…。
佑介 なぜ移民を？
じゃこ え、なぜかしら…。
佑介 （ねこきのこに）どうしてだろう…？
ねこ、黙っている。きのこ、何かいいそうにするのを、ねこ、小突いてやめさせ、じゃこ佑介を注視。
佑介 （立っていって、静かに、かつ執拗に）なぜさ…？
じゃこ （やがてみじめに、辛そうに）アキたか…、追い出されたか…、あとは、ビンボーで逃げたか…。
佑介 ウン。君だったら？
じゃこ え？（驚いて、上目づかいに見あげ）私のことは別に…。
佑介 でも、ヒントになるじゃん。手掛かりはないんだから。
じゃこ 私じゃないもん、いなくなったのは。
佑介 そんなら君は、どんな時に家出するの？
じゃこ （痛い）
きのこ （気が気でなく立ちかける…）
ねこ （ソッと）待って。
じゃこ （遂に思いきって、語りだす）…こんなとこに、いたかないよ。…私の町じゃないよ、ココは。こないださ、初めて、トーキョーのライヴハウス、行ったんよ。でも、十時で電車、なくなんだよね。どしたらいいの？ ヴォーカルの人にさ、せっかく会えたんよ、そんなのに、キミ靴に泥ついてるね、しかもソレ、スクール革靴でしょ。…私さ、バカじゃないと思ってんのよ、それが、ココに住んでんだけでバカにされんのなんて、いいこと、悪いこと？きのうジイちゃんのジイちゃんってハナシしたけどさ、ホントはジイちゃんの仕事だって、どこ住んでたかだって、知らんの。千葉家がどこのウチかも知らんの。ただ、ココのうちじゃない。うちの人、みんな、ココ好きじゃないみたいだもん。住んで、食べて、寝てんだけ。いたって仕方ない。私、出たい。ココも、ウチも、出たいよう…！（ぐったりする）
ねこきのこ （顔見あわせて、息を呑む）
佑介 じゃあ…、ハメルンの子どもたちがどんなキモチだったら、共感できる？
じゃこ そりゃ、私に似てれば…。（考える）でも、こんなやり方で、近づけるのかナ…。（と、おもねるような表情になっている）
佑介 （ゆとりで）いや、ハハ、そりゃダメかもしれないけどさ、面白いじゃん。
ねこ …面白くない。
佑介 え？
ねこ なーんか、面白くない。ユウ君、何か、ゆくないなそれ。
佑介 何が？
ねこ （いったん無視し、じゃこの肩ゆすり）じゃこ、しっかりしなよ、なんか変だよちょっと。
じゃこ ナニよ、どーしたのよ？
ねこ ヘンだ！
じゃこ だからナニが？
ねこ （イライラして）あんたっ、目が、うるんでるよ。なんか、媚びがあるよ？ いつもの強気、どこいった？ ナンで今日はシキらない？ 変にくねくねしてっぞ、どうしたんだ？
じゃこ ？
ねこ …あたし、バカだけどっ。うまくいえないけどっ。ナンか今のは間違ってた。
佑介 そんな、どう…、
きのこ （小声で、しかしこれもキッパリ）やなカンジ。
佑介 何だよ、分かんないよ？
ねこ （佑介に）じゃこ、本で調べてきてたんだ。そんでいんだ。だから（すごく怒って）告白なんか、させなくたっていいべ…?!
じゃこ …。（のの字、書いている）
ねこ （それチラと見て）ユウ君、あんた、ひどいぞちょっと。
じゃこ もういいじゃん…。
ねこ よくないっ。しっかりしろっ。
佑介 どうしろってのさ。
ねこ 風呂でも入ってこい。不潔だぞ。
佑介 ――ちっ。
佑介、ふてくされて去り、間。
じゃこ （フと、実感こもって）嵐、こないかな…。
明るい女声コーラス「海へ。」【Ｍ５】
♪あらしのあさの まどろみのなか
つばさつけて とぶゆめみてた
かわはあふれてる
やりたいこと すこしもわからず
いらいらして いすならしてる
ちいさなこぶし
まちも
とおりも
でんしゃもこうしゃも
つちもはなもやみもそらも
（愛も）
ややこしいつきあいとか
あすもきょうもきのうも
ながされればいいのに…
きのこ …卒業したらさー。
ねこ まだ先だって。
きのこ 旅行でも、行こうかなー。
ねこ …ウン。
暗転。雷板による雷鳴、レイン・スティックによる雨音。風雨と一緒に駆け込んでくるゲゼル。【Ｍ６・バリス・ヴァリオナス「エレジー」、ヴァイオリン演奏ギドン・クレーメル】
ゲゼル ケーテ！ ケーテ！
ゲマイン あなた、一体どうしたの。
ゲゼル よく聞いてくれケーテ。落着いてよく聞くんだ。
ゲマイン ？？
ゲゼル たぶん、まもなく戦争になる。（雷鳴。風雨しげく聞こゆ）
ゲマイン 戦争?!
ゲゼル ああ。今日、ケルンの大司教府から書状が届いた。此度貴市ハみんでん司教区ニ御分割御編入ノ事ト相成候間御快諾頂度存ジ候云々。
ゲマイン ミンデンって、だってあなた、ここは代々フルダの。
ゲゼル そうさ、だから。
ゲマイン だから…、
ゲゼル フルダの坊さん共、町を売りゃがったんだ。
ゲマイン そんな…！
ゲゼル そんなもこんなもねえ。寝耳に水さ。だから教会は信用ならねえんだ。
ゲマイン 断われないの？
ゲゼル 突ッ返したとも。だがどうせ金はもう支払われちまってる。それに何ていったって大司教さんの下達文だ、フルダにも急使を出したが、聞く耳もつ筈もねえ。
ゲマイン でも、まァ神様はひとつだし…。
ゲゼル ケーテ、しっかりしてくれよ。そうじゃねえんだ！ フルダの坊主たちゃ俺たちハメルン市民がウンといわねえことくれえ百も承知だ。だからこそ何もいってこねえで、こんな闇討ちみてえな真似しやがるんだ。いいかい？ いまミンデンを牛耳ってるっていや、ヴェルフェン公爵の山猫野郎だ。俺たちの敵はつまり、ハノーヴァー王国ってことになるんだぜ？ 今、ハノーヴァーにも早馬を駆けさせてる、でもお前も聞いてるだろう、あすこでしばらく前から何やらキナくせえ動きがあるってこたあ、分かってたんだ。うかつだったよ、ありゃ俺たちに攻め込んでくるための装備だったのさ。
ゲマイン 勝てっこないわ。
ゲゼル 普通に考えりゃその通りだ。だけど、じゃ、どうしたらいいんだい？ 荒地を拓いて何百年かけてこしらえてきたこの町、尻に帆かけて逃げ出すのか、行くあてがあるのか？ お前だってどこに親類がいるっていうんだ？
ゲマイン なんとかなるわよ。
ゲゼル ならんね！ どっかの町の貧民窟に流れてくのが落ちさ。真っ平だね。死なねえだけでいいのかい、ふるふる御免だ。先祖の苦労は何のためだ？ 家を捨てちゃ申し訳がたたねえよ。
ゲマイン あたしのこと、考えてる？
ゲゼル 山猫の餌にはさせねえさ。お前の心配はもっともだ。この市内に、斗える男がどれだけいる、五百か、六百か？ だが、それでもやらなけや、財産はおろか命まで根こそぎこそげ盗られるんだ、そういう時なんだ！
ゲマイン 伯爵様は、何て…？
ゲゼル やる気だってよ。議会も全会一致で評決したよ。
ゲマイン あなた、死なないでね…。
ゲゼル （抱く。独白で）――ゼデミューンデが、死に場所か…。
暗転。烈しい雷鳴と土砂降り！ 夜、宿直室。
浜川 （椅子で、聞き取りにくく）サディストじゃねえんだ、俺は…。サディスムはホンの一部でよう…。大事なのはエロスの問題よ…。ひとつの体にふたつの心ってことよ…。
桔梗、高みに現れる。田舎じみた平安調の装束。【Ｍ７・ドビュッシー「チェロ協奏曲」第一楽章】
桔梗 小次郎殿。結局あなたは何をなさりたかったのですか。あなたはふたつの世界を見ておいでだ。ずっと昔、葦の水路をわけて沼地の奥深く、田舟に遊んだことがありましたね。まだいくさの起こる気配すらない、のどかな坂東の眠ったような午後でした。魚さえ浮いたまま触れても逃げぬほどでございました。（雷鳴）しかしあなたはその空に、何かまるで違うものを見ておいでだった。まるでおそれながらという風情で、あなたが口にしたことばが忘れられません。桔梗、オニフクベに毒があることを知っているか。ありゃ毒きのこなんだ。誰も知らぬが本当のことだ。この坂東には恐ろしいものがまだまだあるぞ。そいつを証明しようとしてフクベを食ったやつがいる。四日たったらそいつは棺桶に入っちまった。（雷鳴）桔梗、がらんどうなんだ、この沼の底にはフクベの空洞のようなおそろしい虚空が広がっている。陣太鼓もこの土地では、空にではなく、地下だ、根の国に広がるがらんどうに木霊するのだ。よく覚えておけよ桔梗。俺はそのがらんどうの上に国を建てるのだ。
浜川 （そちらを見ずに、独白で）…キッコくん、君は、愛をどう思う。
桔梗 愛？ あなたの愛ならば分かっています。それは私にはむかっていない。
浜川 そんなことは…、
桔梗 （遮って）いいえ、あなたさまのは呪われた愛。行き場のない愛。愛でない愛。自己愛。
浜川 だが、純粋だ。
桔梗 信じません。
浜川 信じない？
桔梗 小次郎殿。あなたには魔物が憑いております。
浜川 （大声で）そうさ！ 魔物と俺と、合わせて四つの目で俺は見るのだ。
桔梗 そのことではありません。
浜川 では、何だ。
桔梗 ふたつの世界なら、私にもあります。
浜川 ――え。
桔梗 私に限ったことではございますまい。この近在の郎党田つくり、およそどんなつまらぬ者の目の底にも、白い空、動かぬ空、首括りの杭を打ちこんだ邪悪な空、そんなものは見えておることでございましょう。何故かなれば、これこそがすなわちアヅマの心。都の方々には決してお分かりになれぬ、ふたえになったアヅマの景色。あなたの独占ではないのです。
浜川 誰にでも見えている…？ そんなら、魔とは？
桔梗 重なり合った景色にむかって、しかしあなたは突き進んで行こうとなさる。虹の根方を求める龍神退治のわる武者のように、無理なことにこだわろうとなさる。それは悪です。二重の空は、語ってもいけないし解いてもいけない。見てさえ、呪いをうけましょう。私どもはそれを知って、ひそかに細々と生きてきた。土地を離れること適わぬ奴ばらは、土地の呪いをおそれるのです。けれどもあなたは、マレビトのあなたは、謎を解こうとなされた。それが魔です。知ってはならないこともあるのです。
浜川 分からん。こだわることは、理解することだ。分かろうとするのが学問で、人生で、哲学で、職業だ。手放せっていうのか？ そんならキッコくん、ただのんべんと、生きていろというのか。
桔梗 ふたつの世界のどちらかを、人は生きのびてゆくもの。
浜川 （いらだち）知っている！ だが俺には、そのはざまが気になるんだ。太刀のひらめき、河口のひかり。生と死との刃渡りが、俺のやりたいこと。分からないのか。
桔梗 存分になされませ。しかしもう、巻きこまないで頂きとうございます。畢竟それはあなたのご興味。ご興味はご興味で結構でございます。しかし、ならばこの地の戦乱を、どうお治めになるおつもりです？ あなたさまの熱病が民草に感染ってしまったのですよ、どんな始末をお考えです。――桔梗、愛しておりました、でもつくづく、愛想が尽き果てました。
浜川 俺は…、マレビトだろうか…？
桔梗 所詮は。…（消えてゆく）
浜川 待ってくれ、キッコ。俺の世界を、聞いてくれ…！
幻を追うと、つまづいて倒れる。
浜川 俺はつむじ風、根づけなかった土地、ここより立ち去れ、花一輪も持たず去れというか。――こんな時、将門なら…。
暗転。
やがて…、キーンコーンカーンコーン、とトイ・シロホンのチャイム。昼間の土手の上。ねこひとり、ドドド、バシャバシャッと駆けてきて。【Ｍ８・トセリ「セレナーデ」、ヴァイオリン演奏ロビー・ラカトシュ】
ねこ おーい、はやくうー！
佑介 （まだ声だけで）無理だよそんな…。
ねこ ケンケンで来ーい。
佑介 ムチャクチャいうなあ、もう。（現れる）
ねこ 大丈夫？ 上がってこれる？
佑介 うん、ちょっと待って。ふう、オッケー。
ねこ ユウ君、あんた傘は？
佑介 ん、ないや。
ねこ ないやって、じゃ、どうやって来たん？
佑介 （曖昧に）ウン…。（見はるかし）うわー、この、景色…！
ふたり、しばし眺望し、ねこ傘さしかけてやる。
佑介 何ていうの…、ボウボウっていうの…？
ねこ 草ボウボウ。
佑介 そうじゃなくて、何つーか、平らで、あの川、すごいノロノロ流れてるし…。
ねこ （ひとり木魂のように）夏草やーあ！
佑介 水墨画みたいだねー。まァどっちかっていうとコウ、アングル、横だけど（ト、指で構図とってみる）。
ねこ 古戦場だってさ。
佑介 へーえ。いつの？
ねこ えー？ 何だっけ。ナントカナントカの乱っていってぇ、タイラのナントカってのとフジワラのナントカってのがぁー、
佑介 ナントカ？
ねこ んー忘れた。父ちゃんに訊いとくわ。うち、こっち？
佑介 えーと、多分…。まだ分かんなくて。この土手、いつも通ってんの？
ねこ ウン、ここか、表門でて国道の方いくかなんだけど、あっちはダンプ街道で危なっかしんだよね。その足、事故？
佑介 ン、そうじゃないんだ。
ねこ すっごいの見たっけー、こないだ。軽トラが砂ダンプに挟まれてさー。つっぷれて五〇センチ位になってんの！
佑介 五〇センチ？ こんくらい？
ねこ そんげん！ 死んだよねー、おっかねェ。
佑介 こっち、通ろう。
ねこ ウン、じゃ一緒だね。あ、（誰か見つけ）浮島の小父さーん！
野良着に合羽かぶって土嚢かついだ、消防団員がやってくる。
浮島 ようよう、ねこちゃんけ。まいんち、よく降んな。
ねこ ねー。こんちは。
浮島 お、今日は彼氏と一緒だなや。
ねこ 彼氏なんてー！ すーぐ小父さんたらモウ。
浮島 相合傘かー、ヒヒヒヒ！（ト一瞬すごいテンション）
ねこ 違うってば！ ユウ君。
佑介 あ、はじめま…
浮島 ども。（ねこに）じゃこちゃんたちは、今日はよ？
ねこ んー、まだ残ってる。
浮島 そうけえ。
ねこ 何かついでんの？
浮島 ん。また嵐になるってからよ。
ねこ 梅雨からそのまんま嵐？
浮島 ふう。近頃の天気は、よっぽどおかしな。北風ぱっかし吹いて、夏もこねのにもう秋だ。台風ももう十六号まで来てるってよ、奇態だなや。土手のいぐれてっとこ、埋（の）めっとかねえと、あぶねえかんな。
ねこ あっち、小父さんとこの田んぼ？
浮島 ん、あの辺と、そいからあっちのレンコン田とな。うちのもあっし、どこもかしこも、ま、いっぺん切りたらハア、てえへんだもんな。
ねこ そーねー。
浮島 まあ消防の仕事つってもよ、火ィ消すよりこっちの方がよっぽど容易じゃねえよ。
ねこ ふーん。カッコイイじゃん。
浮島 バカ、大人さからかんでねえ。
ねこ ホントよー。（佑介に）ねぇ？
佑介 ハハ。
浮島 …ほっじゃな。また寄りな。
ねこ うん。
浮島 （行きながら）ねこちゃんはハア、茶のみ婆ッつぁまだかんなー。
ねこ もう！
浮島 したっけな。
ねこ ウン。小母ちゃんによろしくねー！（佑介に）どしたの、元気ない？
佑介 いや…、その、コトバが分かんなくて。
ねこ え、そーだった？ えーホント？ っちゃー、ダッサー！
佑介 キミ、二種類しゃべれるんだね。
ねこ そーかなあ?! え、あたしってそう？ ウソ！
佑介 ノメットクって、何？
ねこ ノメるってな、埋めることだっぺ。（ハッとして）…そーか、違うわやっぱ。
佑介 ズルってノメるんじゃないんだ…。
ねこ ズルってノメってどうすんの。うーん、こりゃ困ったぞ…。
ふたり、立ってふたたび見晴るかす。柝が入り、墨で『はめるんのうわさ』と大書きした横断幕が舞台を覆って――
幕
●
口上役 いかがでしたか？ この劇は、『ハメルンのうわさ』の予告編です。本当は二時間以上あるお話の、ほんのさわりの部分だけを今日は上演しました。いつの日か、全幕上演ができることを願って、三年選択国語クラス一同、これからもしっかり取り組んでいきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
全員による混声コーラス、「天と地と」【Ｍ９】
♪木星のみおろす畦を
自転車でのんびり帰る
ざあざあとコンクリ堰が
私らの冷えたステージ
靴脱いでわたしはかもめ
花束を虚空になげる
藪かげにひなぎくの咲く
十代にまだ酔っていたい
半月のみおろす橋を
僕たちは駆け抜けていた
音もなく黒く流れる
大川に心がうつる
もりうごく破滅の日まで
はずれまい鉄の橋から
かやねずみひそかに鳴いて
英雄に憧れている
おしまい。
上演記録
取手市立東中学校三年選択国語クラス／二〇〇〇年一〇月二九日／同校体育館／演出・高野竜／音楽・酒井康志／出演・岩井百希恵・内田武志・瓜生智世・小野民歌・梶原美奈子・�錨頂漫�小林陽一・斎藤英美・佐藤朝子・嶋さおり・鈴木祐太・高橋智美・寺田あゆみ・徳田香緒里・徳田由香里・中村真紀・ながやまけいすけ・南都紗希・根本みどり・野沢鮎美・花澤舞・藤田かおり・増田哲也・もぎしんいち・山崎佳代子・由賀由貴ほか同校生徒三一名／制作総指揮・酒井健志／協力・鈴木大介、秋葉正子
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